1. 島の魅力の伝道師!“カニ” が語る声を聴く。|蟹蔵・吉浜祟浩

島の魅力の伝道師!“カニ” が語る声を聴く。|蟹蔵・吉浜祟浩

【投稿日】2019年10月11日(金)| 沖縄発

伊良部島で、マングローブ蟹について研究を行っている「蟹博士」こと、吉浜祟浩さん。

一度は県外で働きに出たものの、伊良部島の海やマングローブ、蟹の魅力に引き込まれUターン。そこから、独学で伊良部島の入り江や蟹について研究を重ねています。現在はその魅力を多くの方に知ってもらう為、海やマングローブの変化など歴史背景を語りながら、マングローブツアーや養殖した蟹料理の提供、サバニ体験などを行っています。そんな吉浜さんに今回はたびらい取材班が会ってお話を伺いました。

今から半世紀前、かつて伊良部島の浜はどこのビーチにも負けない、世界屈指の美しさだったと言われています。ジュゴンやジンベエザメもやってくるほど美しかったこの海は、時代の移り変わりによって大きくその姿を変えてきたそう。



「僕が小さい頃、この辺一体は一面真っ白な砂浜でした。近隣の開発等で潮の流れが変化して、砂の量も珊瑚礁大分減ってしまったんです。これから見に行くマングローブ林のある入り江も、埋め立て等の影響により面積がかなり狭くなりました。」



「島のオジイ、オバアたちに話を聞くと “昔は綺麗だったよ” という言葉がよく出てきます。僕は、これを子どもたちの世代に言わせてはいけないと思ってますよ」

体験ツアー前、壁一面に貼られた島のかつての航空写真を指さしながら、吉浜さんは語ります。



“子ども時代に遊んでいた、海やマングローブ林の自然を伝えたい。”そんな強い思いを胸に独自に考案したマングローブカニ漁体験ツアーでは、実際にマングローブの密林を「歩きながら」探検することができます。



通常、マングローブ林はカヤックを漕ぎ出し巡るイメージがほとんどですが、自分の足で歩いて巡れるのは、サンゴの砂が下地にある伊良部のマングローブ林の大きな特徴なのだそう。



ツアーは、仕掛けられたカニ漁専用の罠を引き上げながら進んで行きます。昔はこの罠に、サメや亀がかかる事もあったそう。エピソードを語りながら歩き、マングローブやそこに済む生き物達、蟹について全てを教えてくれました。

海水で育つマングローブは、根っこから吸収した塩分で濾過しきれなかったものを葉にため込んで捨てているので、黄色い葉は塩味がきいてます。

吉浜さん自身、小さい頃マングローブで遊ぶ時には黄色い葉の塩味がクセになり、食べていたこともあるそうです。



「マングローブ林の根元に小さな魚たちが集まっている時は、近くに大きな蟹の巣があることがわかる。魚たちは天敵から身を守ってくれる蟹に集まって来るんだね。ま、大きくなったら食べられるんだけど」

「なぜそんなに蟹が好きなんですか?」という取材班の問いには「それはちょっと違いますね」との回答が。「僕はあくまでも生物全般が好きで、そこを語ることが島を語ることだと思っています。マングローブ林の生態系の頂点がカニなので特にカニを語っていますが、もしワニがいたら ”ワニ蔵” でした」

生き生きと自然を語る吉浜さんの姿は、まさに少年そのもの。



入り江の埋め立ての背景に、島の人たちが貧しさからの脱却の為、畑を拡大し一生懸命働いたという歴史があります。その時、その時代の事情があったのです。そういうことを抜きにして自然保護については語れません。

「これからの時代に必要なのは “何が人の幸せか?” を考えることです。
 僕はそのヒントがここ伊良部島の自然の中にあると思っています」と吉浜さんは語ります。

今回の取材で、大事なものは ”知識” よりも “気付き” と教えてくれた吉浜さん。蟹の養殖に、ツアーの企画・実施。日々アクティブに活動を続けていますが、まだまだ夢は尽きません。最終的には、自然一体型の施設をつくり、体験型ツアーも改良を行っていく予定です。



来た人を幸せにする自然の特典にとして食べられる蟹料理も、臭みもなく身がぎっしり!

吉浜さんと蟹蔵さんをご訪問の際は、体験ツアーと併せて是非ご賞味下さい。

【店名】
蟹蔵

【住所】
沖縄県宮古島市伊良部字佐和田1381-6

【お問い合わせ(電話番号)】
0980-78-4737

【アクティビティ体験】
・マングローブカニ漁体験ツアーセット(※蟹蔵ブランド蟹料理付)
大人 8,000円(並コース)10000円(大コース)12000円(特大コース)
・マングローブカニ漁体験ツアーのみ(※蟹そうめん、ドリンク付き)
大人 4,000円、小学生 3,000円、小学生以下(1才~6才)2500円(0歳児参加不可)

※その他サバニ体験ツアーなどもあります。

【マングローブカニお食事】
・食事 蟹コース ※要予約
並コース350グラム 4000円、特大以上 10000円~(1キロ以上)

⇒詳しくはこちら

■JTA×たびらい沖縄の挑戦
沖縄県内離島の魅力や、先人の業・知識を未来へ伝えていく若き島人にフォーカスした記事を「JTA×たびらい沖縄」のコラボ企画として取材中。現地までの道のりを、ワクワクさせるおもてなしと翼で届けてくれる「JTA」と、現地発信をモットーに沖縄ファンへ情報を届け続ける「たびらい沖縄」のコラボ記事を引き続きお楽しみください。

むすぶ、つながる~受け継がれる“島想い”~離島の職人に会いに行こう

【投稿日】2019年10月11日(金)【投稿者】たびらい編集部

あわせて読みたい!

今、この宿、見られてます

×