1. 全国の有名店も大絶賛。山城さんが育てる久米島育ちの赤鶏

全国の有名店も大絶賛。山城さんが育てる久米島育ちの赤鶏

【投稿日】2020年03月04日(水)| 沖縄発

豚肉文化が盛んな沖縄県で養鶏場「久米島赤鶏牧場」を営む山城 昌泉(やましろ しょうせん)さんを訪ねました。こちらで育てている品種は、フランス原産のレッドブロー。程よい弾力と柔らかな肉質が評判となり、現在、全国の料理人から支持されています。



「僕らは生産、加工、販売を行っています。飼育した鶏を自分たちの手で絞めるからこそ、責任を持って販売していかなければいけないと思っています。ゆえに、売り切ることが出来なかったら養鶏を続ける資格はないと思っています。自分たちで屠殺をする農家さんは少ないのですが、それをやることで僕は“命を扱っている”という自覚を持つようになりました。この価値をお客様にも共有したいです。」



農業で成功することは稀だそうです。電照菊と繁殖牛の飼育をされていたご両親の苦労を見て育った山城さんは、最初、跡を継ぐ気はなかったそうです。高校卒業後は島を出たそうですが、その間にご両親が養鶏を始めたことがきっかけとなって一旦島に戻ることに。それまでの仕事に養鶏が加わったので、てんやわんやだったそうです。そんなご両親を見兼ねた山城さんは、落ち着くまで手伝うことに。一年ほど養鶏を経験した後に東京に出ましたが、ドラマ“ちゅらさん”の影響で沖縄ブームが到来し「久米島産で育てた赤鶏が東京で継続的に売れるようになれば、経営が安定するのでは?」と直感。島に戻って農業を継ぐことを決めたそうです。

「僕が継がなかったら途絶えてしまう、という思いも強かったです。」と山城さん。全国的に“国産”のものに対する意識が強くなり、農業に対する政策が充実しはじめたタイミングだったことも後押しになったそうです。



久米島赤鶏の健康管理は徹底的に行なっているこちらの牧場。飼育日数は約100日(40日ほどで出荷するブロイラーの倍以上)で、鶏にストレスをかけないよう鶏舎にはできるだけ行かないようにしているそうです。


※牧場は赤鶏の体調や衛生管理の面から、管理者以外の立ち入りは禁止されています。

「起こりうる事故は経験として予測できているので、予防に徹しています。朝餌をあげたら、あとは夕方見まわるだけで、鶏舎には1時間もいません。」と山城さん。



鶏の健康にとことんこだわる久米島赤鶏牧場は、もちろんエサにもこだわります。飼育飼料に月桃やウコンをブレンドし、黒麹菌がたっぷりと含まれている泡盛の酒粕を混ぜます。




久米島だからこそできるブレンドのエサ。鶏独特のニオイが抑えられ、肉質がジューシーになるのだそうです。そして、エサをこの配合に変えてから、鶏舎の環境が良くなり、鶏のストレスも軽減されたそうで「酒粕様様です」と山城さんは大絶賛。



「赤鶏を使ったお料理で一番好きなのは?」と聞いてみると「焼いても、煮ても旨いです。どんな調理法でも旨いことが自慢ですから!でも、ひとつだけと言われたら…鶏汁ですね。赤鶏肉と冬瓜と昆布を白だしで煮込むんです。鶏肉と冬瓜は相性が良いと昔から沖縄では言われているんですよ。」と、聞くからにおいしそうなレシピを教えてくださいました。「うちの鶏は島内の飲食店でも食べられます。例えば居酒屋 南島食楽園です。ここの赤鶏の唐揚げやバンバンジー、砂肝ニンニク炒めはおいしいですよ」と奥様のゆいさん。

神奈川から移住されたゆいさんに、久米島で好きな場所を聞いてみると「夕焼けがキレイに見えるシンリ浜です。あまり知られていないのですが、浜から真水がポコポコと湧き出ている所もあって、面白いですよ。」と教えてくださいました。

沖縄のいいところは、ハイビスカスにブーゲンビリア、ひまわり(久米島はクリスマス時期に咲きます)…など一年中花が咲いているので、いつ来ても色彩豊かで、季節感はないですけど、こういうところも好きです。他には、島の西側の平地に電照菊の畑があって、夜になると菊がライトで照らされているんです。イルミネーションのようでキレイなので、ぜひ見ていただきたいです。それから、島内はライトが少ないので、星もキレイに見えます」とおすすめが出てくる、出てくる。有名な観光スポットをまわるのも良いですが、ガイドブックでは紹介されていない場所を巡ってみるのも面白そうですね。



最後にJTAをよく利用するというおふたりが“やってしまった話”を暴露。「僕は定期的に赤鶏を扱ってくださっているお客様のところへ行くんです。島の人にとってJTAは身近な存在です。電車やバスのような感覚かもしれません。空港の駐車場も無料ですから、そういうところもありがたいですね。」という山城さんに対して「でも、しょっちゅう利用していると時間がだんだんルーズになってきてしまって、到着時間がギリギリになることも。一度5分前に到着したら、さすがに乗れなかったです(笑)。」とゆいさん。

山城ご夫妻の仲睦まじい姿に、こちらもほんわか。赤鶏ももちろんおすすめですが(牧場の直売店で購入可)久米島に来られる方は、ぜひこのおふたりに会いに行ってみてはいかがでしょうか?

久米島赤鶏牧場 直売店
※牧場内の見学は受け付けておりません。

⇒公式サイトはこちら

【住所】
沖縄県島尻郡久米島朝具志川588-7

【電話番号】
098-985-5848

■JTA×たびらい沖縄の挑戦
沖縄県内離島の魅力や、先人の業・知識を未来へ伝えていく若き島人にフォーカスした記事を「JTA×たびらい沖縄」のコラボ企画として取材中。現地までの道のりを、ワクワクさせるおもてなしと翼で届けてくれる「JTA」と、現地発信をモットーに沖縄ファンへ情報を届け続ける「たびらい沖縄」のコラボ記事を引き続きお楽しみください。

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【投稿日】2020年03月04日(水)【投稿者】たびらい編集部

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