終戦後の沖縄の人々の心を癒やした名作

高宮城親雲上の手による組踊作品。創作年代は不明ながら1808年初演との記録が残されている。生活苦のために離れて暮らさざるを得なかった家族の再会を描いた世話物として親しまれている。
能楽の「芦刈」の影響を受けて作られたこの作品は、戦前、戦後を通じて上演回数が多いことでも有名だ。花売の縁について忘れてはならないのが、戦後初めて上演された組踊だということ。終戦直後の昭和20年(1945)12月25日、当時の石川市にあった捕虜収容所で慰問のために開催された「沖縄芸能大会」でのことだ。
当時会場に集まった人々は、戦争で家族との離別を経験した自らの境遇と、花売の縁に描かれた家族の再会の物語とを重ね合わせて嗚咽したという。その後も各地で繰り返し上演され、戦争で傷ついた沖縄の人々の心を慰め、生きる希望を与えた作品だ。
【開催日時】
2017年12月16日(土) 14時~
【開催場所】
国立劇場おきなわ
浦添市勢理客4-14-1
【料金】
3100円
【電話番号(問い合わせ)】
098-871-3350
詳細は国立劇場おきなわのホームページ、もしくはチケットカウンターへ