1. 島の自然を愛する親子が生み出す、躍動感溢れるやちむん

島の自然を愛する親子が生み出す、躍動感溢れるやちむん

【投稿日】2019年06月24日(月)| 沖縄発

石垣島川平の山奥にひっそりと佇む小さな工房。ここでは、父・母・娘の家族全員が陶芸家というロリマーさん一家がやちむん(沖縄の焼き物)を作陶しています。その独特で色鮮やかな「南島焼(なんとうやき)」は、島内だけでなく県外でも人気が高いです。母の奈美さんが窯を開き、娘のキャサリンさんも8年前に島に戻って焼き物を作り始めました。

キャサリンさんは現在、石垣島と沖縄本島・沖縄市を行き来しながら作陶をしています。沖縄本島を拠点に活動する父のポールさんから、薪窯での火入れについて学んでいるためです。電気窯とはやはり違って、加減が難しくまだ失敗も多いのだとか。

島内の土のみでやきものをつくる奈美さんとキャサリンさん。集めてきた土を混ぜ合わせて、2時間ほど足踏みを続けて空気を抜き、寝かせて粘土として完成するまで約1カ月はかかります。「子どもの頃は泥だらけになって楽しんで手伝いをしてきた工程だけれど、けっこうな力仕事で、今はすごい大変に感じる」とキャサリンさんは話します。

キャサリンさんが陶芸家の道を目指したきっかけは、父の故郷であるニュージーランドに1年滞在し、川平の自然の中に戻ってきてから。自身が島を離れている間も川平で変わらずにずっとやちむんを作ってきた母の姿を目の当たりにして「(やちむんに没頭する)両親を見てきて、楽しそうだなって思って」と振り返ります。

ずらっと並ぶ顔料。ここで向かい合わせに座り、母娘ふたりで絵付けをするのだそう。

島の自然モチーフに加え、オリジナルの細かい柄ものもキャサリンさんの作品の特長。頭に浮かんでくるものを無心に描き続けるのだそう。

スイカのちょい飲み、ゴーヤの箸置き、奥は、ヘアゴムに丸いやきものをつけたもの。キャサリンさんは「好きなものをつくって生活していけるって最高」と朗らかに話します。
こちらは奈美さんの作品。生き生きとした島の動植物が描かれています。

いつも仲良く、にこにこ笑顔のロリマー親子。島の自然をこよなく愛するふたりから、自然の躍動感溢れるやきものが生まれています。

住所:石垣市川平1091 電話:0980-88-2428 営業時間:10時~18時
※不定休のため来店の際はお電話を

<イベント情報>

■ポールロリマー/キャサリンロリマー 父娘展
2019年10月1日(火)~7日(月) 
那覇 りうぼうパレットくもじ美術サロン
10時~20時(最終日17時まで)

■石垣島やきもの祭り
2019年11月30日、12月1日
石垣市民会館

■JTA×たびらい沖縄の挑戦
沖縄県内離島の魅力や、先人の業・知識を未来へ伝えていく若き島人にフォーカスした記事を「JTA×たびらい沖縄」のコラボ企画として取材中。現地までの道のりを、ワクワクさせるおもてなしと翼で届けてくれる「JTA」と、現地発信をモットーに沖縄ファンへ情報を届け続ける「たびらい沖縄」のコラボ記事を引き続きお楽しみください。

むすぶ、つながる~受け継がれる“島想い”~離島の職人に会いに行こう

【投稿日】2019年06月24日(月)【投稿者】たびらい編集部

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