公設市場の歴史は、闇市から始まりました。終戦直後、まず街を復興させるため、那覇市壺屋の焼き物の陶工たちが許可を得て住み着くようになり、それに合わせて周辺に闇市が自然発生的にできたのが昭和22年(1947)ごろです。不法占拠状態だったことと、衛生面の問題を解決するため、那覇市が昭和25年(1950)に木造4棟の長屋の公設市場を建てましたが、昭和44年(1969)に焼失。昭和47年(1972)に、現在の敷地に総面積1419平方メートルの市場を再建しました。
現在、市場には129の業者が入っています。さらに公設市場周辺まで含めると、700店舗ほどがひしめき合い、にぎわいのある「マチグヮー」に。マチグヮーとは沖縄の方言で市場のことですが、本来は市場を含めた周辺エリア全体を指します。実際、第一公設市場だけではなく、周辺の三坪や五坪の小さな店舗が軒に連なってマチグヮー全体としての相乗効果で活気をつくっています。
牧志公設市場に入っている店は、基本的に家族経営で創業50年~60年の店舗がほとんど。現在は二代目や三代目が受け継いでいるお店が多く、戦後直後から自分たちで立ち上げたというプライドがあります。また、沖縄の物流の発信拠点としても機能しており、人や物が公設市場に集まってきたことで、周辺の国際通りも発展していきました。
市場は食材が新鮮だというのはもちろんのこと、個性的でおもしろい売り手に出会える魅力もあります。市場の雰囲気も含めて、会話をしながらショッピングを楽しんでみましょう。