長崎発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
更新:2019年07月23日
ランタンフェスティバルは、長崎を代表する冬の風物詩。中国の旧正月を祝う「春節祭」が起源。長崎新地中華街を中心に、約1万5000個にも及ぶランタンや、オブジェが飾られ町を彩ります。美しい町並みや極彩色のランタンを思い出に残すため、カメラ片手にベストスポットを巡りましょう。
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ローカル案内役 藤田 秀樹(たびらい編集部)
福岡県出身。九州内の食べ歩きスポットを探し続ける編集スタッフ。カメラ片手に友人・知人を巻き込んで観光スポットにも出没。
鎖国時代にあっても中国との貿易を許されてきた長崎市内は、長崎ちゃんぽんや皿うどんなどのご当地グルメを満喫できる繁華街の長崎中華街をはじめとして、日本唯一の中国様式の本格的な霊廟とされる長崎孔子廟、唐の船主たちの航海安全を願った媽祖堂を持つ崇福寺、唐人屋敷跡、天后堂などの中国にまつわるスポットが点在する観光地。 中国や台湾の陰暦でいう春節から元宵節(げんしょうせつ)までの2週間に行われる、中国の旧正月を祝う行事「春節祭」を起源とした「長崎ランタンフェスティバル」。元々は、元宵節を祝うために長崎中華街の人が始めた「長崎ランタンフェスティバル」も、古くから中国との結びつきが強い長崎ならではの祭りで、今や長崎の冬に欠かせない人気イベントにまで成長しています。 JR長崎駅からの目安距離1.6キロ、車で約7分の新地中華街会場をはじめ、湊公園、中央公園会場、唐人屋敷会場、興福寺、鍛冶市会場、浜んまち会場、中島川公園会場、孔子廟会場など長崎市内の中心部に幾つもの会場が設けられ、約1万5000個にも及ぶ極彩色のランタンと呼ばれる中国提灯や、大型オブジェが幻想的に飾られ街を彩ります。特に、福を逆さまに吊るした「倒福ランタン」は、「福が到る」を意味しており、「福が来る」として評判です。期間中、各会場で、龍踊り、中国雑技、二胡演奏など中国色豊かなイベントも行われ、連日多くの観光客が訪れます。 メイン会場となるのは、中華街近くにある湊公園や湊公園に比べてじっくりとステージイベントを楽しめる中央公園。湊公園には、角煮まんやカレーちくわなど長崎グルメのテイクアウトが楽しめる出店がズラリと並ぶほか、さまざまなオブジェが登場。数十メートルを超えるメインオブジェは必見。会場内ではオブジェをバックに記念写真を1枚撮ってみましょう。 祭壇には供物の豚の頭のお供え物が並んでおり、迫力満点。「長崎ランタンフェスティバル」の思い出を、スタート地点から、はやくも印象深いものに飾ってくれます。 「湊公園」から中華街を抜けたところにあるのが銅座川です。長崎新地中華街入口に位置するこちらにもさまざまなオブジェや中国提灯が飾られています。中でもピンク色に夜を優しく染めるランタンは、見た目にもキュートで幻想的。川に映るランタンも写真に収めつつ、銅座川の風景を撮影してみて。歩き疲れたらそのまま中華街でひと休みをするのも◎。中華料理がお腹いっぱいに満たしてくれます。 銅座川の景色を堪能しながら長崎を象徴する観光スポット「眼鏡橋」へ。浜町アーケードを通って10分ほどゆるりと歩くのもいいですが、路面電車で「築町」電停から「賑橋(にぎわいばし)」電停まで5分ほどかけて乗っていくのもアリ。長崎ならではの路面電車からいつもと違った景色が望めます。 「眼鏡橋」会場では一風変わって黄色のランタンが飾られており、人気のランタンスポット。眼鏡橋がかかる中島川沿いを歩きながら、十二支のオブジェの中から自分の干支を探すのも楽しいですよ。 眼鏡橋付近のどこかにはハート石が隠されており、見つけることができれば恋が実るとも言われています。見つけたらランタンの思い出に1枚撮影を。ひとつではなく何個もあるそうなので、時間があればたくさん見つけてみて。 