1. 「大宜味村」自然と長寿の村の楽しみ方

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

「大宜味村」自然と長寿の村の楽しみ方

  沖縄本島の北部に位置する大宜味村(おおぎみそん)は、豊かな自然環境と、長寿の村として知られる村。自然や伝統、グルメ、そして長寿の秘訣を探り、村の魅力をたっぷり紹介します。

村内にあるター滝は、亜熱帯の自然を満喫できる人気スポット

  那覇から北に約90キロ。「長寿の里」「芭蕉布の里」「シークヮーサーの里」「ぶながや(森の精)の里」と、さまざまな呼び方をされている大宜味村は、島野菜を使った伝統的な食文化を受け継ぎ、元気な高齢者の割合が高いことから1993年に「長寿の村日本一」を宣言しました。約500年以上の歴史がある織物の芭蕉布、沖縄県内の生産シェア70%を占めるシークヮーサーが村の特産品。県内屈指の豊かな自然から環境保全型観光を推進しており、「エコツーリズム(環境)」「ブルーツーリズム(海)」「グリーンツーリズム(緑)」「ヘルスツーリズム(健康)」など、心身ともに満足できる観光が楽しめます。

更新日/2017年 6月

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宮城 健隆さん
(みやぎ けんりゅう)
宮城 健隆さん

大宜味村の達人
  NPO法人おおぎみまるごとツーリズム協会理事長。定年退職後、母親の故郷である大宜味村に移住。自然豊かな大宜味村の山・川・海・里を観光に活かせないかと考え、NPO法人を設立します。自然や生活文化、そして長寿の村で知られる大宜味村だからこそ実現できる「大宜味型体験滞在」の観光を、民泊などの体験プログラムを通して提案。2014年には、都市と農村漁村間の往来を盛んにするキャンペーン「オーライ!ニッポン」のライフスタイル賞に選出された、日本で5人のうちの1人です。

大宜味村の豊かな自然を存分に楽しむ

カヌー体験で大宜味の自然を満喫

  2016年9月に沖縄県北部地域(やんばる)は国内で33番目となる国立公園に指定されました。大宜味村もその区域に入り、貴重な大自然が今なお残っています。
「大宜味村は西に東シナ海や塩屋湾があり、東の山側にはそれらが見下ろせる展望台や散歩道があります。また、谷を流れる川ではさまざまなアトラクションを楽しめますよ」と話す達人の宮城さん。村のおよそ76%が森林で、ほぼ中央に標高300メートルの山々が連なっている大宜味村は、その山を源として、大小16の河川が東シナ海に注いでいます。「県内で2番目に大きい大保ダムでは、湖畔でのカヌー体験ができ、希少種である野鳥のノグチゲラや巣が見られます。また、ダムの真ん中には木々が残っていて、その中を漕ぎ進むという体験をすることができますよ」とのこと。
 他にもおすすめは、塩屋湾での夕暮れ時のシーカヤック。360度に広がる景色を楽しみながら、茜色に染まった水面を進みます。また、山岳トレッキングでは、亜熱帯の木々はもちろん、ツバキの群生地なども見られるそうです。地元ガイドがそれぞれの自然にまつわる歴史や文化を、しっかりとレクチャーしてくれるのも魅力的ですね。

熱気あふれる祭り「塩屋湾のウンガミ」

村の女性が腰まで海水に浸かり、漕ぎ手を応援する姿は圧巻!

  約500年の歴史がある海神祭「ウンガミ」は、五穀豊穣と無病息災を祈願する祭り。塩屋湾を取り囲む7つの地区が毎年共同で開催し、旧盆明け(旧暦の初亥)に開催されます。
「ウンガミは前夜祭も含め2日間にわたり行われ、県内でもめずらしい女性中心の祭りです。神人(カミンチュ)と呼ばれる女性が西の海に祈願した後、祭りの一番の見どころであるウガンバーリー(船漕ぎ競争)が行われます。懸命に船を漕ぐ男性を、腰まで海に浸かった女性たちが応援する様子は見ごたえがありますよ」
 1997年には、重要無形民俗文化財に指定されたウンガミ。開催日は毎年変わるので、行く場合は事前に確認していきましょう。

美容と健康、長寿にも欠かせないシークヮーサー

大宜味村はシークヮーサーの県内生産70%を占める

  強い日射しをたっぷりと浴び、ビタミンやカロテンを豊富に含むシークヮーサーは沖縄の在来柑橘種として、古くから食されてきました。大宜味では「シークヮーサーの里」として村を挙げて生産に取り組んでいて、特に押川(おしかわ)地区での栽培が盛んです。甘みと酸味のバランスが抜群で、押川シークヮーサーとしてブランド化もされています。大宜味産のシークヮーサーの特徴を、達人に教えてもらいました。
 「シークヮーサーは、肝機能の向上やガンの抑制に効果があるとされています。また、ノビレチンという酵素には美容効果があるといわれ、近年では美白化粧品の原料として使われています。シークヮーサーの花が咲くのが2~3月、その甘い香りにとても癒されます。9~11月の緑色の果実は青切シークヮーサーと呼ばれ、酸味の効いた味はお酢の代わりに使用。スダチやカボスのように焼き魚や刺身にかけると魚のおいしさが引き立ちます。12月~2月には熟し、クガニ(沖縄方言で黄金の意)と呼ばれるフルーツ果実として楽しめます。大宜味のシークヮーサーは年間を通して楽しめますよ」

