1. アートを通してやんばるの魅力を再発見する旅。「YAMBARU ART FESTIVAL」が開催中

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アートを通してやんばるの魅力を再発見する旅。「YAMBARU ART FESTIVAL」が開催中

【投稿日】2019年12月19日(木)| 沖縄発

今年で開催3回目を迎えるやんばるアートフェスティバル。やんばる地域の魅力をアートや工芸を巡りながら体験できる芸術祭の今年のテーマは、「山原黄金之杜(やんばるくがにぬむい」。沖縄本島の最北端に位置する聖地で、沖縄の七御嶽のひとつ、安須杜御嶽(あしむいうたき)の別名です。

やんばるの地で育まれた地域文化に、新たな価値をまとわせて次世代に継承していきたいという沖縄在住の写真家で総合ディレクターの仲程長治さんの思いが込められています。
エキシビジョン(展示)部門とクラフト(工芸)部門を合わせると、台湾やオランダなどを含む国内外の45ものアーティストやグループが参加。会場は大宜味村の旧塩屋小学校や、大宜味村役場旧庁舎、辺土名商店街、オクマ プライベートビーチ&リゾートなどに点在しています。どこでも入場料は無料。


現代アートというと普段の生活から遠いものに感じる方もいるかもしれませんが、今回の会場は全てやんばるらしいやわらかな雰囲気の中、アートをより身近に感じることができます。メイン会場になっている大宜味村の旧塩屋小学校の体育館は塩屋湾に面していて、絶景。豊かな環境の中で肩を張らずにアートや伝統工芸を楽しめる内容となっています。

旧塩屋小学校の校門を過ぎるとすぐ右横の壁にはペインティングユニット、DOPPELによる「やんばるシーサー」のウォールアート。6メートルほどの大作は、記念写真の撮影スポットにうってつけです。


また、体育館の中には休憩所も併設され、大宜見村自慢のシークヮーサーを使ったゼリー(50円)や、地元の方お手製のじゅーしー(100円)などが楽しめます。那覇からおよそ2時間の長距離ドライブの後、一休みするのにぴったり。


現在廃校となっている会場は綺麗に整備されており、昔教室として使われていた空間や校庭にいくつものアートが散りばめられています。

国内外で活躍するイラストレーター/現代美術家の横山裕一さんのアート「キジムナーショー」と「がじゃんびら」は、沖縄の伝説に基づいた漫画が全てウチナーグチで描かれています。もちろん標準語の表記もあるので、楽しみながらウチナーグチを学ぶことができます。


校庭には永澤嘉務さんによる、巨大な琉球石灰岩を彫刻した「UTAKI -せいめいのれきし-」の展示。沖縄の大地を形成する琉球石灰岩は何百年の時をかけ、貝殻やサンゴが堆積したもの。永澤さんが一度破壊し、また手を加えることによって、自然と人が共生する仕組みを表現しました。横から見える耳が印象的な作品で、夜にはプロジェクションマッピングが投影されることもあるそう。


クラフト部門の作品は1階の”YAF CRAFT MARKET“に展示。主に沖縄をベースとして活躍する伝統工芸作家の作品が飾られ、全て売店で直接購入することができます。
クラフト部門のキュレーターを務めた、うるま市「Gallery はらいそ」のオーナー、河野こずえさんは「こんなにバラエティあふれる作品が観れるのは沖縄でここしかない」と言います。やちむんや紅型、琉球ガラスなどに興味がある人はぜひ覗いてみて!


