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宮古島を中心に構成される宮古諸島の島々。特色ある地域性を紹介
東西に1000キロにもわたる沖縄県のほぼ中間地点にある宮古島。那覇からは約300キロ離れており、石垣島までは約130キロ。宮古島を中心に大小8つの島で構成されている宮古諸島は、いずれもサンゴが隆起してできた島々で、沖縄の大きな島の中では唯一、川がない。大きな山もないので、比較的平坦な島が多い。本島、八重山とも違う伝統や文化は特筆すべきで、特に宮古方言は独特の発音をするため県民でもなかなか理解するのが難しいといわれる。
沖縄本島と八重山諸島の間に位置する宮古諸島。どちらとも異なる風習や伝統を持つ。宮古方言(みゃーくふつ)にも表れており、ほかに類を見ない「ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ」の破裂音を多用する、「ん」で始まる言葉が多いなど、独自性の高い文化を形成している。
宮古諸島は、宮古島のほか、池間島、来間島、大神島、伊良部島、下地島、多良間島、水納島の8つの島々で構成されている。平坦な土地が多く、諸島総面積の52%が耕作地である。総面積は約226.5平方キロで沖縄県全域の約10%にあたる。
2015年国勢調査結果(総務省統計局)より
宮古島地方の年間平均気温は23℃と沖縄本島と比べやや高く、年平均湿度が79%の高温多湿の亜熱帯海洋性気候。沖縄本島北部の「やんばる」や西表島のような原生林はほとんどなく、島の多くは琉球石灰岩の平坦な台地になっている。池間島の北側に広がる八重干瀬は、4月の大潮の時の数日間だけ海面に現れる。
約52%が耕作地という平坦な宮古諸島だが、宮古島の中心地の東側に約119へクタールの原生林が広がる。この大野山林は散策路が整備されており、多種多様な鳥や虫などの観察ができる。森林が少ない一方、湿原や汽水域に広がるマングローブの林があり、渡り鳥のえさ場や休息地になっている。
沖縄の島々はサンゴが発達してできた琉球石灰岩で形成されている。宮古諸島も同じく琉球石灰岩の地層である。島の北側には日本最大のサンゴ礁・八重干瀬(やびじ)が広がり、宮古島の面積の3分の1ほどの面積になる。宮古島には川らしい川がないため、島々のビーチの美しさが保たれているともいわれている。一方で、東平安名岬や西平安名岬のように崖が切り立った場所や、ダイビングスポットとして有名な「通り池」のような変化に富んだ場所もある。
宮古島にはハブが生息していない。太古の昔、島が海に沈んだときに絶滅したといわれているが、諸説がある。宮古島には「ミヤコ」と名の付く固有の動物が多く生息しており、県の天然記念物に指定されているミヤコサワガニは水中で活動することが多く、宮古島の地史を知る上で貴重な生物である。宮古島固有種のミヤコショウビン(カワセミの一種)やミヤココキクガシラコウモリなどは絶滅した。渡り鳥の季節になると東南アジアへの中継地として宮古島にサシバの大群がやってくる。
隆起サンゴ礁でできた宮古島には大規模な原生林はないが、島の各所にある御嶽(うたき)周辺に植物群落を作っており、地域の自然環境を見ることができる。市の天然記念物に指定されているサキシマスオウノキは下地地区の2カ所に自生している。また島尻には宮古諸島で最大規模のマングローブの群落があり、河川のない宮古島で群落が形成されたのは、植生としては珍しい。
沖縄本島、八重山諸島とは異なる文化が受け継がれている宮古諸島。年中行事、祭り、祈りは旧暦に基づいて行われ、国の重要無形文化財に指定されているものもある。宮古島では地区・集落ごとに伝統行事があり、祭りで奉納される芸能は独特。民謡も宮古方言(みゃーくふつ)で唄われ、大会が盛大に行われる。
五穀豊穣を祈願する豊年祭は宮古諸島の各地で行われる。旧暦の8月15日の十五夜の行事として地区ごとに特色のある芸能が奉納される。宮古島・上野地区の野原で行われる豊年祭は「マストリャー」と呼ばれ、300年の歴史がある。国の無形文化財に選定されている。
