ドラマの舞台にもなった「小浜島」をゆったり観光
石垣島からフェリーで約30分。NHKの朝の連続テレビ小説の舞台になったことをきっかけに一躍有名になった小浜島では、さとうきび畑を散歩しながら気ままに過ごすもよし、自然の中でアクティブに楽しむもよし、リゾート地で優雅にくつろぐもよし。小さい島ながらも欲張りな離島旅を満喫できます。
![自転車で駆け抜けたい、まっすぐに伸びるシュガーロード 自転車で駆け抜けたい、まっすぐに伸びるシュガーロード]()
さとうきび畑が広がる小浜島は、島の周囲が16キロほどの小さな島。美しい海やマングローブ林、満天の星空など、南国特有の豊かな自然にあふれています。その自然を活かした大型リゾートホテルが小浜島の東部には広がり、そこでは至れり尽くせりのリゾート旅を楽しむことができます。一方、赤瓦屋根の家が並ぶ集落や、さとうきび畑が広がる農村など、昔から変わらないのどかな風景も多く見られます。新旧入り混じった小浜島の魅力を、小浜島にほれ込んで移住したという達人に教えてもらいました。
更新日/2018年 6月
《この記事を読む人におすすめの情報》
小浜島は八重山のてんぶす
![高台からは周辺の八重山諸島が見渡せる 高台からは周辺の八重山諸島が見渡せる]()
八重山諸島の中央に位置する小浜島は、八重山のてんぶす(沖縄方言で「おへそ」という意味)と呼ばれています。それは高台からの景色で一目瞭然。島内でもっとも標高の高い大岳(うふだき)の頂上からは、石垣島や竹富島、黒島、西表島などが360度見渡せます。
「晴れた日はサンゴ礁のグラデーションがより一層きれいですよ」とはんまさん。でも、はんまさんのお気に入りの高台は別にあるそうです。「大岳の隣りにある西大岳が好きですね。標高は少し低いけど景色は文句なしに美しい。西表島の山や島の西側にある細崎(くばざき)の岬の形もきれいに見えますよ」朝日も夕日も楽しむことができるこの場所は、階段が整備されているものの、地図にはあまり載っていないとのことなので行く際は地元の人に聞いてみましょう。
集落の人々の多くは、小浜島の中心産業である農業に従事しています。朝早くから畑に出掛け、暑い昼間には昼食を兼ねて少し長めに休憩し、涼しくなる夕方頃また畑にいることが多いといいます。「畑からラジオの音が聞こえたり、夕飯時には三線の音が集落内に響いたりして心地いいですよ」とはんまさん。この島の人々の穏やかなペースは美しい自然と同じくらい魅力的なようです。
サンゴ礁に囲まれたリゾートアイランド
![島の人も利用する小浜島のリゾートホテル 島の人も利用する小浜島のリゾートホテル]()
小さくて素朴な島ながら、島の東部には「はいむるぶし」という大きなリゾート地があります。「集落とリゾート地がちょうど良い距離感を保っているので、素朴な島にいながらラグジュアリーな雰囲気でくつろげますよ。この島に流れるゆるやかな時の流れや手つかずの美しい自然を体感できるのが魅力ですね」とはんまさん。
集落とリゾート地が心地よく共存できているは、島の人々も利用しているからです。「県外や沖縄本島から知り合いが訪ねてきた時にリゾートホテルのレストランで食事をすることがありますね。あとは母の日限定プランなどには、島の人もちょっとおめかしして出かけたりしますよ」小浜島の人々にも愛されるリゾートです。
美しいビーチを眺めるだけのぜいたくな時間
![島の東部にあるトゥマールビーチ。遠くに竹富島や石垣島が見える 島の東部にあるトゥマールビーチ。遠くに竹富島や石垣島が見える]()
小浜島のビーチで人気なのが東側にあるトゥマールビーチ。海水浴だけでなく、スタンダップパドルやカヌーを楽しむのにもおすすめです。朝日もきれいに見えるので、散歩をしながら朝日が水面に反射してキラキラ光る海を楽しめます。また、島の滞在が満月の前後なら、ぜひ夜にも足を運んでみてください。満月、風のない静かな海、という条件がそろえば、月がのぼるころ水面に月の光の道が波打ち際まで届く幻想的な世界を体感できます。
「私のおすすめは細崎(くばざき)のビーチですね」とはんまさん。島の西側・細崎の北側にあるビーチは遠くにマングローブ林が見えます。「海の色がとってもきれい。アダンの木が自生していて亜熱帯な雰囲気です。漂流物も少ないのでカメラ撮影にもおすすめです」
島の旧暦行事「結願祭(きつがんさい)」とは?
![結願祭で行われるミルク行列(写真提供:観光協会) 結願祭で行われるミルク行列(写真提供:観光協会)]()
小浜島で一番大きな祭りと言えば、新暦の10月または11月に行われる「結願祭(きつがんさい)」。その年の豊作に感謝し、来年の五穀豊穣や島の人々の無病息災を祈る祭りで、2007年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。「集落の北はミルク(五穀豊穣の神)を、南は福禄寿(「ふくろくじゅ」、集落の神)を先頭に、集落内の御嶽(うたき、祭祀などを行う聖地のこと)にやってきます。そこで、踊りや棒術などの伝統芸能を披露して奉納するんです。島の子どもから大人までみんな参加しますよ」ちなみにその日の学校はお休みですか?と聞いてみると、「そうですね。だって先生が朝から準備にかり出されますからね(笑)」
開催時期は集落の集まりによって決まるため毎年バラバラ。ぜひ見たい!という人は、地元の宿や飲食店、石垣市観光協会に事前に確認してみましょう。