「おんなの駅」で南国グルメを食いだおれ
「なかゆくい」とは沖縄の言葉でひと休みのことです。沖縄本島北部・恩納村(おんなそん)の国道58号線沿いにある「おんなの駅なかゆくい市場」は、お土産に人気の地元の特産品や、ここでしか味わえない飲食店が充実。ドライブの行き帰りに気軽に“なかゆくい”したいですね。
![旬の野菜や果物が並ぶので、観光客だけでなく地元の利用者も多い 旬の野菜や果物が並ぶので、観光客だけでなく地元の利用者も多い]()
国道58号線に沿って南北に細長い恩納村(おんなそん)。緑の丘陵地帯と美しい海岸線に囲まれた国内屈指のリゾート地としても知られています。観光産業が盛んだが、野菜や熱帯果樹の栽培やモズク、海ぶどうの養殖など農業や漁業も盛んな地域。「おんなの駅なかゆくい市場」では、地元で採れた旬の野菜や果物をはじめ、水産加工食品やお菓子などの地元の特産品を中心に県内各地から土産品や伝統工芸品、泡盛といった商品がいっぱい並んでいます。また、沖縄そばやタコライス、揚げ菓子のサーターアンダギーなどの沖縄の定番料理や地元の食材を使ったメニューや商品など、ここでしか味わえない人気の飲食店が並び県内外から多くの客が訪れます。
取材日/2013年 11月 取材者/嘉手川学
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沖縄旅行のお土産にピッタリの恩納村生まれの特産品
![恩納村の魅力をぎゅっと集めた加工品コーナー 恩納村の魅力をぎゅっと集めた加工品コーナー]()
おんなの駅なかゆくい市場は、スーパーやデパートでは売られていない地元で採れた島野菜や旬の果物をメインに、お菓子や水産加工食品などの特産品などの土産商品を販売しています。達人の名城さんは「ここで一番の魅力といえば何といっても旬の野菜と果物。地元の農家さんが一生懸命作った新鮮な野菜や果物がずらっと並び、県内各地から買い物客が集まりますよ」といいます。でも、観光客や地元の人にもっと知ってもらいたいのは恩納村で作られている商品だといいます。「正面入口から入ったお土産エリアのやや左側に、恩納村で作られたお菓子やジャム、アーサ(海藻のヒトエグサ)やモズクの佃煮などの瓶詰め商品、県産豚を使った加工食品、普段から使いたい調味料などバラエティー豊かな商品が並べられているんです」。どれも一度試すとまた買いたくなる商品ばかりだといいます。また、「三線の演奏や職場の営業を兼ねて沖縄県外に行くことが多いのですが、その時に出身地の恩納村産の土産に持っていくと喜ばれるんです」と語った。恩納村の人々が、心を込めてつくる商品に注目したいですね。
おいしさいろいろ。ランチに賑わうボリューム満点の満腹グルメ
![人気のタコライス。パーラーのお母さんがじっくり作った優しい味 人気のタコライス。パーラーのお母さんがじっくり作った優しい味]()
国内屈指のリゾートエリアの恩納村には、沖縄県外からの観光客が多いためレストランや居酒屋、食堂などの飲食店が充実しています。メニューも多彩でオーソドックスな沖縄料理から地元の食材を使った独創的なものまであらゆるジャンルの料理を味わうことができます。そんなエリアの中にありながら、沖縄そばやタコライス、沖縄風天ぷらといった庶民的なメニューが楽しめると評判なのが「おんなの駅なかゆくい市場」にある11軒の外店舗。昼食時になると周辺に勤める地元客や、休憩を兼ねて昼食をとる観光客で賑わっています。達人もこの外店舗をよく利用していて、おすすめは「カナちゃんパーラー」のタコライスといいます。トマトと玉ねぎと一緒にじっくり煮込んだミートはスパイシーだけど優しい味わいで、一度食べるとまた食べたくなる人気メニュー。「手頃な料金でボリュームも満点。沖縄そばも美味しいので、どっちを食べるか悩んだときに両方注文してしまいます(笑)」。
土産としても人気の果物といえば夏場のマンゴーと冬場のアテモヤ
![恩納村でつくられるアテモヤは冬場の定番 恩納村でつくられるアテモヤは冬場の定番]()
パッションフルーツやパイナップル、マンゴーなど、おんなの駅なかゆくい市場では、一年中、地元の農家が大切に育てた熱帯果実や季節のフルーツが並んでいます。
「人気の果物は何と言っても夏はマンゴー。冬はアテモヤの人気が定着してきました」と店長の与儀さん。贈答品や沖縄のお土産として人気が出てきてるといいます。アテモヤは「世界三大美果」の一つでもあるチェリモヤにバンレイシ(釈迦頭)を掛け合わせたもので、糖度は20度以上もあり口当たりはクリーミーで滑らかです。濃厚な甘さは森のアイスクリームとも呼ばれています。恩納村では15年前からアテモヤ生産に取り組んでおり、沖縄県から安定的な生産供給が可能な地域としてアテモヤの拠点産地に指定されています。恩納村のアテモヤは、濃厚な甘さなのにさっぱりとした後味が評判。おんなの駅に訪れたら、ぜひとも旬の熱帯果実を楽しみたいですね。
香ばしく焼きあがったパンの香りが館内に漂う
![パンが焼きあがる12時から15時くらいがおすすめの時間帯 パンが焼きあがる12時から15時くらいがおすすめの時間帯]()
おんなの駅なかゆくい市場の2階には石窯を使った焼きたてパンが美味しいと評判の「パリのパン屋さんボンジュール」があります。パリのパン屋さんをイメージした店頭には焼きたてのパンが約80種類、お洒落なバスケットや皿に入れられて並べられており、どれも100円~200円と手頃な料金です。
定番のパンやデニッシュ系、バゲット、カンパーニュといったハード系まで種類は豊富で、恩納村以外からもこの店のパンを買いに来る沖縄県民も多いです。達人もたまにパンを買うらしく「ベーコンやチーズを使ったフランスパンが好き」と答えてくれました。また、カフェも併設していてピザやパスタもあります。ランチタイムには海の見える窓際に座って食事を楽しむ人が多いですよ。
観光客の中にはパンの焼ける香ばしさに誘われてパンを買い、あまりの美味しさに土産として買ったり、沖縄に来るたびにこの店に来る人もいるといいます。買い物やドライブに疲れたときは、2階のカフェで焼きたてパンとコーヒーで「なかゆくい」するのもいいですね。
周辺を散策しながら恩納村の歴史を勉強します
![おんなの駅なかゆくい市場の対岸にある恩納村立博物館 おんなの駅なかゆくい市場の対岸にある恩納村立博物館]()
名城さんはさらにゆっくりおんなの駅を楽しむための、達人ならではの過ごし方を伝授してくれた。「おんなの駅の隣には海を挟んで恩納村立の博物館があり、そこでは自然の恵みに感謝して共に生きてきた恩納村の人々の暮らしや年中行事、歴史などを知ることができますよ」という。博物館とおんなの駅の間の海沿いには遊歩道があり天気のいい日には青い海を眺めながら周辺を散策できる。また、博物館から少し歩いたところには「仲泊(なかどまり)遺跡」がある。足場は悪く急な斜面もあるけれど、丘の上の展望台からは美しい海が見渡せる。「おんなの駅なかゆくい市場では食事や買い物だけでなく、周辺を散策すると沖縄や恩納村の歴史や文化も知ることができるんですよ」と語った。