1. 自然も暮らしも豊かになるものづくりを目指して。 |ヤラブの木・三輪智子

自然も暮らしも豊かになるものづくりを目指して。 |ヤラブの木・三輪智子

【投稿日】2019年10月10日(木)| 沖縄発

過疎化が急速に進む地方社会に活力を。

宮古島から橋で繋がる離島「池間島」。その島の小さな集落に、三輪さんの工房「ヤラブの木」があります。ここで製造しているのは、宮古島のヤラブの木の実を用いたナチュラルスキンケア製品の「naure ピュアタマヌオイル」。



古くから防風林として島を守り続けてきたヤラブの木は、昔から歌われている島歌にも登場するほど、島民には馴染みの深い木です。この木の実から抽出できる植物オイルを製品化し、できあがったのが「naure ピュアタマヌオイル」です。

元々、環境教育の職員を務めていた三輪智子さん。地域の自然と人の関わりに興味のあった三輪さんが宮古島にたどり着いたのは、知り合いの声掛けがきっかけでした。それは今から7年前の話です。



これといって、沖縄や宮古島に関して詳しいというわけでもなかった三輪さんでしたが、池間島の自然や人々と深くかかわっていく中で、島の文化・知恵・技・自然などをただ記録するのだけではなく、カタチとしてここに使える形で残したいという気持ちが募り募っていきました。

最初の頃は民泊やカレンダーづくりなどの活動を通し、地域おこしの活動を6~7年ほど続けていましたが、その時は特産品や仕事そのものを生み出すまでには至りませんでした。環境に負荷をかけず、むしろ豊かなにするような仕組みを持った新しい仕組みづくりはできないものか、と模索していく中で “ヤラブの木” に出会ったのです。

 

テリハボクを意味する「ヤラブの木」は、台風や塩害に強く、昔から宮古・八重山で防風林として植えられてきた木として知られています。

始めは、防風林をもっとしっかりメンテナンスすることで海の環境を良くしようという考えで苗木作りを始めたそう。「ゆくゆくはお年寄りが庭で苗木を育て、それを買い取るという仕組みをつくりたかったのですが、苗木が立派に育つのに時間がかかり上手くいきませんでした」と三輪さんは語ります。



試行錯誤を続けていく中で、苗木を作る際に触れていた種が何かに使えないかと気になり調べてみると、ポリネシア・メラネシア・東南アジア地域では昔からテリハボクの種から採るタマヌオイルを伝統的な薬として使用して来たということがわかったそう。宮古島で生活をしていた先人達は、子どものころ実の果肉部分をおやつに食べたり、キャンドルのような使い方をしていたそう。



これを本格的に商品化をする為に、資金集めの一環としてクラウドファンディングを2018年9月に始めました。

クラウドファンディングは成功。無事商品化が実現したのが、2019年の1月でした。「活動を続けていくにつれ、台風時に「ヤラブの実がたくさん落ちてたよ」と言って拾って来てくれた人、管理しているヤラブの森を手入れしてくれる人たちなど、プロジェクト自体が地域に根付いてきているという実感を得ていきました。」



ヤラブの木の実を割る作業は、島のオバァ達に協力してもらいます。オバァ達はこの作業を通してコミュニケーションが生まれ、活き活きと活動をしてくれているのだそう。とあるオバァは、どれだけ早く作業が終わるかを競いながら進めていたり、ゆんたく(おしゃべり)を楽しみながらまるでお茶会をしているような感覚で、作業をしてくれたりと…各々で楽しみを見つけて参加しています。



中には、ヤラブの木の実を割りながら “これを塗って美人になってから、また恋をするさー”と語るキュートなオバァもいるそう。

そんな風景を眺めながら三輪さんは、「今後も、オイルの性質を生かした別商品の開発や、他の資源を活かす方法を島ぐるみで見つけていきたいと思っています」と語ります。

「次世代の人たちが「自分たちの島には何もない」と言うのではなく、自分たちの島にあるものでなにか作ったり、仕事も生み出せるんだって思えるきっかけになってほしい。そんな思いを実現に繋げるべく、地域の子どもたちを巻き込んだ商品作りも今後展開予定なのだとか。

いわゆる里山のような地域づくりに尽力する三輪さんと、池間島の人々。

自然も暮らしも豊かになるようなものづくりを追求する人々に会いに、車を走らせてみるのもいいかもしれません。

【商品名】
naure ピュアオイル20ml

【価格】
3900円(税抜き)

【販売場所】
・シギラベイサイドスイート アラマンダ アラマンダブティック
・HAPPY LANI MIYAKO
・島野菜デリじゃからんだ
・Cafe&Select Shop THASOS
・整体アロハ堂
・Relaxation Salon Kaimana 本店
・LANIKAI デポアイランド店
・LANIKAI ウミカジテラス店
※2019年10月1日現在

【工房】
ヤラブの木

【住所】
宮古島市平良字池間266

【定休日】
日曜・祝日

【問い合わせ(電話番号)】
0980-75-2501

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■JTA×たびらい沖縄の挑戦
沖縄県内離島の魅力や、先人の業・知識を未来へ伝えていく若き島人にフォーカスした記事を「JTA×たびらい沖縄」のコラボ企画として取材中。現地までの道のりを、ワクワクさせるおもてなしと翼で届けてくれる「JTA」と、現地発信をモットーに沖縄ファンへ情報を届け続ける「たびらい沖縄」のコラボ記事を引き続きお楽しみください。

むすぶ、つながる~受け継がれる“島想い”~離島の職人に会いに行こう

【投稿日】2019年10月10日(木)【投稿者】たびらい編集部

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