長寿の源・大宜味グルメ

地元の食材を使った料理はヘルシーで美味

  沖縄で健康な高齢者の割合が最も高い地域として、1993年に「長寿日本一の村」を宣言した大宜味村。その元気の源のひとつといえるのが、地元の食材を使った健康的な料理です。
 「大宜味村では昔ながらの沖縄の伝統的な食生活が受け継がれています。ミネラル豊富な緑黄色野菜や海草類、良質なたんぱく質である島豆腐や豚肉、自家菜園で育てた無農薬の野菜を食べている方も多いです。観光客にもぜひ味わってほしいですね。村内にある「笑味の店 」で提供されている『長寿膳(1750円)』は、地元の農家が作った島野菜を使った料理が楽しめます」
 長寿膳には三枚肉を煮込んだラフテー、青パパイヤの炒め物、ハンダマ(水前寺菜)の味噌汁、もちきびご飯などが入っており、料理の品数は多いですが、お年寄りでもペロリと平らげてしまうほどのおいしさです。


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大宜味村おすすめ観光・グルメ情報

大宜味村おすすめ観光

  長寿・芭蕉布・シークヮーサー・ぶながや(森の精)の里である大宜味村。食、歴史、文化を村民とのふれあいを通じて学び遊びましょう。

  • 道の駅おおぎみ外観
  • 芭蕉布で作られた着物。長い間に渡り沖縄で愛されてきた
おすすめポイント
  大宜味は自然体験、生活・文化体験としてさまざまな楽しみ方ができます。村の特長である健康長寿と緑豊かな自然環境を活かし、大宜味の良さを体感して頂ければと思います。最近では染物や木工、焼物文化の発信にも力を入れているので、それらの体験で文化を学ぶのもオススメです。

大宜味村の豊かな自然に囲まれた森カフェ

  山道ドライブの途中で寄りたいですね。
森カフェで緑の香りと風を感じながら、ゆっくりとした時間を過ごしましょう。

  • さっぱりとした味わいの「小春うどん しょうゆ味」
おすすめポイント
  大宜味の林道や山道の途中にはカフェや喫茶店を発見できます。これらは大宜味の地元食材を使っているお店も多いので、その味を堪能しながら森の美味しい空気も味わって下さい。海と山に囲まれた、この景色をひとり占めにするのはもったいない。みんなに教えたい場所がたくさんあります。

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大宜味村への交通アクセス情報

  大宜味村の中心地である塩屋地区へは、那覇空港から約90km。中南部からだと沖縄自動車道の利用をおすすめしたい。

車・レンタカーで

  那覇空港から沖縄自動車道を利用して車で約90分。

路線バスで

  各社共通111番で高速バスに乗り名護バスターミナルへ。
名護バスターミナルより沖縄バス67番で塩屋バス停に到着。

大宜味村の達人が答える旅のQ&A

Q 体験プログラムは他にどういったものがありますか?
A 自然体験では、「牧場での酪農体験」「農場での収穫体験」「ター滝トレッキング」「ノルディックウォーキング」「サイクリング」「海ぶどう収穫・植え付け体験」「やんばるフルーツ収穫体験」などがあり、生活文化体験では「平和学習」「エイサー体験」「ビーチロックとイノー(汐が引いた時にできる水たまり)体験」「おじいおばあとのゆんたく(おしゃべり)交流会」などがあります。
Q 収穫体験では季節によってどういった作物が穫れますか?
A 夏季はパイナップルやマンゴーの収穫ができ、秋にはドラゴンフルーツやパッションフルーツ、シークヮーサーのクガニの収穫、芋掘りができます。冬季には青切りシークヮーサー、タンカン、赤土大根の収穫ができるので年中を通して収穫体験が可能です。その他、種まきやマンゴーの果実の袋掛けなど、収穫以外の体験も用意していますよ。
Q 年間のイベントスケジュールはどういったものがありますか?
A 代表的なものでは1月に産業まつりがあり、特産品の販売や、大きさを競った作物が展示されています。4月には塩屋湾を一周トリムマラソン大会で3キロ、5キロ、9.5キロのコースがあり子どもからお年寄りまで楽しんでいます。8月の第2土・日曜には大宜味村夏祭りが開催され、ハーリー(船漕ぎ)大会、ヒージャー(山羊)争奪綱引き大会などのユニークな催し物が開かれます。クライマックスは花火とエイサーで来場者と一緒に盛り上がりますよ。
Q 民泊体験で持参するものは何がありますか?
A 民家への宿泊体験では、パジャマや洗面具、タオル、長袖シャツ、作業着、運動靴、帽子などをご用意ください。

いざないの一枚

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