沖縄そばとソーキそばの違いは?
沖縄を紹介するテレビ番組や雑誌などで、沖縄のそばをソーキそばと紹介することがたまにありますが、それは大きな間違いです!沖縄の食文化として沖縄県民に愛されているのは沖縄そばで、ソーキそばというのは沖縄そばの中のメニューの一つに過ぎません。具体的に違いを上げるとすれば、沖縄そばと言われるものの多くは、三枚肉とかまぼこがのっているものです。ソーキそばは、ソーキ(豚のあばら骨の部分)がそばの上にのっているメニューです。そのほか、てびちがのっているものはてびちそば、野菜がのっているものは野菜そば、ゆし豆腐がのっているものは、ゆし豆腐そばです。
沖縄そばは県民のソウルフード
ひと口に「沖縄そば」といっても、味も具材も、そのバリエーションは驚くほど豊富。沖縄県内には300を超える専門店があるといわれ、店ごとに工夫やこだわりが詰まっています。沖縄県民は沖縄そばが大好きで、県内では学校給食でもお馴染みのメニューですし、飲んだ後は締めラーメンならぬ、締め沖縄そば!という人も多いです。
豚骨だしのイメージが強い沖縄そばのスープですが、カツオ節をたっぷり使ったスープも昔から好まれてきました。最近では、昆布や野菜で味を調えたものや、豚骨だしとカツオだしを合わせたスープも人気で、あっさりからこってりまで、その味は幅広くなりました。また、材料は沖縄県産の食材のみを使っているとか、8時間以上かけてじっくり豚骨だしを取るとか、化学調味料を一切使わずに仕上げるなど、店ごとにかなりのこだわりが見て取れます。
スープだけではなく、もちろん麺にも強いこだわりがあり、専門店では、手打ちの自家製麺を出すところも多いです。麺は、樹木の灰を水に入れ、その上澄みをろ過してとった灰汁(あく)を小麦粉に加えて打つ“木灰そば”が伝統的な作り方。ツルツルとしてコシのある麺は、風味豊かで噛みごたえもあり、スープの味をより引き立ててくれます。
そんな沖縄そばの麺は地域によって形や太さが異なり、沖縄本島北部は、きしめんのような幅広の平麺、中南部は3~4ミリ幅の麺が主流で、宮古島は細い麺、八重山諸島だとつるんとした丸い麺など、それぞれ地域ごとに違いがあります。
麺とスープが主役ならば、具材は重要な名脇役。中でも肉は、存在感が光る逸材です。じっくりと煮込んだソーキ(豚のあばら肉)や、ぷるぷるした食感のテビチ(豚足)など、しっかりと味つけされた肉は、それだけ食べてもおいしいですが、麺やスープと合わさると、さらにおいしくなります。
また、沖縄そばのリピーターに試してほしいのが、沖縄独自の調味料やトッピングを加えて、自分好みの味を楽しむという食べ方。まずは、そば全体を見る。ポイントは具材のコントラストや麺とのバランスです。そして香りを楽しむ。だしの匂い、ねぎの香りを思いっきり吸い込む。スープをひと口飲んでから、麺を食べます。麺と具を食べて、ふた口目くらいに今度は紅ショウガと一緒に食べ、それで3分の1ほど減ったところで、コーレーグース(とうがらしを泡盛に漬け込んだ調味料)を入れたり、好きな香辛料を加えたりします。フーチバー(ヨモギ)があれば、入れてみましょう。そうやって少しずつ味を変えて食べるのも楽しいですよ。他にも、ほんのり甘くて、後からピリッとした辛みが味わえるピパーチ(八重山諸島で作られている島コショウ)や、細切りにした生ショウガなどをテーブルに用意している店もあるので、ぜひ試してみて。
→もっとおいしい沖縄そば屋を知りたい!沖縄そば一覧はこちら