能古島 気軽に行ける博多湾のリゾート島
福岡市にある姪浜渡船場から、フェリーでたったの10分で行けるリゾートアイランド、「能古島(のこのしま)」。緑豊かな島内の各所に自然の絶景ポイントがあり、“花の名所”として知られている。福岡市街からの行きやすさと、この眺めの良さが何よりの魅力だ。
![一年を通してさまざまな花が咲く「のこのしまアイランドパーク」 一年を通してさまざまな花が咲く「のこのしまアイランドパーク」]()
周囲約12キロのひょうたん形の能古島(のこのしま)は、博多湾に浮かぶ離島。島の北部にある「のこのしまアイランドパーク」は秋のコスモスの名所として知られるが、どの時期に訪れても色鮮やかな季節の花が咲いている。また、花の他にも、ヤシの木に囲まれた白い砂浜が広がる「能古島キャンプ村」や、歴史スポットなども数多く点在しており、見どころが多い観光島だ。
取材/Photo Office K、平成28年(2016)6月
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のこのしまアイランドパーク ―― “花の名所”へ
![のこのしまアイランドパークでは、自然を大切にした景観が広がる のこのしまアイランドパークでは、自然を大切にした景観が広がる]()
能古島は、福岡市街から日帰りで行ける距離にある離島。そんな能古島を代表する観光スポットといえば、ここ「のこのしまアイランドパーク」だ。昭和44年(1969)の開園以来、福岡の花の名所として知られている。多種多様の花が植えられているため、春は菜の花、夏はひまわり、秋はコスモス、冬は水仙など、一年を通して季節ごとの花が楽しめる。
のこのしまアイランドパークには、観覧車やジェットコースターといった大きな遊具施設はない。これは創業者である故・久保田耕作さんの想いから、自然の景観を大切にした空間が守られてきたため。博多湾をバックに花畑を望む絶景などは、いわゆる遊園地では決して味わえないものだ。
園内には、レストランやバーベキューハウス、アスレチックコーナーといった自然を満喫する施設がそろう。中でもおすすめはゲートボールのようなクラブとボールを使用し、花と緑に囲まれた9コースを回る「のこのこボール」。広大な自然の空間で、時間を忘れて没頭できるゲームだ。
能古島キャンプ村海水浴場 “博多のハワイ”で夏を満喫
![プライベートビーチから博多湾越しに福岡市内を望む海水浴場 プライベートビーチから博多湾越しに福岡市内を望む海水浴場]()
海に囲まれた離島ならではの過ごし方ができる場所としては、「能古島キャンプ村・海水浴場」がおすすめだ。能古島の北端の海岸にあり、海水浴場にあるキャンプ村としては福岡県で唯一。海水浴場の砂浜には昭和42年(1967)の開園時に植えられたヤシの木が立ち並んでおり、まるでハワイのような南国のリゾート地のような雰囲気となっている。もはや福岡県とは思えない光景が広がっているが、ビーチからは博多湾越しに福岡市内が望める。
ビーチといえば、何といってもバーベキューとアウトドア。調理器具などはレンタル用品としてそろっているため、手ぶらで訪れてもバーベキューが楽しめる。また、キャンプ用品のレンタルもあるほか、キャンプ用バンガロー26棟には約300人が宿泊可能。福岡市街から所要時間にして40分ほどの場所にあるとは信じがたい環境だ。営業期間は5月~9月で、特に夏休みの週末は満員になることが多いので、予約の際は早めがおすすめ。
能古島展望台 島の中心から望む360度のパノラマ風景
![能古島のほぼ中央に建つ「能古島展望台」 能古島のほぼ中央に建つ「能古島展望台」]()
四角い形をした「能古島展望台」は、能古島のほぼ中央に建つ。島内では最も高い標高195メートルから、島内の全景と対岸の福岡市内を一望でき、海に囲まれた360度のパノラマ風景が楽しめる。展望台まではレンタサイクルなどでも行けるが、おすすめはバス。渡船場前のバス停から出ているアイランドパーク行きのバスに乗り、展望台入口のバス停で下車するのが行きやすい。
