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【投稿日】2022年12月23日(金)| 沖縄発
首里には、干支を司る仏さまをお参りする「首里十二支巡り」という昔からの習慣があるそうです。生まれ年の十二支によって守護してくれる仏さまが定まっているという信仰を「守り本尊」といい、それぞれの年の干支によって、守り本尊が割り当てられています。十二支を守護する全8体の仏像が首里にある4つのお寺に置かれているそう。今回は、子(ネズミ)、丑(ウシ)、寅(トラ)、辰(タツ)、巳(ヘビ)、午(ウマ)の御本尊がある首里観音堂の副住職・善國乗栄さんに、お寺の歴史と、首里十二支巡り、そして看板犬のコナンくんについて聞いてきました。今から500年ほど前、首里城の周りにはお寺が点在していたそうです。戦争などを経て、明治時代には20ほどまでに減り、現在に残るはわずか6寺。そのうちの一つである首里観音堂は、1618年に建立されました。正式名称は慈眼院ですが、流歌「上り口説(ぬぶいくどぅち)」で「旅の出立ち 観音堂・・・」と歌われ名前が広く知られたこともあり、首里観音堂と呼ばれることも多いそうです。薩摩藩に10年間の予定で国質として取られていた琉球王朝八代王の尚久の4男、尚豊がわずか半年で帰国できたことを感謝し建てられたお寺ということもあり、旅の安全祈願でも知られています。首里十二支巡りの寺院としてお参りされるようになったきっかけは、首里観音堂が祀る千手観音菩薩像が子年の守り本尊として知られているからです。その他の干支の仏さまとして、虚空蔵菩薩(丑・寅年の守本尊)、普賢菩薩(辰・巳年の守本尊)、そして勢至菩薩(午年の守本尊)が置かれています。首里十二支巡りでは、家族の生まれ年に合わせて守り本尊のある寺に参拝。ユタがお参りすることもよくあるそうです。いわゆるシャーマニズムに属するユタが仏教の寺院に祈願するのは沖縄に古くからある観音信仰とのつながりがあるとの見方もあり、琉球と仏教の関係は意外と深いことが窺い知れます。他の干支の御本尊はそれぞれ安国寺(酉)、盛光寺(未、申)、西来院(卯、戌、亥)に祀られています。戦時、首里城の地下には日本軍指令部の壕があり、米軍の標的となって爆撃を受けました。昨年建立400年を迎えた首里観音堂の本堂も戦災で焼失し、今の本堂は昭和55年に復元されたものです。しかし戦時中、当時の住職、南溟和尚が防空壕に安置して守り抜いた400年前の仏像・釈迦如来像は「戦禍を逃れた秘仏」として保持現存されています。秘仏なので昨年の400年記念行事など、特別な展示の際にしか拝見することはできませんが、本堂の前には、同じく戦争を生き抜いた「長老樹」と呼ばれるガジュマルの木が生えています。樹齢120年で、ちょっとしたパワースポットとして知られているとか。また、首里観音堂を語る上で欠かせない存在が、合掌犬コナンくんです。コナンくんを飼い始めて半年ほど経った頃に、善國副住職が感謝の意味で、ご飯の前で手と手を合わせる「合掌」を教えました。なんとコナンくんはその仕草を1、2日で覚え、仏様の前でも合掌をしたことから、合掌犬として数々のメディアが取材、なんと一時期はホリプロに所属していたこともあるそう。コナンくんは16歳の高齢になったため、今は自宅で余生を楽しんでいるそうです。コナンくんの御守りは人気のお土産のひとつ。他にも干支のシンボルや、シーサーの刺繍が入った御守りもあるのでお参りの際にはぜひチェックしてみてください。善國副住職は、常にスマートフォンの画面を見がちな現代にこそ、「1分だけでも静寂の時間を持ち、気持ちを整えリフレッシュする」という意味でも、旅先でのお参りをおすすめしています。さらに首里観音堂の見晴台からは那覇の街と海を見渡すことができ、気分転換にもぴったり。「萬歳嶺」と呼ばれる高台に位置する首里観音堂からは尚豊の乗る船が薩摩から沖縄に入港したのが確認できたそうで、その丘で万歳三唱をしたことが名前の由来とのことです。見晴台では飲食も自由なので、近くにある金城ベーカリーや山城まんじゅうでテイクアウトし、萬歳嶺での歴史を感じながら楽しむのもいいかもしれません。年始の初詣や、旅の安全祈願、そして干支のお参りに、みなさんも首里観音堂に出かけてみてはいかがでしょうか。駐車場も完備されているので旅のスタートの立ち寄り先としてもおすすめですよ。
【住所】沖縄県那覇市首里山川町3-1【本堂・参拝時間】9時~18時【問い合わせ(電話番号)】098-884-0565
【投稿日】2022年12月23日(金)【投稿者】たびらい編集部
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