国際交流の中で生まれた庭園の技法

識名園の御殿の前に横長に広がる池は、心字池と呼ばれ、上から見ると漢字の「心」という字を崩したような形になっています。これは日本の庭園でもしばしば見られる技法です。また、池を渡す連続する石橋は、中国河南省のクリーク(小運河)にかかる石橋がモチーフになっています。御殿に近い石橋は自然の太湖石(中国庭園でよく使われる、穴が多くあいた石)をイメージしてつくられていて、これは中国からの冊封使への心づかいといえるでしょう。それぞれの国のいいところをうまく取り入れているところも、識名園の特徴のひとつです。