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地産地消、医食同源という考えの元に伝えられてきた沖縄の郷土料理。沖縄らしい料理とは何か?その歴史や魅力について紹介します。更新日/2015年 10月
沖縄の郷土料理といえば、チャンプルーや沖縄そばがすぐ思い浮かびます。しかしそれ以外にもたくさんの料理があり、どこからどこまでが沖縄料理なのか迷ってしまうこともあります。沖縄郷土料理の歴史やそのルーツ、そして魅力について、沖縄の郷土料理研究の第一人者、松本嘉代子先生に話を伺いました。
[たびらいセレクション]
(まつもと かよこ) 松本 嘉代子 さん
沖縄の郷土料理とひと口に言っても、ラフテーやテビチといった豚肉料理から、豆腐と季節の野菜類を炒めたチャンプルー、手軽に食べられる沖縄そばまで、その種類はさまざまです。果たして、“沖縄の郷土料理”というものには、何か決まった定義はあるのでしょうか?「沖縄の郷土料理は、琉球料理と沖縄料理(うちなー料理)の2つに分けられます。琉球料理は歴史的に受け継がれ、独特の材料や調理法が、沖縄の風俗習慣に根差したもの。沖縄料理は戦後、アメリカ統治下に盛んに流通するようになった缶詰食品をはじめとして、世界各国の影響を受けた現在の食生活のことをいいます」と話す松本先生。琉球料理と沖縄料理が厳密には違うとは驚きです。琉球料理について詳しく聞いてみました。
「琉球料理は、さらに宮廷料理と庶民料理に分けることができます。宮廷料理は、中国の影響がとても大きいですね。琉球王朝の王が変わるたび、中国からは皇帝の使者である冊封使(さっぽうし)がやって来ました。宮廷料理は国賓である彼らをもてなすための料理であり、中国の調理法や彼らが持ってきた食材の影響を受けています。また、沖縄の人が冊封使と一緒に来た中国人のホーチュウ(沖縄の方言で料理人のこと)から料理を習うこともあったようですよ」と松本先生。また、少ないながらも日本料理の影響も受けているそうです。「地元の食材を、その時代の文化風習にあった方法で調理すると、自然とその土地らしさを反映した料理になりますね。沖縄が琉球だった頃から受け継いできた料理をまとめて琉球料理と呼んでいます」と松本先生は笑顔で話してくれました。伝統料理とは、時代に沿い変化しながら受け継がれてきたものです。具体的にはどのようなものがあるのか、松本先生に聞いてみました。「例えば、沖縄で人気の揚げ菓子・サーターアンダギーとそっくりなお菓子が中国にありますよ。開口笑(かいこうしょう)という、少し油っこくてゴマがついたお菓子です。外見も作り方も似ています。また、豆腐と季節の野菜を炒めたチャンプルーやナーベーラーンブシー(ヘチマの味噌煮)といった庶民的な琉球料理は見た目が地味だけれど、宮廷料理はとても華やか。例えば、花イカ(甲イカに切り込み細工を入れて表面を赤く染めたもの)は赤と白のコントラストが美しい、中国風の料理です」。
一方、アメリカの影響を受けた料理というと、「食堂やレストランで出されるAランチ、Bランチ、お肉屋さんで呼ばれるAロース、Bロースと言っても、沖縄県外の方には通じませんね。これはアメリカ的な呼び方で、いわゆる松・竹・梅定食のこと。ロースも肉の等級ではなく部位のことです。ツナ缶のことは“トゥーナー”と英語風の発音で呼んだりしますね。他にもタコライスのように名前はアメリカ風、中身は沖縄料理というものも多いです。それから、缶詰を使うことに抵抗がなく、世代を問わず洋食に慣れ親しんでいることは、やはりアメリカ文化の影響でしょうね」。 ポークランチョンミート(豚肉の加工品の缶詰)を使った“ポークたまご”や、ビーフシチューの缶詰を使ったヘチマの煮込み料理など、米軍統治下の影響と沖縄の食文化がミックスされた料理は、沖縄の家庭料理としてよく食べられています。「でも、一番の影響は、やっぱり風土でしょう。気温が高いため、料理にはたくさんの工夫がされました。例えば、体調に合わせていただく煎じ汁料理があります。貧血にはレバーをいただくというふうに、薬効を見込んで食材を組み合わせた汁料理“シンジムン”です。こうした医食同源の考え方は日本各地にもありますが、沖縄料理全体を見てみると明らかな特徴があります。昔の沖縄では野菜や魚を生で食べることはほとんどなかった。保存や品質の問題で、魚を刺身でいただく時には、必ず酢を使って殺菌したし、野菜は火を通し、できるだけ栄養を効率良く摂るよう工夫していました」 これが今の野菜チャンプルー料理の源流になり、沖縄長寿の源のひとつだったといいます。
