
現在公開中の映画、「イザイホウ 神の島・久高島の祭祀」が話題を呼んでいる。イザイホウとは、神の島といわれる沖縄県の久高島(くだかじま)で、12年に1度午年に行われていた神事(秘祭)のこと。
「イザイホウ 神の島・久高島の祭祀」では、1カ月あまりかけて行われる秘祭の一部始終や、久高島の島民の当時の生活が記録されている。昭和41年(1966)に撮影され、翌年に完成したが、公開を望まない神人がいたことからお蔵入りしていた。その幻のドキュメンタリー映画が昨年12月に東京・渋谷のアップリンクで公開され、連日満席を記録した。沖縄県那覇市の桜坂劇場でも2月28日(土)~3月22日(日)まで上映されるほか、全国各地でも公開される。
久高島では、年間30に及ぶ神事が島の暮らしに組み込まれ、今でも島民によって受け継がれている。しかし、イザイホウは、地域の祭祀を取り仕切るノロや祭りを司る神女(ナンチュ)の後継者不足の問題から、昭和53年(1978)に行われたのを最後に途絶えた。