1. 沖縄・外人住宅が女性に人気な理由

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

沖縄・外人住宅が女性に人気な理由

  米軍基地関係の軍人やその家族のために建てられた“外人住宅”。シンプルな四角い箱形の建物は、住まいとしてだけでなく、カフェや雑貨屋さんとしても利用されています。

現在はコンドミニアムとして使用されている外人住宅

  もともとは在日米軍の軍人やその家族のために建設された米軍ハウス、通称“外人住宅”。 沖縄本島中南部の基地周辺でよく見かけられる外人住宅は、1950年頃から建設が始まりました。1972年の沖縄返還後は、民間にも貸し出されるようになり、シンプルな構造は手入れがしやすく、住宅としてだけでなく、ショップとしても人気が高いです。そんな外人住宅に、実際に住んでいるという達人に登場してもらい、その魅力や暮らしぶり、そしておすすめのショップについて教えてもらいました。


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嘉数 夕海さん
(かかず ゆうみ)
嘉数 夕海 さん

外人住宅の魅力を伝える達人
  父親が外人住宅フリークということも災いして(?)、その歴史や知識、長所&短所に至るまで、自然と身についてしまったといいます。最近は、友人と一緒に外人住宅を利用したカフェをめぐるのが楽しみらしく、新規開拓したオススメのカフェも紹介してくれるそうです。

モダンな住宅は、沖縄の人たちの憧れの存在だった

沖縄の青い空に映える白い外人住宅

  四角い箱形に平らな屋根、そして広い間取り。沖縄本島中南部の宜野湾市(ぎのわんし)や北中城村(きたなかぐすくそん)、沖縄市といった基地周辺の地域でよく見かけられる外人住宅は、シンプルな造りのコンクリート住宅。ほとんどが築50年以上なので、建物の傷みや古さは感じますが、そこに暮らす人たちが壁のペンキを何度も塗り直したり、壊れた部分を修繕しながら、愛着をもって大切に使われています。
 主に1950~70年代に建てられた外人住宅は、コンクリートブロックを積み上げた組積造という構造で、箱型の内部はいくつかの部屋に分割されています。こういった造りの住宅は、これまでの沖縄にはなかったスタイルですね。実際に工事を請け負ったのは地元の建設業者で、外人住宅の建設を手がけることで技術レベルは大きく向上し、その後の沖縄のコンクリート造の住宅に影響を与えました。そして平屋でモダンな外観の外人住宅は、戦後の沖縄の人々にとって憧れの存在です。夕海さんのお父さんも、子どもの頃に米軍基地の中に建ち並ぶ外人住宅を眺めては、いつかは家族で外人住宅に住んでみたいという憧れを抱いていた一人。大人になって、ようやく夢が叶い、念願の外人住宅に住み始めました。
「賃貸の外人住宅に2年間住んだ後、今私たち家族が住んでいる物件を父が購入しました」と話す夕海さん。しかし、購入予定の外人住宅には問題があったようです。「購入する前に父が下見をした時は『コレは…無理だな』と思ってしまうくらい、ボロボロだったそうです。というのも、戦後すぐに造られた物件なので、古いものは50年以上の歳月が経ってしまっている。誰も住むことなく、使うことなく放置されていれば、あっという間に老朽化してしまうんですよ」。

