沖縄発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
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達人指南
現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。
「南風が吹く豊かな土地」という意味の町名を持つ、南風原町。那覇市に隣接しており、伝統文化や平和について学びながらのんびり過ごしたいという人におすすめのエリアです。
沖縄本島南部に位置する南風原町(はえばるちょう)。那覇空港から那覇空港自動車道「南風原北」「南風原南」を利用してすぐの場所に位置し、那覇市のベッドタウンとして栄えています。伝統工芸の「琉球かすり」の工房が集まる風情ある町並みや、獅子舞やエイサーなどの伝統芸能、豊かな自然など、独特の歴史や文化にふれることができるのが魅力ですね。最近では、特産品の開発に力を入れており、おいしいものが増え、グルメも楽しめると沖縄県内でも話題です。取材日/2014年3月 取材者/高梨真由子更新日/2015年10月たびらい密着取材!おすすめホテル特集→沖縄南部の楽しみ方やおすすめ情報が満載◆沖縄南部エリア特集
[たびらいセレクション]
(かかず そう) 嘉数 聡さん
幾何学模様が特徴的な伝統織物「琉球かすり」。かすりは、14~15世紀ごろに琉球王国に伝わり、その後日本に広まったと言われています。南風原町はその琉球かすりのシェアを大きく占める琉球かすりの主産地です。 かすりは、日本各地で生産されていて、通常は染めから織りまで一貫して行われています。しかし、南風原町のかすり生産の特徴は、それぞれの工程が分業制であるということ。家業として各々の工程を担当しているのは非常に珍しいです。熟練の職人になると「これは誰が染めた糸」「これは誰が織った布」と見極めることもできます。琉球かすりはその図柄も多彩で、琉球王府の「御絵図帳(みえずちょう)※1」に定められているものだけでも約600種類。現在ではその「御絵図帳」を元に、職人たちが現代の感覚を取り入れてオリジナルの作品を作りあげています。近年では染料の品質向上に伴い、かすり独特の深い色合いのほかに、明るく華やかな生地も作られるようになりました。かりゆしウェアやネクタイ、バッグなどにアレンジされることも多く、伝統工芸を気軽に身に付けることができます。また琉球かすりのほかにも「南風原花織(はえばるはなおり)」と呼ばれる織物も盛んで、多様な色彩の糸を使った立体感のある柄が人気。琉球かすりとならび今でも大切に受け継がれています。 南風原町に訪れたら、「かすりの道」と呼ばれる散策コースを歩いてみましょう。かすりの図柄を施した路面を歩くと、街中に立ち並ぶかすりの工房から“シャーラトントン”と機織りの音が響き、糸や反物を屋外で広げる姿を見ることができます。工芸館「琉球かすり会館」では、作業工程の見学や琉球かすりや南風原花織の反物、雑貨類の展示販売を行っているので、ぜひ職人の技を間近で見て欲しいです。※1 「御絵図帳」とは、琉球王国時代、絵図奉行という絵師によってまとめられた図案集。久米島、宮古島諸島、八重山諸島各地で王国に収める貢納布(税として納めた布)を織らせるために模様や染色などを細かく指定したものです。
独自の歴史や文化を育んできた南風原町には、伝統芸能が数多く残っています。中でも「獅子舞」(宮平・本部・喜屋武)や、力強い動きをもつ二才踊の代表格「揚竹田(アギチクテン)」(兼城)、棒の舞いによって疫病・災害・悪霊を払う「舞方棒(メーカタボー)」(宮城・兼城・喜屋武・照屋・津嘉山・神里)などは無形民俗文化財に指定されています。町内の祭りやイベントで演舞するほか、隔年の11月上旬に行われる「南風原青年フェスタ」でも観ることができます。 また、旧暦の6月25日、26日に行われる綱曳きも必見。南風原町の各地でそれぞれ綱曳きが行われるという町をあげての伝統行事です。地域ごとに特徴が異なり、夜の11時頃から始まり、怪我をしても一歩も引かないことから「真夜中のケンカ綱曳き」と呼ばれる喜屋武(きゃん)の綱曳きのほか、口から火を放つ龍蛇「ジャー」が登場する兼城(かねぐすく)の綱曳きなど、ここでしか見られないものばかりです。中でも、津嘉山(つかざん)の綱曳きは、伝承によれば約600年の歴史を持ち、琉球王国から下賜されたという由緒ある旗頭も見応えがあります。また、津嘉山の綱曳きでは、十数年に一度大綱曳き(ウーンナ)が行われます。大綱曳きは、町外の人や観光客も参加でき、その迫力は圧巻。南風原町観光協会では、2012年から、3、4カ所の綱曳きを巡るバスツアーを開催。地元のガイドの説明を聞き、おいしい食事もでき、参加者からは好評です。綱曳き当日は町内の混雑が予想されるため、ツアーを利用するのがおすすめ。詳細は観光協会のホームページをチェックしましょう。
