「A&W」沖縄ローカルのファストフード店
沖縄ローカルのファストフードチェーンである A&W(エイアンドダブリュ)。日本にいながらにしてアメリカンな雰囲気と味を楽しめるので、観光客にも人気。半世紀にわたって、沖縄県民から愛され続けるお店です。
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A&Wは、日本国内では沖縄だけにあるハンバーガーショップ。「ルートビア」という独特の風味を持つドリンクで有名なA&Wは、日本初のファストフードレストランという歴史ある店です。1960年代、沖縄県民の「憧れ」でもあった華やかなアメリカ文化を象徴する店は、時を経て沖縄に根付き、子どもからお年寄りまで世代を超えて愛されるようになりました。県民だけでなく観光客にも支持されるA&Wについて、その歴史やおいしさの秘密、とっておきのエピソードを達人に聞きました。
更新日/2015年 8月
知ればもっと楽しくなる!沖縄のA&Wにまつわる話
![おいしいアメリカンフードとアメリカンな雰囲気の店内 おいしいアメリカンフードとアメリカンな雰囲気の店内]()
沖縄県民に「エンダー」の愛称で親しまれているA&W。国内初のファストフード店が、実は日本復帰前1963年にオープンしたA&W屋宜原(やぎばる)店ということはご存知だろうか(※米軍統治下だったということで、1970年、東京都町田市内のショッピングセンターにオープンしたドムドムバーガーが日本初のハンバーガーチェーン店とする説もあり)。
A&Wの歴史をひもとくと、1919年、アメリカ・カリフォルニア州のロイ・アレン(Roy Allen)という薬剤師が、病床の友人のために薬草や樹木の根などを原料にヘルシードリンクを作ったことにはじまります。「ルートビア」(Root=根、Beer=ビール)と名付けられたこの飲み物は、禁酒法という時代背景もあって大人気となり、ルートビアを売るための会社「A&W」が設立されました。そしてルートビアをメインにハンバーガーやホットドッグなどの商品を加えて全世界にA&Wレストランをチェーン展開していき、時を経て戦後アメリカ統治下におかれた沖縄にやってきました。
屋宜原店のオープン当初、お客さんはアメリカ人ばかりでした。ドライブインに車で乗り付け、ウェイトレスが運んでくるハイカラなアメリカンフードを車内で食べるそのスタイルは、当時の県民の憧れで「いつか免許をとったらA&Wに行きたい」と思う若者たちも多いです。「昔はドライブインのお客さんにも飲み物はマグ(ジョッキ)で提供していたので、マグをそのままお持ち帰りになる人もいたのですが、広告効果を狙ってあえて止めなかったそうです」と友寄店長。今では考えられないPR方法だが、それが功を奏してか、A&Wの名は沖縄中に広く知られることになりました。店内を見渡すと、地元の高校生、親子連れ、老夫婦と、とにかく客層が幅広いです。おじいやおばあ(沖縄方言でおじいちゃん、おばあちゃんのこと)が、ルートビア片手にスーパーフライを食べる姿はなんとも沖縄らしい光景で、いかに地元の生活に根付いているかが伺い知れます。
80年代、90年代に一時県外への進出も果たしたそうですが、沖縄ほど受け入れられることはなく事業は撤退。日本ではここ沖縄でしか味わえない味に、「沖縄に着いたらA&Wに行かなきゃ」と、観光客の中には熱狂的なA&Wファンも多いそうです。
あなたは好き?A&Wのルートビアはおかわり自由。
![凍りついたマグで飲むルートビアは、爽快!の一言 凍りついたマグで飲むルートビアは、爽快!の一言]()
もともとルートビアの販売から始まったA&W。お店の一番の売りはやっぱりこのルートビア。ギンギンに冷えたマグに並々注いでくれるのは、イートインの特権。「生のルートビアを一番おいしい状態で飲んでほしい。ビールに氷は入れないですよね?だから店内でお出しするルートビアには氷を入れていないんです」と、友寄店長が教えてくれました。本場アメリカでは様々なメーカーでルートビアが作られていることもあり、アメリカ人のお客さんの中には「A&Wのルートビアで」と銘柄を指定して注文する人がいるそうです。
そんなルートビア、実は沖縄県民でも好きか嫌いか二分するほど味に特徴があります。店長曰く、観光で訪れたお客さんが初めてルートビアにチャレンジするも「湿布のような味がする」と、別の飲み物を改めてオーダーする光景を何度か見たことがあるそうです。「もし苦手な味だった場合、せっかくの食事を充分に楽しんでいただけません。なので不安な方はオーダーする前に試飲をしてみてください」と友寄店長。試飲はどの店舗でも対応してくれるので店員さんに気軽にお願いしてみましょう。もし気に入ったら、店内とドライブインエリアはおかわり自由なので、好きなだけ飲むことができます。ちなみに、S(スモール)サイズでもR(レギュラー)サイズでもおかわり自由ですが、微炭酸でさわやかなのどごしはゴクゴク飲めるので、Sサイズだと少し物足りないかもしれません。エンダー通ならぜひ冷え冷えレギュラーマグで豪快に飲んでみましょう。生のルートビア、そのおいしさは格別ですよ。
中で食べるか、外で食べるか。アメリカ気分でドライブイン!
