久米島、琉球一美しいと称される
絶景の島を旅する

那覇から飛行機で約30分、海路ならフェリーで約3時間、距離にして沖縄本島から約100キロ。久米島は那覇の西に位置する離島で、人口約8600人。その他の基本情報として挙げられるのが、面積は59.53平方キロメートルで、沖縄県内では、沖縄本島、西表島、石垣島、宮古島に次いで5番目に大きいということです。

球美の島（くみのしま）」とも呼ばれていますが、この球美とは方言で「米」のこと。森林が豊かで水が豊富なことから昔から水耕栽培が盛んで、米の島、球美の島、久米島とされています。また、その豊かな水は泡盛「久米島の久米仙」作りにも生かされたり、水中深くから組み上げられる海洋深層水が商品化されたりと、水が島の産業に大いに貢献しています。

沖縄の離島ながら、「続日本紀」にはその名が列記されているほど歴史があります。その位置から、琉球王朝時代から中国貿易の中心的な離島で、19世紀には中国以外からも世界中の外国船が寄港を重ねています。昭和58年（1983）、島全体が県立自然公園に指定されました。東北楽天ゴールデンイーグルスの春季キャンプ地としても知られています。

久米島は県内離島の中では宮古島、石垣島と並んで観光客に人気が高い大きな島。それゆえ、交通機関もひととおり整っていて、町営バス、レンタカー、タクシー、レンタサイクルが利用できます。また、少ないながらも大型のリゾートホテルがいくつかあり、小さなホテルや民宿を合わせるとかなりの数になります。どの宿がいいかは、ホテル予約サイトでの旅行者による口コミ情報や、沖縄観光情報、旅行情報のサイトなどを参考にして選んでみてください。沖縄本島から近いので、沖縄旅行の日帰りコースの一つに加えてみるのもおすすめです。
どこから回ったらよいか迷うのであれば、「久米島博物館」へ行きましょう。観光名所ごとの資料が無料で置いてあり、パソコンガイドも自由に触ることができます。この島の歴史やどこに何があるかといった観光情報や、この島で何を見たいかなどを確認でき、とても便利です。

久米島にはたくさんの観光スポットがありますが、中でも「はての浜」は外せない人気のポイントです。はての浜は島の東側、奥武島・オーハ島の沖合に浮かぶ真っ白な砂浜だけの小さな島。写真で見るだけでもきれいですが、自分の足でそこに降り立った時の感動は言葉では表せないほど。真っ白な浜に真っ青な海と空。夏ならば海水浴やシュノーケル、冬はグラスボートを出しているショップがあります。予約をして送迎船で約20分。天気がいい日には、こちらも人気スポット「比屋定バンタ（ひやじょうばんた）」からハテの浜の全貌を見ることができます。これもまた絶景なのでぜひ訪れてみて。

他のイチオシスポットには、海水浴できるビーチとして人気の「イーフビーチ」や、奇妙な岩が敷き詰められた「畳石」、干潮時のみ渡ることができる歩道橋「シールガチ橋」などがあり、観光地巡りだけでも一日必要なほど。時間に限りがある場合は、事前に口コミを含めた観光情報を収集して、計画的に回るのがおすすめです。

また、久米島の魅力は海だけではありません。森もぜひいってほしい観光スポットです。久米島の北西部に位置する宇江城岳を源流とする渓流と湿地、森林を中心とする地域は、平成20年（2008）10月にラムサール条約に登録されました。ラムサール条約とは、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約で、沖縄県内ではほかに漫湖や慶良間諸島海域など、5カ所が指定されています。

日本で唯一の淡水性のヘビであるキクザトサワヘビをはじめ、久米島ボタルやクメジマミナミサワガニ、リュウキュウヤマガメなど、貴重な野生生物が数多く生息しており、特有の生態系を形成しています。登録地の自然林を散策する 「ニブチの森散策 」プログラムを久米島観光協会が主催していて、久米島の豊かな自然に直接触れ合えるのでおすすめですよ。山の中にはラムサール条約の登録地になっている渓流があり、清らかな流れと清らかな音、夏はもちろん、12月でもセミの鳴き声がします。