沖縄県内で唯一海がない町「南風原町」。緑あふれ、自然が豊かで、農業が盛んに行われています。町の特産品として有名なのがかぼちゃです。完熟すると糖度が20度を超える強い甘みが特徴の「津嘉山完熟かぼちゃ」「南風原かぼちゃ」は、県外の高級料亭などに取引されています。見た目にもこだわり、全体がまんべんなく緑色になるよう一つひとつ丁寧に育てられています。実はこのかぼちゃ、県内にはほとんど出回らないという幻の逸品で、収穫シーズン(3月前後)になると、このかぼちゃを求めて南風原町を訪れる人もいるのだとか。めったに見かけない商品ではありますが、加工品を販売している店もあるので、その濃厚な味わいをぜひ堪能してほしいです。 また、沖縄県ではゴーヤーとならんで人気の夏野菜ナーベーラ(へちま)も南風原町の特産品。南風原産のナーベーラを「南風原美瓜(ビュウリー)」と名付け生産を行っています。県内出荷の約30%が南風原産で、日本一の生産高を誇っています。味噌煮や炒め物に使うのが一般的だが、近年ではピクルスや佃煮などの食品に加工して売り出す取り組みも展開中。まだナーベーラを食べたことがないという人は、ぜひこの機会にご賞味ください。
戦争を知らない世代にその悲惨さを知ってもらい、平和について考える機会にしてほしいと話す達人の嘉数さん。本島南部は沖縄戦で激戦地だったことで有名ですが、ここ南風原町にもその爪痕が残っています。黄金森(こがねもり)と呼ばれる小高い森にある「沖縄陸軍病院 南風原壕群20号」。以前から平和学習が盛んだった南風原町では、この場所を保存、活用していこうと考え、1990年に全国で初めてアジア太平洋戦争関連の戦争遺跡を文化財として指定。2007年から壕の一部を公開しています。 「沖縄陸軍病院 南風原壕群20号」は自然の洞穴を使用した壕ではなく、人の手によって掘られた人工の壕で、その長さは約70メートル。中は狭く、暗い上に湿気が多いです。戦時中、黄金森とその周辺には30~40あまりの同様の横穴壕がつくられ、傷病兵や軍医、看護婦、衛生兵など数千名がでの活動や生活を余儀なくされました。黄金森にはいくつか壕が残っていますが、現在は20号のみ見学可能です。入壕の際には平和ガイドが案内するので、事前予約が必要です。また、近隣の南風原文化センターには、当時の壕内を再現した展示があるので、基本的な知識を学習した上で20号壕を見学すれば、より深く平和について考えることができます。観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!
職人の光る技を間近で見るチャンス。琉球かすり会館なら体験もOK(要事前予約)
最高級品の南風原かぼちゃをアレンジし、手頃に味わえる商品を紹介。
まだまだ見所満載の南風原町。ウルトラマンを創った男の一人も南風原町出身って知っていた?
国道329号線に沿って南北に広がる南風原町。那覇空港自動車道には「南風原北」「南風原南」のICを利用すると便利
国道329号線沿い「兼城」交差点を南に進み、南風原町役場の交差点を右折。「琉球かすり会館」の看板が目印で、事務局は琉球かすり会館隣。南風原町文化センター(南風原町字喜屋武257番地)内にも事務局があります。
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「南風原町観光協会」※南風原町の観光・イベント情報などの問い合わせ先【住所】沖縄県島尻郡南風原町本部158(「琉球かすり会館」隣)【電話番号】098-851-7273【営業時間】9時~18時【定休日】水曜日【駐車場】あり
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南風原町北部・新川からの眺め
南風原町は那覇市の東側にあって、北部は首里とも隣接しています。それゆえ、琉球王朝時代は、王族が南部へ行く際に必ず南風原町を通ります。かつての琉球王もこんなふうに南風原を眺めていたのかもしれないと思うと、ロマンを感じずにはいられません。
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