バス停から展望台までの道のりは、細くやや急なコンクリートの坂が続くが、歩いて10分ほどで展望台に到着。展望台の麓には石のテーブルとベンチが設置してあるので、眼下に広がる緑の島を眺めながら休憩が可能だ。また、登って来た展望台入口と反対方向にある「思索の森」の中を通ると、能古島を“第二の故郷”として愛した直木賞作家・壇一雄(だんかずお)の文学碑がある。こちらも展望の良い場所なので、散策しながら立ち寄るのにおすすめだ。
能古島の歴史探訪
![福岡市の文化財に指定されている「能古焼古窯跡」 福岡市の文化財に指定されている「能古焼古窯跡」]()
とにかく自然が豊かな能古島のもう一つの顔は、歴史的な遺産だ。この島では、弥生時代の遺跡や古墳群が見つかっているほか、日本最古の和歌集『万葉集』にも能古島の名が登場している。
現在、島内には、能古博物館の敷地内にある「能古焼古窯跡」をはじめ、永福寺や白鬚神社といった寺社仏閣、万葉歌碑、壇一雄さんにまつわるスポットなど、歴史に触れられる史跡や施設が点在している。中でも能古焼古窯跡は、福岡市内で唯一残されている古窯であり、有田焼などとの関連も指摘されている貴重な遺跡だ。
こういった歴史スポットで島の歴史を巡りながら、自然を味わえるコースなども設定されている。島内散策の際には、まずはフェリー乗り場のすぐ近くにある「能古島観光案内所」を訪れよう。飲食施設などのおすすめ情報も、ここで入手できる。
かいわれ大根栽培の始まった地でもある
![芽吹きピーナッツとかいわれ大根「壇菜」 芽吹きピーナッツとかいわれ大根「壇菜」]()
能古島の名産品としては、かいわれ大根の存在を忘れてはいけない。実は達人・前田さんは、農作物としてのかいわれ大根の栽培を初めて行った人物なのだ。終戦後にサツマイモを栽培していた前田さんは、重さがあるためフェリーで消費地まで運ぶのが大変なサツマイモに代わり、軽くて運搬が容易なかいわれ大根に注目。大阪から持ち帰り、自ら栽培方式を改良した。前田さんが考案した方法では、能古島の栄養がたっぷり含まれた海砂の上に種をまいて育てる。今でも当初と同じ方法で作られており、前田さんの育てたかいわれ大根は、ぴりりと辛い。
現在はかいわれ大根「壇菜(だんさい)」をはじめ、ピーナッツを発芽させたもやしのような「芽吹きピーナッツ」や、同じくコーンを発芽させた「芽吹きコーン」など、ユニークな発芽野菜が栽培・販売されている。ちなみに壇菜は、晩年を能古島で過ごした作家・檀一雄さんがほれ込んだ野菜であり、檀さんより名前をもらって名付けられたもの。前田さんの野菜は、能古島の玄関口にある「ノコニコカフェ」などで購入が可能だ。
グルメに土産、歴史スポット。能古島のおすすめ観光情報
能古島グルメが味わえるフェリー乗り場周辺のおすすめ店
四季折々の能古島グルメから、島のオリジナル雑貨まで。フェリー乗り場の周辺にあるおすすめ店を紹介。
- おすすめポイント
- 海鮮食堂「雑魚(ざっこ)」では、朝に水揚げされたばかりの新鮮な海の幸を堪能できる。フェリーまでの待ち時間をくつろげる土産喫茶店「ノコニコカフェ」や、能古島の特産品やオリジナルの“のこバーガー”が食べられる「のこの市」も。フェリー乗り場周辺には、さまざまな店が軒を連ねているので、ぜひチェックしてほしい。
能古島ならではのおすすめ土産
能古島産の甘夏やブラッドオレンジ、ニューサマーオレンジなどの特産品を使った商品から、能古島名物“能古うどん”を家庭で楽しめるものまで。
- おすすめポイント
- 能古島で採れた甘夏の果汁を使用した炭酸飲料「ノコリータ」をはじめ、能古島産の日向夏“ニューサマーオレンジ”の手絞り果汁を使用したポン酢「のこぽん」や、自宅で食べられる「能古うどん」など、どれも他の場所では味わうことのできないオリジナル商品だ。
能古島の歴史をたどれるスポット
古くは奈良時代の創建といわれる神社から、近代の文学にまつわるスポットまで。能古島のおすすめ歴史スポットを紹介。
- おすすめポイント
- 周囲約12キロの島内には、歴史ロマンに触れられるスポットが多くある。海風に吹かれ、道標を頼りに美しい自然の中をハイキングしながら、おすすめの歴史スポットを訪ねてみてほしい。
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