1. 正殿(せいでん)

正殿(せいでん)

【投稿日】2017年07月07日(金)| 沖縄発

琉球王国最大の木造建築物。琉球ならではの美意識が光る御殿

正式名称は「百浦添御殿(ももうらそえうどぅん)」と呼ばれ、文字通り、たくさんの浦々を支配する御殿という意味。琉球王国の政治の中心であり、国王を中心に国が動かされていました。日中の建築が混在している「琉球風」で、木造の構造や屋根の造りなどは日本風、彩色やさまざまな形の装飾化した龍は中国建築の影響が色濃くでています。

正殿にはいたるところに権力者のシンボルである龍の装飾が施され、首里城の威厳を物語っています。面白いのが、龍の爪の数。4本の爪を持っているのですが、中国で用いられる龍の模様には爪は通常5本描かれているので、首里城は1本少なくなっています。これは、琉球王朝が時の中国王朝に対して遠慮して1本減らしたと考えられています。

正殿は木造の三階建て。正殿を二層三階建てにすることなどは日中にも類例がなく、琉球独自の形式となっています。一階は「下庫理(しちゃぐい)」と呼ばれ、主に国王自ら政治や儀式を執り行う場所でした。二階は「大庫理(うふぐい)」と呼ばれ、国王と親族・女官らが儀式を行う場、三階は通気を目的とした屋根裏部屋でした。

現在、正殿の内部は「御差床(うさすか)」と呼ばれる王座があります。御差床の下の羽目板には、ブドウとリスが。ブドウは大きな実をたっぷり実らせ、一方リスは子だくさんの動物。幸せの象徴として、中国を中心とした東アジア地域では工芸品のデザインとしてよく使われています。

背後にある専用階段で一階と二階とで行き来できるようになっていて、二階には「唐玻豊(からはふ)」と呼ばれる空間があります。正月の儀式や中国皇帝への親書を送る時などに、国王が椅子に座り儀式を執り行った重要な場所でした。

また、二階には「おせんみこちゃ」と「冠のレプリカ」もあります。おせんみこちゃは首里城内の火の神(ヒヌカン、火の神様で家の守り神)信仰の中枢でした。今でも常にお香がたかれており、神秘的な雰囲気が漂います。

【住所】
首里城公園・有料区域内

【見学料金】
首里城公園・有料区域の入館料金
大人 820円/高校生 620円/小・中学生 310円/6歳未満 無料
※20名以上の団体割引あり

【駐車場】
首里城の駐車場を利用

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【投稿日】2017年07月07日(金)【投稿者】たびらい編集部

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