![県民にはおなじみのドライブイン。車中で食べてみるのもおすすめ 県民にはおなじみのドライブイン。車中で食べてみるのもおすすめ]()
A&Wの名護店、泡瀬店、美浜店、屋宜原店、牧港店には「ドライブイン」と呼ばれる特徴的な駐車スペースがあります。この駐車スペース1台ごとには注文機が設けられており、車を降りずに注文して、店員が車まで届けてくれるサービスとなっており、受け取った商品を車内でそのままいただくこともできます。1950年代のアメリカで普及したスタイルですが、現在の沖縄にすっかりなじんでいます。店内で食べる時間がとれないときや、店内が混んでいるときだけではなく、美浜店では持ち帰りでドライブインを利用するお客さんも多いといいます。「ドライブスルーもあるのですが、ドライブインなら後ろで待っている人に気を使わずゆっくりオーダーできますからね」。
沖縄以外ではなかなか見ることのないこの「ドライブイン」。まずメニュー表をよくみて食べるものを決めたら、注文機のボタンを押し、大きな声でオーダーをして、商品が届くのを待まちましょう。わりと年季が入った外国製の注文機に少し戸惑うかもしれませんが、それもまた旅の醍醐味ですね。
おいしい食事とおいしいコーヒーあります。
![最も歴史のあるA&W屋宜原店の店内。どこかレトロな雰囲気 最も歴史のあるA&W屋宜原店の店内。どこかレトロな雰囲気]()
A&Wの魅力的なアメリカンフードの数々。バーガー類に使用されるパティーは100%オールビーフで、肉のうまみがダイレクトに味わえ、自家製パンとの愛称も抜群です。開店当時からあるメニューのコニードッグは、ホットドッグにスパイシーなオリジナルミートソースがかかった今なお人気のメニュー。そしてシンプルだけどクセになるハムチーズサンドなど、数え上げればきりがないですが、サイドメニューのスーパーフライやカーリーフライと一緒に食べればよりアメリカ気分を楽しめます。しかし、A&Wの魅力はそれだけでありません。「常連の方からもとても評判です」と友寄店長がいうように、A&Wでは本格エスプレッソマシンを導入し、こだわりの厳選豆を使用したコーヒーのほか、カフェラテやカプチーノといったカフェドリンクも楽しむことができます(※一部店舗除く)。「おいしいコーヒーとスーパーフライを一緒に楽しめるのも、他のお店ではない、A&Wならではの楽しみ方だと思います」。
沖縄旅行で絶対に行きたい、楽しさがいっぱいのA&W
A&Wはどこも同じではない?!ユニークな店舗3選
各店舗様々な趣向をこらしているA&Wですが、その中でも特徴のあるお店3店を紹介します。
- おすすめポイント
- 沖縄本島北から南、いろいろなところにあるA&W。チェーン店ですが、実はどの店も全く同じというわけではありません。中には店内の雰囲気や販売スタイルをがらりと変えている店や、その店だけの限定メニュー、あのA&Wオリジナルキャラクターがいるお店など、気になる3店を紹介します。
絶対食べたい定番メニュー3選
食べたらやみつきになること間違いなしです。期間限定メニューもいいけど、まずは定番メニューを味わいたい!
- おすすめポイント
- 1919年にカリフォルニアで生まれたA&Wの始まりは、ルートビアスタンドとしてオープン。以来、人気メニューのルートビアはA&Wの歴史とともに歩んできました。ここでは定番メニューのドリンクやサイドメニュー、そしてバーガーメニューに注目。コンボ(セット)だとお得に食べられるのでおすすめです。
お土産にも買いたい、人気A&Wグッズ3選
アメリカンテイストなデザインが目を引くA&Wグッズ
- おすすめポイント
- 沖縄旅行のお土産としても人気のA&Wのオリジナルグッズ。幅広い年齢層が購入するグッズは、主にアメリカ本社から輸入しているので、アメリカンなデザインが多いです。数量やデザインが限られているので、気に入った物を見つけたら即ゲットがいいかもしれません。
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