外人住宅好きな父親の影響で、いつの間にか“マニア”に…

水まわりをうまくアレンジしてカウンターを設置した沖縄そば屋

  それでも夕海さんのお父さんは、諦めませんでした。業者にリフォームを依頼し、その完成を待ち望みます。構造が単純なだけにリフォームは予想に反して順調に進み、3カ月後には見違えるほどキレイに生まれ変りました。この時、お父さん以上に積極的だったのが、実は夕海さんのお母さん。広々としたリビングや家庭菜園ができるほどの大きな庭があることも気に入りましたが、一番に注目したのが洗濯スペースだったといいます。
「日本の住宅では考えられないくらいの広さがあり、なおかつ台所のすぐ隣にあるので料理&洗濯を併行してこなすことができるというのが、主婦の眼には最強アイテムとして映ったようですよ。元のボロボロな状態を知っている父は、多少の不安があったらしいのですが、母の押しの強さに根負けしてしまい、購入に至ったそうです。こういう時の女性ってホントに強いですよね(笑)」
 そんなお母さんの血を継いでいる夕海さんも外人住宅カフェを巡る時は、自然と水回りの活用法に目がいってしまうそうです。洗濯場の面影を残しつつも上手にカウンターとして改装されている店舗もあったり、レトロな外観からはまったく想像できないくらいにアーバンなデザインを取り入れている店もあったりと、その個性はさまざまです。こんな違いも、外人住宅店舗を散策する時に、注目してもらいたいポイントですね。

人々を惹きつける、オシャレなショップが続々登場

オーナーの須藤さんが集めた“古物”であふれた20世紀ハイツ

  間取りが広く、シンプルな造りの外人住宅は、使う人が自由にカスタマイズできるのが魅力です。現在では、カフェや雑貨屋などのショップとして利用している人も多く、古さをあえて残したり、部屋ごとに違ったインテリアにしてみたり、店には手がける人の個性があふれていて、どの店を訪れても、それぞれ違った雰囲気が楽しめます。夕海さんのお父さんも現在住んでいる外人住宅の一部を改装して、居酒屋を経営しています。この後のランキングでもオススメ店舗として紹介しているので、興味がある方は、ぜひ足を運んでみませんか。
 那覇空港から車で約30分のところにある浦添市港川の外人住宅エリアは、閑静な住宅街。数年前からこのエリアには個性的なお店が集まり出し、カフェや雑貨屋さん、自家焙煎のコーヒー屋さん、こだわりのパン屋さんなどが看板を出しています。エリアの周辺にはマンションやショッピングセンターなどもありますが、約50年前の建物が数多く残されたこのエリアは、なんだかノスタルジックな雰囲気。また、本島中部にある北中城村の外人住宅エリアは、高台に位置しているから景観も良く、晴れた日には遠くに海が見えることも人気の一つです。
 庭を含めた広いスペースや使い込まれた味のある古さ、室内に流れる独特の空気感。住む人の思いやこだわりがたくさん詰まった外人住宅は、これからもたくさんの人たちを魅了し続けるでしょう。

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外人住宅の超個性的活用法ウォッチング

外人住宅で味わう絶品料理の数々

  最近流行のカフェや沖縄そば屋など、美味しいお店を厳選!

  • 居住棟とガレージを上手く使い分けているガレージキッチンK70
  • 開放的な空間で絶品カレーを堪能
  • 港川カンサスストリート内の看板店舗
おすすめポイント
  ここ数年、外人住宅を活用する店舗として定番化してきたのがカフェ。古さを活かしたオシャレな外観や店内が人気で、またお店側もシンプルな箱型というスペースだから、自由度の高い内装やインテリアデザインができるのが魅力だそうです。ここで紹介する各店舗もオリジナリティあふれた演出が魅力的。また、それぞれの雰囲気に合った、絶品グルメをじっくり、ゆったりと味わうことができますよ。

眺めの良い外人住宅のお店

  その絶景に心が癒されること間違いなしの特別な3空間をご紹介!

  • 高台から眺める夕日はとても神秘的
  • エスニックフード&エステを満喫できる隠れ家カフェ清ちゃん
  • ライブイベントも頻繁に開催
おすすめポイント
  沖縄の魅力としては絶対に外せないのが、美しい青い海と空。そんな海と空を眺めながら、お茶やスイーツを味わいながら堪能できるお店をご紹介します。アンティークに囲まれた空間から眺める夕日や、目の前が海のテラス席、ライブ演奏を聴きながら星空を楽しむなど、タイプはさまざまです。

個性派店舗が集う外人住宅エリア

  沖縄の暮らしに溶け込んだ魅力的なエリアを紹介しよう。

  • 30以上の外人住宅ショップが密集
  • 広い住宅スペースが解放感を演出
  • 日中は青い海、夜は夜景を満喫
おすすめポイント
  カフェあり、雑貨屋あり、古着屋ありと、1カ所でいろいろな楽しみ方ができるエリアをご紹介します。ノスタルジックな雰囲気を持っていたり、アメリカンビレッジのような空気感を演出している場所もあるなど、エリアの表情もさまざまです。それぞれのお店の魅力を感じるのと同時に、そのエリア全体のコンセプトを肌で感じられるようになれば、相当な外人住宅マニアですね!

