
毎年7月下旬頃行われる鳩間島最大の行事。穀物の収穫を終えた後、神への豊作の感謝と来夏世(クナツユー)の豊作祈願を行います。人口50人ほどの小さな島は、帰郷者や観光客で普段の5,6倍の人に膨れ上がります。
本来は旧暦6月の壬(みずのえ)、癸(みずのと)、甲(きのえ)に3日間連続で行われますが、近年は1日目を事前に済ませ2日目・3日目を癸、甲近くの土・日に行うことが多いです。
1日目はユードゥーシ(夜通し)と呼ばれ、島内で第一の聖地とされる友利御獄で、夜から早朝にかけ夜通しで神に祈りを捧げます。
2日目はトゥーピン(当日)と呼ばれ、島のサンシキ広場にて旗頭、ミルクやカムラーマの舞、棒術、舞踊などの奉納芸能が行われます。ミルクとは弥勒菩薩のことで、特徴的な白い仮面は18世紀にベトナムから伝来したと伝えられます。また、ユーモラスな舞と黄色い衣装が鮮やかな「カムラーマ」は子孫繁栄の神様で、こちらは鳩間島でしか見られない芸能です。奉納芸能のあとにはパーリー(ハーリー)が行われ、島の東西2組に分かれて競漕します。豊年祭でハーリーと綱引きの両方を行うのは鳩間島のみです。
3日目はシナピキヌピン(綱引きの日)と呼ばれ、大綱引きが行われます。基本、島民のための祭りとなっていますが、大綱引きは観光客も含め誰でも参加可能。東西で綱を引き勝負は3回勝負で行なわれ、祭りは大いに盛り上がります。
写真提供:八重山毎日新聞社