
ひとつの水中カメラが台湾(たいわん)と多良間島(たらまじま)を結ぶ“奇跡”を起こした。
2016年3月1日(火)、沖縄県多良間の海岸に水中カメラが漂着した。住民が発見し、多良間島でダイビングをした人の忘れ物かもしれないと、村内でダイビングショップJAWSⅡを営む柳岡秀二郎さんにその水中カメラを手渡した。
「島の人からは、島に遊びにきたダイビングのお客さんがきっとなくして悲しんでいるはずだから、調べて届けてあげてと言われました。多良間島のみなさんにはお世話になっているので、力になりたかった」と話す柳岡さん。ハウジングの損傷は激しく、フジツボや海藻も付着していたが、カメラ本体とカメラのデータは無事だったので、持ち主を探す決心をした。
柳岡さんはソーシャルネットワーク(以下SNS)のツールのひとつであるFacebook(ふぇいすぶっく)を使って情報提供を呼びかけた。投稿を行ったのは、「ダイビングショップJAWSⅡ」と、柳岡さんが運営も行っている「多良間村観光協会」を含む3つのFacebookページ。一番情報が集まったのが多良間村観光協会のFacebookページで、約400のシェア(共有)を記録し、数十万の人に情報が届いた。情報は日本国内だけでなく海外まで伝わり、台湾のダイビングショップを通じて、カメラの持ち主が台湾在住の女性だということが判明。3月5日(土)には、持ち主である女性と繋がった。実はこの水中カメラは約10カ月前に女性が台湾でダイビングをしているときになくしたもので、長い期間を経て、台湾から多良間島まで流れ着いたのだ。
SNS上で人と人とのつながりの輪が広がり、発見からわずか5日でカメラをなくした女性に辿り着いたが、そこには相当な苦労があった。
「水中カメラの写真の一枚にエアタンクの刻印が“源龍潜水”と書かれたものがあって、個人的に調べたけど何の情報も得られなかった。実は私自身が文字を見間違えていて、本当は“東龍潜水”でそこが台湾のダイビングショップでした。ただ、該当者が何人も出てくるなど、躓いてしまって。夜遅くまでやり取りをしていました。カメラの持ち主の友人と名乗る台湾の人は英語を話せたので、英語で連絡を取っていてのですが、実際カメラを落とした女性は英語も話せませんでした。私は中国語を話せなかったので…」
それではどうやって女性と情報を交換したのだろうか。
「以前に多良間島で宿を探している人に空いている宿を紹介したことがあって、その人が中国語を話せる人で通訳してもらいました」とここでも人との“助け合い”が、カメラの持ち主を特定するのを手伝ってくれたと語ってくれた。
「本当に多くの人が協力してくれて、人の温かさを感じることができた。実際にカメラの持ち主の女性からは『今度は多良間島に行くね』と。今でも連絡を取り合っています。また同じようにカメラが漂着していたら、もちろん持ち主に返す努力をしますよ」
3月8日(火)に柳岡さんが女性宛てに水中カメラを郵送。カメラのほか、多良間島の特産品も一緒に送ってあげた。女性からはお礼の言葉と「お酒は好きですか?」のコメントも。人と人とがつなげた温かい島の物語は終焉を迎えたが、個人的な交流はまだまだ続きそうだ。
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