ホエールウォッチングで出会うクジラの種類はさまざま。主に「ひげ鯨」と「歯鯨」の2つに分けられ、中でも人気の高いザトウクジラについて、生態などを主に紹介する。

クジラは全部で86種いて、そのうち「ひげ鯨」と「歯鯨」の2つに分けることができる。
ホエールウォッチングにおいてダイナミックなパフォーマンスで人気の高いザトウクジラは、ひげ鯨の仲間。ひげ鯨と呼ばれている仲間は13種あり、沖縄近海で過去に目撃例があるのは、そのうちの7種。シロナガスクジラ、ナガスクジラ、ザトウクジラなど。座間味近海ではここ数年目撃された鯨類は、ザトウクジラ、ミンククジラ、歯鯨の仲間であるマッコウクジラ、ハンドウイルカ、オキゴンドウ等がいる。
ザトウクジラは、体長13~15m、体重は約30トンにもなる哺乳動物で全体的に黒っぽい色をしている。体長の3分の1ほどにもなる長い胸ビレが特徴で、その長さは約5mほどにもなるという。頭部にあるこぶしほどのコブも独特。尾びれの黒と白の模様は、個体を見分けるポイントにもなっている。
12月~4月にかけて、ザトウクジラはシベリア海域から、出産と子育てのために沖縄のあたたかい海にやってくる。出産は1年おきに1頭だけといわれているが、年ごとに続いて生まれることもあるそう。妊娠期間は約1年。ザトウクジラの赤ちゃんは生まれた時からすでに体長4~5m、 重さは1.5トンほどもあるそう。哺乳類なので母乳で子育てをする。ホエールウォッチングで親子クジラに出会うことも少なくない。
ザトウクジラの平均寿命は45~50年程度。夏場に過ごす北の海域で、主にプランクトンや小魚を食べ、 冬場はほとんど食事をとらないといわれている。また、単なる鳴き声ではなく、旋律と一定の句をもった神秘的な歌を歌うことでも有名。繁殖シーズンに雄が歌うことから、雌への求愛のためではないかと以前は考えられていたが、はっきりしたことは分かっていない。