旧塩屋小学校から車でおよそ10分の会場、大宜味村役場旧庁舎では、NIKUGUSOTARO(野性爆弾くっきー!)さんによる「キジムナーと肉屋敷」と、信藤三雄さんとKeng-Singさんによる「Hajichi」が展示されています。両作品とも沖縄独自の文化をユニークに切り取って表現しています。実はこの旧庁舎、沖縄で一番古いコンクリート造の建物で、1925年建造。八角形の形をしている2階の展示室は元々村長室だったようで、そんな歴史も感じながら鑑賞してみてください。


大宜見村役場旧庁舎からさらに北へ約10分、辺土名商店街にあるYANBARU HOSTELとひかり医院跡にもアートが展示されています。


辺土名の地を愛する現代美術家、西野逹さんによる「忘れようたって忘れられない」は、去年まで「ひかり医院」として開業していた建物をモニュメント化したもの。建物自体を白く塗りつぶし抽象化することで、曖昧になっていく記憶を表現しました。


YANBARU HOSTELで“LOVE SANCTUARY”の展示を行うもりいゆうこさんは、沖縄の神事で使われるクバやリゴディウム、ギンネムなどの植物を用い、自然と人間との境界線を表現しました。既に枯れていた部分だけを収穫し作成したとのことで、廃材を利用したエコな展示になっています。


アートを鑑賞するだけでなく、地元の人と関わるのもアートフェスティバルの魅力。このやんばるアートフェスティバルでは、「ゆんたくーみー」なる4名のコンシェルジュが交代で塩屋小学校にも常駐。コンシェルジュ最高齢、91歳の仲井間さんは、以前大宜味村のシークヮーサーのP Rにも関わっており、「シークヮーサー音頭」を披露してくれました。元大宜味村長でもある島袋さんは大宜見村や周辺の集落の歴史ならなんでも知っています。福地さんは特大のシークヮーサーを持参、健康効果など、いろいろと楽しく教えてくれます。この地域ならではの文化や歴史をゆんたくしながら学べば、アートへの理解も深まること間違いなし。


そして忘れてはいけないのが、やんばるの綺麗な海!冬でも晴天時には見事な海が楽しめます。会場が点在しているのでレンタカーは欠かせませんが、夏ほど暑くはなく、海沿いのドライブは本当に気持ちがいいです。


やんばるの魅力をアートで伝える今芸術祭の会期は、2019年12月14 日(土)から、2020年1月13日(月)で開催中です。年末年始に沖縄に来る予定の人や、沖縄県在住の中南部の方もぜひ足を延ばして、新たなやんばるの楽しみ方を体験してみてください。


【開催期間】
2019年12月14日(土)~2020年1月13日(月・祝)

【開催場所】
沖縄本島 北部地域
大宜味村立旧塩屋小学校(大宜味ユーティリティセンター)/大宜味村役場旧庁舎 オクマ プライベートビーチ & リゾート/ 辺土名商店街・ひかり医院跡 /YANBARU HOSTEL/カヌチャリリゾート/名護市民会館前アグー像 ほか

【営業時間】
大宜味村立旧塩屋小学校(大宜味ユーティリティセンター) 11時~17時
※夜間イベント開催時は営業時間が異なります
※毎週火曜日と1月1日、2日は休館

【参加アーティスト】
≪エキシビション部門≫
usaginingen/カゼモニワ多田弘×濱元朝和/佐々木怜央/信藤三雄/染谷聡/高橋真希人 陳豪毅・鄭志強、吳思嶔/椿昇/DOPPEL/永澤嘉務/仲程長治/中村裕太+谷本研 NIKUGUSOTARO(野性爆くっきー!)/西野達/ニック・クリステンセン 副産物商店(矢津吉隆+山田毅)/Yuko Morii/横山裕一/淀川テクニック ほか

≪クラフト部門≫
あさと木漆工房/Araruna/奥原硝子製造所/ガラス工房てとてと/花藍舎/金細工まつ 工房ぬりトン/坂 奈津子/シーサー陶房 大海/Jungle Studio /種水土花 城間びんがた工房/sue/菅原謙/杉山早苗/田村窯/陶藝玉城/陶 factory509 Nakamurakenoshigoto/Harvest High/ハロイナ/芭蕉布織物工房 紅型工房べにきち/深貝工房/螢窯


【問い合わせ】
やんばるアートフェスティバル実行委員会運営事務局
info@yaf-okinawa.art
ウェブサイト:http://yambaru-artfes.jp


「国頭村」雄大な自然と沖縄の原風景に魅せられて。

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