恋に恋するナビーの歌

琉球王朝時代、農村では「毛遊び(もうあしび)」が盛んに行われていた。「毛遊び」とは、若い男女が夜間に野原や海辺に集まって歌の掛け合いをしたり、三線に合わせて踊ったりして交流すること、つまり現代的にいえば野外合コンのようなものだ。
ある日突然、松の下に王府による毛遊び禁止の立札が立てられた。中国からの冊封福使一行が北部の名所めぐりをする際に、恩納番所で一泊することになったので、毛遊びのような風紀の乱れを見せるわけにはいかないという理由からだ。その立札を見た歌人の恩納ナビーが、皮肉を込めて詠んだ歌『恩納松下に 禁止の牌のたちゆすて 恋しのぶまでの 禁止やないさめ』が、松の下の碑に刻まれている。
「恩納番所の松の木の下に、禁止事項の札が立てられたが、恋をするなという禁止事項ではあるまい」。だからもっと恋をしよう、という意味合いである。恋に対する、ナビーの熱い思いが感じられる。
【住所】
沖縄県国頭郡恩納村恩納2594
【電話番号(問い合わせ)】
098-966-8258(恩納村商工会)
【交通】
沖縄道屋嘉ICよりR58経由、恩納村役場方面へ車で10分
【営業時間】
終日
【定休日】
なし
【利用料金】
なし
【駐車場】
あり
【設備】
なし
【備考】
58号線沿いのおんな売店の脇道に入って約200メートル右手に「恩納松下の歌碑入口」と書かれた看板を目印に右折。つきあたりに歌碑がある。