
沖縄と台湾に共通する文化のひとつとしての「イレズミ」の歴史と今を紹介する特別企画展が2019年10月5日(土)~11月4日(月)までの期間中、沖縄県立博物館・美術館で開催しています。
ハジチ(針突)とは、沖縄・奄美でかつておこなわれていた、女性の手の甲に、深青色の文様を施した風習で、1899年にハジチは禁止されました。そのため、時代とともにハジチは消えつつあります。そのハジチの本格的な調査がスタートしたのは1980年代と言われ、それまでの研究対象としてはその独特な文様の記録がほとんどでしたが、ハジチを軸とした女性たちの生活しを聞き書きする姿勢へと大きく転換していきました。
また、台湾原住民族の複数の民族にもタトゥーの習慣があり、こちらも沖縄と同様に施術が規制され、一度は途切れたという歴史があります。
しかし、原住民族権利運動が成果を上げたことなどにより、再び「民族の印」として復活しました。原住民族を表すキャラクターや、織物などの工芸などでもイレズミが描かれることが大きくなりました。
沖縄のハジチと台湾のタトゥーを比較し、1992年から98年までの調査をもとに、歴史と今をひもとき、現代日本のあり方を問い直す特別企画展です。企画展では、実物大のシリコン製の腕に、1930年代初めの記録をもとにタトゥーマシーンで図柄を彫り込んだオリジナルの展示物もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。