多良間島に伝わる伝統行事で旧暦8月8日から10日に行われる。人頭税(じんとうぜい)を払い終わったことを感謝した神事に始まるといわれ、国の重要無形文化財に指定されている。明治時代に首里から伝わった古典や組踊りも演じられるようになった。
宮古島の島尻地区に伝わる伝統行事。毎年11月頃に行われる。国の重要無形文化財指定。パーントゥとは宮古島の方言で鬼神や妖怪のことで、キャーンと呼ばれる草を身にまとい、全身に泥を塗った3匹のパーントゥが集落を駆け回り、無病息災を祈願する。
宮古島では、宴席や飲み会の場で回し飲みをする「オトーリ」と呼ばれるお酒の飲み方がある。口上を述べたあと盃を飲み干し、次の人に盃を回していく。これが永遠と続く。もともとは島の神事で豊穣祈願の際に大皿に注いだ酒を順番に回し飲んだのが起源とされている。
宮古島独特の歌と踊りが組み合わさった芸能で、「くい(=声)を合わせる(=ちゃー)」という意味とされ、五穀豊穣や雨乞いなどの祈りを捧げる。参加者全員で円陣を組み、「ニノヨイサッサ」という掛け声ともに、足を踏み鳴らし、揃いの踊りをする。人頭税廃止を歌った「漲水(はりみず)のクイチャー」が有名。毎年11月にはクイチャーフェスティバルが開催され、島を挙げてクイチャーで踊り明かす。
宮古民謡の代表曲で教訓歌として歌い継がれてきた。なりやまあやぐの発祥地である城辺(ぐすくべ)・友利地区のイムギャー海岸で、毎年9月に大会が開催される。宮古民謡は御嶽などの聖地での神事の際に捧げられた祈りがもととなっており、次第に抑揚がつけられてメロディにのせて歌われるようになった。島の各集落の神事に基づいているので、集落ごとに特徴のある歌になっている。
約400年の歴史のある宮古上布は宮古島に伝わる伝統的な麻の織物で、国の重要無形文化財に指定されている。原材料の苧麻(ちょま)の栽培からすべての工程を宮古島で一貫して行い、品質の保持に努めている。細かな絣(かすり)の柄と光沢が美しく、ち密な手作業で織り上げられている。そのち密さゆえに1日に約20センチしか織ることができず、年間の生産反数は約20反。
手間暇のかかる宮古上布に代わり、ラミーと呼ばれる機械紡績の麻を使って織り上げた宮古織は、色彩が豊かで、縦模様や絣模様などデザインも豊富。洋服やバッグ・小物などに使われる。宮古織も手織りならではの繊細な工芸品である。
宮古島では平坦な地形を生かし、農耕面積は島の面積の約半分を占める。島尻マージと呼ばれる琉球石灰岩と赤土の土壌でサトウキビや今や全国区になったマンゴーの栽培が盛ん。また宮古諸島周辺の海域では黒潮の流れによって漁場が近く、漁業も盛ん。沖合にパヤオ(浮き漁礁)を設置した漁法やカツオの一本釣り、伝統的な追い込み漁、そしてモズクの養殖など幅広い水産業が行われている。
ミネラルが豊富で南国の気候により、宮古島は日本有数のマンゴー生産地として知られるようになった。マンゴーは天候に左右され、台風が多い年は生産量が落ち込む。日本国内の出荷量のうち50%強を沖縄県が占め、そのうち約20%が宮古島産。宮古島のマンゴーはアップルマンゴーのアーウィン種で糖度は15度以上あり、完熟マンゴーとして出荷される。
沖縄県の基幹農作物であるサトウキビの生産量は約93万7523トン。そのうち宮古諸島の生産量は約34万トン前後で沖縄県全体の約40%を占める。宮古島で一番多く栽培されている農作物である。
沖縄各地で製塩が盛んになり、ブランド塩が生まれているが、宮古島の「雪塩」はその先駆け。隆起サンゴ礁の島の特性を生かし、琉球石灰岩をゆっくり時間をかけて浸透した地下海水を原料にして精製される。通常の製法で取り除かれてしまう「にがり」がほとんど残るため、ミネラル成分が多いのが特徴。名前のとおり、雪のようにさらさらとしたパウダー状でまろやかな味が人気だ。
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