
「サティパロウ(里払い)」は宮古島市の野原地区に古くから伝わり、毎年旧暦の12月最後の丑(うし)の日に行われる厄除けの伝統行事で、集落内の悪霊や悪疫を追い払います。1993年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。
「パーントゥ」と呼ばれる神様のお面をつけた子どもが先頭になり、センニングサやクロツグなどの植物を身に着けた女性が太鼓やほら貝を鳴らしながら行列をつくり、「ホーイ、ホーイ」と呼びかけながらヤブニッケイの小枝を持ち集落を練り歩きます。交差点では女性たちが子どもたちを囲んで、「ウルウルウル」と叫んで厄よけをします。集落を歩いた後は、南西の端「ムスルンミ」で身にまとっていた植物や小枝などを取り、巻き踊り(円を作って行う踊り)をして行事が終了します。
「パーントゥ」役の若者が集落を練り歩き、人々に泥をつけて厄祓いする宮古島市島尻地区の伝統行事「パーントゥ」とはちがい、野原地区のサティパロウは集落の女性と小学高学年の男子のみが参加し、泥ぬりなどはなく、穏やかに行われます。