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記事内店舗マップ

外人住宅のQ&A

Q 外人住宅に「カフェ」が多い理由は?
A 外人住宅はシンプルな造りなので、オーナーの好みを活かしやすく、内装がアレンジしやすいのです。カフェなどのゆったりした空間を演出するには、最適な物件のようです。
Q 外人住宅の間取りは全て同じですか?
A 外人住宅といっても、実はそのタイプはさまざま。建てられた立地条件や担当した建築業者、居住していた兵隊たちの階級によって、その広さや形が違っていたようです。平屋建てのイメージが強い外人住宅ですが、中には2階建ての物件もあるようです。
Q 外人住宅のデメリットは?
A 屋根裏が存在しないので、夏は直射日光で温められた屋根の熱がそのまま室内に侵入し、室温が高くなります。一方、冬は、床や壁がコンクリートであることが影響して、底冷えします。よく「夏は暑くて冬は寒い」と言われるのですが、それでも住みたいという人は後を絶ちません。
やっぱり楽しい!女子旅は沖縄へ

  プライベートでも仕事でも、いまどきの女子は何かと手を抜けない。毎日がんばっている自分を、たまには解放してあげてもいいのでは?
 沖縄らしいリゾートホテルで、心も体もリラックス。キレイな海で泳いだ後はおいしい食事にショッピング。
 楽しくてヒーリング効果もばっちりの女性のための沖縄旅行のススメ。

⇒沖縄の女子旅特集を読む

いざないの一枚

外人住宅を利用したおしゃれなお店特集

おすすめの雑貨屋さん

嘉手納町/心も肌も元気になる 化粧品

FROMO(ふろーも)

浦添市/遊び心をプラスした器

茜陶房(あかねとうぼう)

宜野湾市/シンプルで素材感あふれる品々

雑貨屋 [そ]

浦添市/普段使いにもプレゼントにも

紅琉(びんりゅう)

那覇市/隠れ家的な雑貨屋さん

くらしのこものや 小さな和み(ちいさななごみ)

夜まで楽しめるカフェ

沖縄市/外人住宅ブームの草分け!

Birdland Café(ばーどらんどかふぇ)

沖縄市/おしゃれな洋館でひとときを満喫

Roguii(ろぎ)

浦添市/広々個室をひとりじめできる

Cafe Restaurant La Vita(ラ・ヴィータ

沖縄市/海を見渡す高台のカフェ

MOM'S cafe 花海月(はなみづき)

北中城村/誰もが来やすい明るいお店

jiji CAFE(じじ かふぇ)

スイーツ・パンが美味しいお店

読谷村/おしゃれなカフェで食べるパンケーキ

パンケーキハウス ヤッケブース(やっけぶーす)

浦添市/本場仕込みのスイーツを堪能

スコーン&アフタヌーンティーのお店小さなお茶会

浦添市/旬のフルーツたっぷりの贅沢タルト

oHacorté(おはこるて)

宜野湾市/素朴なお菓子でほっこりできる店

Raccolta(らっこるた)

北中城村/おしゃれな店内で過ごすひととき

PLOUGHMAN'S LUNCH BAKERY

ランチが美味しいカフェ

北谷町/オキナワンパスタがおいしいお店

Bakery Cafe Olive Berry(おりーぶべり

北中城村/こだわりメニューに大満足

レストラン Rose Garden(ろーず がーでん)

浦添市/心が温まるおうちカフェ

Cafebar Vambo・Luga(ばんぼるーが)

浦添市/お米と和紅茶が楽しめる和風カフェ

cafe 水 sui(かふぇ すい)

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「外人住宅」をリノベーションするなどセンスの良いカフェも多い

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