沖縄発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
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達人指南
現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。
慶良間諸島のひとつで、阿嘉島と橋でつながっている小さな小さな離島・慶留間(げるま)島。人口は100人にも満たない。こぢんまりとした島に流れる豊かな時間をどうぞ。
慶良間諸島のひとつ。座間味村に属する3つの有人離島の中で、一番小さな島。阿嘉(あか)島と外地(ふかじ)島の間に挟まれた位置にあり、それぞれの島と橋で慶留間(げるま)島はつながっています。 かつては中国と那覇を往来する進貢船の重要な中継地でした。しかし、周辺には岩場が多く、よく座礁したため、それらの船には地元の優秀な船乗りがよく使われていたそうです。そのため慶留間島は船乗りの里として発展し、船頭屋敷も島内には数多くありました。 現在、自然豊かな島には固有種のケラマジカが生息しています。最近では渡嘉敷島からイノシシも渡って来ているらしいです。観光客があまり多くない慶留間島の手つかずの美しい海は、そのほとんどがプライベートビーチのようです。(聞き手/島ライター伊藤 麻由子)更新日/2017年6月→他の慶良間諸島の記事を見るたびらい密着取材!おすすめホテル特集
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(まえだ まさき) 前田 正樹さん
リピーターが多く、人気の高い慶良間諸島ですが、この慶留間島を目的として島に渡る人は少ないです。慶留間島は那覇・泊港から船に乗って阿嘉島下船後、橋を渡ってようやく到着する島なのですが、船に乗り込んだ人のほとんどが阿嘉島目的です。もしくはチャーター便で那覇から空の旅でやってきたとしても、外地島の空港に着いたら、そのまま、慶留間橋、阿嘉大橋と渡って阿嘉島に入ってしまいます。何やら忘れられたような感じがありますね。 確かに、島には重要文化財の高良家ぐらいしか名所はありません。売店もなければ、土産物屋もないです。しかし、それゆえに慶留間島は手つかずで、のんびりゆったりとしていて、阿嘉島とはまた違った空気が流れています。昔のままの沖縄が残っている島です。 阿嘉島から行く手段は、レンタサイクルか宿の人に送迎してもらうかのいずれかしかなく、どちらの島にもタクシーもレンタカーもないです。歩いて行けないことはないが、景色を見ながらゆっくり歩けば1時間はかかります。真夏だと日陰もないのでかなりきついでしょう。 そんな慶留間島に惚れて移住したのが、この島の達人の大阪出身の島人、前田正樹さん。「かれこれ10年以上住んでいますが、まだまだ島のことで知りたいことがたくさんあるんです」。この島への興味は尽きないようです。一見何もないと思われがちな慶留間島で達人が魅力に思っているのはどんなことなのでしょうか。
「子どもたちが遊ぶから」と前田さんが連れて行ってくれたのは慶留間の港の横にある集落前のビーチ。観光客の姿は全くありません。穏やかでキレイなプライベートビーチです。 「こんなビーチが集落の前にあって、いつでも好きな時にすぐに入れるなんて、ぜいたくでしょ? 島人ならではの特権だよね」と達人は笑います。シャワーも何もないですが、観光客だって利用可能。さっと海水を流すために、ペットボトルに水を入れていけば案外代用できるものです。湾内なので波も穏やかです。夏以外の季節であれば、本を片手にやってきて、波の音を聞きながらの読書もいいでしょう。 子どもたちがこんなの見つけたよ!と持ってきたのはシカの骨でした。ケラマジカでしょう。ここは彼らにとってもお気に入りのビーチだったのかもしれません。人と一緒に海水浴を楽しむことはないからご心配なく。 一度島を出て、戻ってきた前田さんのパートナーもこんな風に言っていました。「島に帰ってきて良かったと思うのはこういう時間。かけがえのないものでしょう。子どもたちを安心して泳がせられる」。ごもっともでした。これが日常だなんて、なんて羨ましいのでしょうか。少しの間だけでもお裾分けしてもらいましょう。ちなみに、ビーチ脇には島の行事をする時に拝む場所があるのですが、残念なことに年々島の行事の数が減ってきています。それをできる神人がお隣の阿嘉島も含め少なくなっているからだといいます。
