糸満漁民食堂｜海人（ウミンチュ）の街で、沖縄県産魚のおいしさ＆可能性を新発見！

沖縄本島の最南端に位置する糸満市（いとまんし）は、海人（ウミンチュ＝漁師）の街として知られ、新旧の沖縄グルメを満喫できるエリア。

中でも、近年行列が絶えないお店として、地元の食通の間で人気なのが「糸満漁民食堂」です。



まずは、新鮮な魚をまるごと味わえる「本日イマイユ バター焼き定食」をぜひ。

沖縄近海で獲れたイマイユ（旬の魚＝鮮魚）は、ビタロー（ハナフエダイ）やアカマチ（ハマダイ）など、常時5～6種類から選べます。熱々の鉄板からは香ばしい匂いが漂い、今にもよだれが垂れてしまいそうに。食べてみると、表面はカリッ、中はふわっとした食感が口の中に伝わります。この食感は、新鮮な魚を油でさっと揚げた後に、フライパンでバターをかけながらゆっくり火を入れることで生み出しているそう。そこに魚のうま味と特製アーサ入りバターが混じり合い、ここでしか味わえないおいしさを出しています。

ソースはほかにも、豆腐ようバターソース、うっちんバターソースの全3種あるので、リピーターの方は別の風味を楽しみに再訪するのもいいですね。



はふはふしながら食べたい「土鍋で食べる魚汁定食」も、また絶品。

伝統的な海人の「魚汁」といえば、魚を水からグツグツと煮て仕上げますが、そこで終わらないのが、店の味が評判になる所以。出汁用に煮だした魚汁はいったんこした後さらに煮つめ、それを冷やしてコラーゲンのようなプルプルのエキスを抽出。そこにカツオやいりこ、昆布でとった一番出汁を足し、さらに自家製の芝麻醤（つーまーじゃん）を合わせて胡麻味噌と醤油の風味をプラス。多くの行程を経て、奥行きのある味わいへと変貌を遂げています。

また、沖縄ではメイン料理として親しまれている「みそ汁」をイメージして、具だくさんに盛り付けているのも特徴的です。蒸し器で調理した魚の切り身は、ふっくらふわふわ。最良の調理法で、魚の美味しさを最大限に引き出しているのはさすがです。



こちらは、ランチタイムの定食メニューに付く「前菜盛り合わせ」。

新鮮な刺身には、ぜひ「しびれ醤油」をかけて召し上がれ。オリジナルの醤油は、その名のとおり、ピリリと舌に残る山椒の辛味がクセになりますよ。



「糸満漁民食堂」は美味しい料理ばかりか、おしゃれな店のデザインも注目を集めています。

店内外の壁などに敷き詰めているのは、海人の街・糸満で古くから使われてきた琉球石灰岩です。オーナー・玉城さんの「地域を巻き込んだ、“みんなでつくる、みんなのレストラン”」という想いから、地元の方々みんなで石積みを行った部分もあるのだとか。

その斬新なデザイン性はもちろん、地域との交流拠点を築いた点も評価され、平成25年（2013）には「JCDデザインアワード」と「グッドデザイン賞」を受賞しています。



実家は魚屋さんという、糸満出身のオーナー・玉城弘康さん。

店に込めた想いを「沖縄で獲れる魚の淡白な味わいも、魅力的な“個性”。調理によって、すごくおいしくなるということを表現したかったんです。沖縄のイマイユの魅力と糸満の歴史を知ってもらい、糸満を自慢できるような店にしたいです」と話します。

那覇空港からのアクセスも分かりやすく、気軽に立ち寄れる「糸満漁民食堂」。

昼夜問わず、県内外のお客が行列をつくる姿を見かけますが、オープン時間の約10～15分前に到着すると、比較的スムーズに入れますよ。

糸満市という街の魅力を探るなら、必ず訪れてほしい食堂です。

【店舗名】
糸満漁民食堂（イトマンギョミンショクドウ）

【メニュー例】
本日イマイユ バター焼き定食 1404円～時価、土鍋で食べる魚汁定食 1236円、イカづくしのイカスミ汁 1236円、昔ながらの魚汁定食 1030円 など　
※全てランチ料金（各ディナー料金あり）

【ドリンクメニュー例】
パイナップルジュース 378円などソフトドリンク各種、ビール、ワイン、日本酒、泡盛などアルコール各種

【住所】
糸満市西崎町4丁目17

【問い合わせ（電話番号）】
TEL：098-992-7277（予約不可）

【営業時間】
ランチ：11時30分～15時（ラストオーダー14時30分）
ディナー：18時～22時（ラストオーダー21時30分）

【定休日】
火曜、毎月最終月曜のディナー

【駐車場】
あり
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