「チャンプルー料理は、豆腐と季節の野菜や肉を合わせるもの。最後に卵でとじるものもあります。お肉の動物性タンパク質と野菜のビタミン、豆腐の植物性たんぱく質など、豊富な栄養素を一皿でいただける。それに、火を通すのでたくさん野菜が食べられるというわけです。とても合理的な料理ですよね」と話す松本先生。 他にも、沖縄の料理の特徴として、肉だしとカツオだしを混ぜて使うことが挙げられます。そのため、だしはかなり“あじくーたー(味が濃厚)”です。しかし、その分、塩分は控えめなのに味良く調理できるそうです。「沖縄の料理は何にでもと言っていいほど豚肉を使うけれど、一度湯がくのがセオリーです。余分な脂を落として、おいしくいただく。生の豚肉をそのまま使うと、脂が多くなってしまうでしょう」 昔の沖縄の人が一生懸命してきた工夫が、ちゃんと今の沖縄料理にも生きています。ただ食べているだけでは、なかなか気づかない先人の知恵がたくさん込められています。 しかし、近年は、洋食文化でサラダや肉、揚げ物をたくさん食べるようになって、昔ながらの食スタイルが変化してきました。松本先生は、「残念ながら、きちんとした沖縄郷土料理は減ってきています」と話します。汁物ひとつとっても、本物の味や調理法を体で覚えていないと、ちゃんとしたものは作れないそうです。
「沖縄の料理は独特なものだと言いましたが、それだけいろいろと注目されているんです。ですから、しっかり伝統を守り伝えていきたいですね」 松本先生の料理学院には、日本各地からの移住者や観光客もよく訪れるそうです。沖縄の料理をきちんと覚えたいという気持ちからです。先生は、沖縄の文化や県民性、いわば何でも誰でも受け入れる大らかさが、料理にも人付き合いにも良い影響を与えていると考えています。「私のモットーは、“料理は人と人のコミュニケーション”。料理が人を作り、輪を作る。その輪が広がって大きなつながりになると思っています」。 旅行でおいしい郷土料理を食べて、そこからその土地のことを知って、好きになってくれたらこんなに素敵なことはありません。沖縄郷土料理の真の魅力はそこにあるのかもしれないですね。 最後に、松本先生おすすめの沖縄郷土料理を教えてもらいました。「観光で沖縄にいらしたら、ぜひ本物の沖縄の郷土料理を召し上がって下さいね。“クーブイリチー”といって、昆布を細く切って肉とだしで煮込んだ料理は、長時間煮られた昆布がとてもおいしいんですよ」■達人の料理学校【名称】松本料理学院【住所】沖縄県那覇市泉崎1-9-13【問い合わせ】098-861-0763【交通】パレットくもじに隣接する県庁前駅より徒歩3分【営業時間】朝クラス10時~12時、昼クラス14時~16時、夜クラス18時15分~20時15分【定休日】日・祝祭日休講【利用料金】琉球料理科(月3回/1年~):料金は要問い合わせ【駐車場】あり、または近隣有料駐車場使用(割引あり)観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!
伝統を受け継ぎながら、美味しい琉球料理を提供
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のんびりと庭を眺めながら沖縄料理を楽しみます
築60年以上になる赤瓦古民家を店舗として利用している、琉球茶房あしびうなぁ。「あしびうなぁ」とは沖縄の方言で「遊び御庭」という意味で、「私の庭に遊びにいらっしゃい」という想いから名付けました。庭を取り囲むように作られた縁側席は、草花を眺めたり、風や光を感じながら食事が楽しめるので人気が高いです。
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