前田さんのおすすめスポット「沖縄県重要文化財 高良家」の番人をしているのが、武次郎おじぃこと、中村武次郎さん。番人を始めて、もう10年になるといいます。高良家を見学に行くと、大きめの音量でラジオを聴きながら屋敷の中の日影になる一角に座り、やってきた人を満面の笑顔で迎えます。 「どうぞどうぞ、上がって上がって」。せっかくなので、勧められるままに高良家の座敷に上がりこみ、ゆんたく(おしゃべり)を決め込みました。おじぃの話を聞いていると、島の昔の様子がよく分かります。 武次郎おじぃは、戦後の若かりし頃、カツオ船の漁師だったといいます。当時の島はカツオ漁に沸き、カツオ御殿も建っていたほどです。漁は30人ほどの島の男が船に乗り込み一本釣りでカツオを釣り上げました。隣の竿と絡まないように、カツオを傷つけないようにと、細心の注意を払わなければならないのです。一人前の漁師になるには2年ほどの下積みが必要だったそうです。 「男たちが港に戻ってくると、10人ぐらいの女たちが待ち構えていて、釣ったばかりのカツオをすぐにさばいて乾燥させたんだよ。これで極上の鰹節ができる。他のところのカツオは、遠洋まで行って氷漬けにして持って帰ってくるけど、慶留間じゃ、そのまま持ち帰ってくるからカツオの鮮度が違う。だから鰹節にした時のおいしさも違うわけ」。大人気で、業者が買い付けのために作業場で待っているほどだったといいます。 ひとしきり話が終わると「棚の中の三線を取ってきなさい」と言われ、おじぃに三線を渡すと、十八番の歌を歌い始めました。「安里屋ユンタ」です。手拍子をリクエストされ、一緒に盛り上がります。レパートリーはかなりありそうですね。随分と長居をしました。
達人の前田正樹さんが、この島が気に入った理由のひとつに、島の人の親切さをあげました。 「自分は料理人ですから、いろいろな野菜を自分で育てたくなったんですが、その時に慶留間島のおじぃが無償で畑を貸してくれたんです。しかも、この土地で野菜を作る時のコツを教えてくれたり、慶留間島野菜の株分けをしてくれたりした。この島にお礼をしないとって思ったんです」。前田さんは、昔からある島の小豆や島らっきょうなどはもちろん、その他に、何とかこの土地に合う野菜はないかと試行錯誤しています。 「これまでの成功は西洋ネギ、ビ―ツ、ズッキーニ、ミニパプリカ、エディブルフラワー(食用花)などです。これからも島の自然と格闘していき、お店に食べにきてくれる観光客や島の人たちに喜んでもらいたい」と前田さんは語ります。島内でハイカラな野菜を育てている畑を見つけたら、間違いなく前田さんの畑です。 そして、そんな恩返しを形にしたのが達人の店「慶留間gnon(ゲルマニヨン)。何もない島にできたレストラン。おいしい物好きの間ではうわさになっていて、座間味島や渡嘉敷島からもランチにディナーにやってきます。阿嘉島観光客もやってきます。「食材はできるだけ島のものを使い、野菜はできるだけ自分で育てている。お隣の阿嘉島のお豆腐屋さん<竹子の手作り豆腐>を使うこともある。慶留間島ならではのイタリアンです」。 ランチの前菜にでてきたのは、自家製島にんじんとパプリカのピクルス、スクのフライ、セイイカの白子、グァバにパパイヤに、盛り付けを締める青色のエディブルフラワーのバタフライピー。この花も前田さんが畑で咲かせたものです。「ハーブティにも使われることが多いバタフライピーだけど、これを使って炊き込んだご飯、ブルーライスを出したこともある」。その他には冷製スープ、パスタ、自家製パンに肉料理に、デザートとひと通り堪能させてもらいました。 島のおばぁたちが作る素朴な沖縄料理も魅力ですが、この島の食材を使った珍しくて、おしゃれな料理も旅の強烈な思い出になるでしょう。ディナータイムはテラス席でワイン片手に島風を受け、慶留間の夜を締めくくるのもいいですね。【達人の店】「慶留間gnon(ゲルマニヨン)」観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!
小さな島だけに、どこでも海が見られますが、とりわけ達人お気に入りの慶留間島のスポットを紹介します。
車で通り過ぎるだけではもったいない、慶良間の海を堪能しながら外地島へ。そしてここには、沖縄の歴史を物語る碑がありました。
那覇・泊港から阿嘉島まで高速船で約50分、フェリーで1時間30分。阿嘉島からは宿の送迎、もしくはレンタサイクル。【料金】フェリーざまみ:片道2120円、往復4030円高速船クィーンざまみ:片道3140円、往復5970円【時刻】1日1往復便⇒詳しくはこちら
阿嘉島のレンタルショップしょう(電話090-1179-2839)で借ります。このほか、阿嘉島の宿でのレンタサイクルやバイクを利用します。
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島のゆんたく広場
集落の入り口にある大きなフクギの木の下のイスとベンチ。島に行くといつも誰かしら座っています。どうやらここは集落の中で一番風が通る場所のようで、「気持ちがいいから」と島の人が涼みに来ます。ひとり座ると、それを見つけてご近所さんがでてきてゆんたく(おしゃべり)。通りすがりの自転車のおじぃに声をかけたり、周りで子どもたちが走り回ったり。一緒に座ってゆんたくできたら、思い出に残るひとときになりそうです。
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