1. 与那原町立 軽便与那原駅舎展示資料館|戦前の姿を再現した駅舎で、かつて沖縄を走っていた鉄道に想いを馳せる

与那原町立 軽便与那原駅舎展示資料館|戦前の姿を再現した駅舎で、かつて沖縄を走っていた鉄道に想いを馳せる

【投稿日】2020年03月11日(水)| 沖縄発

沖縄県本島内では、多くの観光客にとっても欠かせない「沖縄都市モノレール(通称:ゆいレール)」が活躍していますが、実はかつて、この地に鉄道が走っていたことをご存じでしょうか。

こちらの「与那原町立 軽便与那原駅舎展示資料館」は、「沖縄県鉄道与那原駅跡」として国の登録記念物(遺跡関係)に認められている貴重な場所。戦前まで那覇―与那原、那覇―嘉手納、那覇―糸満の3路線で運行していた「軽便鉄道(けいべんてつどう)」の面影に触れることができます。

沖縄県南部に位置する与那原町(よなばるちょう)は、当時、沖縄の物流の拠点として栄えていた街。当初木造で建てられた「軽便与那原駅」は、1914年に沖縄で最初に開通した「与那原線(那覇―与那原)」の終着駅で、1931年に鉄筋コンクリート造りの駅舎になりました。

一般の鉄道よりもレールの間隔が762ミリと小さい「軽便鉄道(けいべんてつどう)」は、いつしか沖縄の訛りで「ケイビン」や「ケービン」という愛称で親しまれ、ウチナーンチュの生活の中に根付いていきます。ところが、1945年の初めごろまで走っていた鉄道は沖縄戦の戦火を受け、廃線届も出されていない状態で姿を消してしまいました。



その後、こちらの建物は補修を重ね、消防署の車庫や町役場、農協と様々な施設として活用されていたそう。そうした長い時を経て、軽便鉄道の開通100周年にあたる2014年、ついに駅舎を再現した建物が完成。2015年1月に資料館としてオープンすることとなりました。

館内では、このような「軽便鉄道」や「与那原駅」の歴史を、写真パネルや展示物などで垣間見ることができますよ。



昭和初期の与那原駅の周辺を再現したジオラマや、軽便鉄道の歴史をまとめたDVD鑑賞なども、来場者に好評です。

駅舎の後ろにある土地から発掘された「犬釘(いぬくぎ:レールと枕木を固定するための釘)」も、貴重に保管されています。ちなみに一緒に発掘されたレールは現在、劣化を防ぐために土をかぶせて空気に触れないように保存されているのだとか。いつの日か環境が整えば、見られる時がくるかもしれませんね。



さらに見所は、建物裏手の外にも。この9本の柱は、戦前の駅舎を支えていた柱の一部。戦前ここに駅舎があったという“ホンモノの証”を見ることで、ロマンを感じたり、平和の大切さを心に刻むことができます。

ひと通り見学した後は、駅舎前に座る馬車スンチャー(馬車引き)の “サブローおじぃ”との記念撮影をどうぞ。

そのほか、館内では与那原町ならではのお土産も販売しています。特に、軽便鉄道の絵が描かれた「赤瓦コースター」や活版印刷の汽車マークが入ったノートなど、ここでしか手に入らないアイテムは要チェックですよ。

また、スタッフにひと声かければ、少しの間ここに車を停めて周辺を散策することも可能です。ぜひ「与那原町立 軽便与那原駅舎展示資料館」に足を運んで、どこか懐かしい街の魅力に浸ってみてはいかがでしょうか。

【施設名】
与那原町立 軽便与那原駅舎展示資料館(けいびんよなばるえきしゃてんじしりょうかん)

【住所】
沖縄県与那原町字与那原3148-1

【電話番号(問い合わせ)】
098-835-8888

【開館時間】
10時~18時

【定休日】
火曜、12/29~1/3

【料金】
町外中学生以上100円
※障害者手帳をお持ちの方はお問い合わせください

【駐車場】
あり(5台)
※離れに約70台駐車可能

⇒公式サイトはこちら

【投稿日】2020年03月11日(水)【投稿者】たびらい編集部

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