ランタンフェスティバルの長崎の町並みを巡りながら、自分だけの撮影スポットを探しましょう。異国情緒あふれる風景がきっと長崎観光の思い出を彩ってくれます。 祭り期間中には、長崎市内のホテルや周辺の駐車場は特に多くの旅行者で混み合いますので、利用する場合は予約したり、駐車場無料などのお得情報を収集したり、利用バス会社のホームページを確認したりもお忘れなく。 ランタンフェスティバルの本場である台湾でも毎年ランタンフェスティバルが行われており、2019年の台湾ランタンフェスティバルは屏東県で開催。開催期間は2月19日から3月3日までです。旅行代金が5万円以下のお得なツアーや旅行プランも多数用意されています。
ランタンフェスティバル期間中の15日間は、中国の文化を体験することのできるさまざまなイベントが用意されています。 いずれもが「幸せ」になれるような体験ばかり。ロウソク祈願御堂巡りは、唐人会場にある「土神堂」「天后堂」「観音堂」を回り、それぞれの場所でロウソクを灯してめぐるイベント。参加費は500円で真っ赤なロウソク4本と、参加賞品までつきます。 昔から中国では、正月に堂を参拝し、赤いロウソクを灯し万事安泰を祈願する行事があります。ロウソクには「家内安全」「無病息災」などの文字が刻まれ、ロウソクが御堂に並ぶ様子は、中国独特の幻想的で思わずうっとりするような美しさ。 御堂自体の建築物も見どころです。福建会館天后堂は市指定有形文化財、福建省州出身の貿易商達の経済団体が創設したもの。堂内には航海安全の神とされる天后聖母(媽祖様)が祭られています。 多くの人でにぎわう浜町アーケード内には月下老人が登場。長年愛されている浜町百貨店前に鎮座しており、独特な風貌で存在感を醸し出しています。「月下老人」は中国の縁結びの神様。唐の時代から伝わるある神話から、結婚が決まっていない男女を結びつける縁結びの神様と親しまれており、中国では仲人のことを「月下老人」、略して「月老」と呼びます。 月下老人をあやかった赤い糸のお守りが販売されていますので、良縁を求める方はぜひ購入してみて。赤い糸は2本用意され、1本は結び、心に思う大切な人をイメージしながら手を合わせるとその願いを月下老人が叶えてくれるのだとか。残ったもう1本は、お守りとして肌身離さず持ち歩きましょう。結ばれた赤い糸は、ランタンフェスティバル最終日に、全ての願いが叶うように崇福寺で祈願されます。ランタン巡りで、実りある恋や良縁に恵まれたい人はぜひ訪れてみて。 手作りランタンは、ランタンフェスティバル中でも期間限定の体験イベント。長崎中に飾られている約1万5000個ものランタン。その幻想的な雰囲気を、そのまま家に持ち帰ることができます。パーツを組み立てていけば簡単にランタンを作れるので、親子連れにおすすめの企画。参加は無料。手作りランタンの数は数量限定のため、早めに訪れましょう。
ランタンフェスティバルで出合えるイベントや長崎中華街グルメはどれも外れなしですが、その中でも特におすすめしたいものを厳選。 「皇帝パレード」とは、清朝時代、正月に皇帝と皇后が神輿(みこし)に乗って町へ出向き、民衆とともに新しい年を祝っていた様子をイメージしたパレード。旗隊(はたたい)など総勢150人が豪華な衣装を身に着け、長崎の中心街を巡り歩きます。皇帝と皇后には毎年長崎にゆかりのある有名人が選ばれることが多く、ランタン期間中最も注目のイベントです。 中国独特の唐時代の衣装で着飾った迫力のある演技を堪能できる「媽祖(まそ)行列」。江戸時代、貿易のため唐船の乗船員たちが航海安全を司る「媽祖神」を唐人屋敷の天后堂や興福寺の媽祖堂に安置する「菩薩(ぼさつ)揚げ」と、出航する時に再び媽祖神を唐船に安置する「菩薩乗せ」が期間中に行われます。 長崎の代表的な催し物でもある「龍(じゃ)踊り」もランタンフェスティバルで観賞可能。龍踊りは、中国の五穀豊穣を祈る雨ごいの神事がルーツ。唐人より日本に伝わったとされます。龍衆が約20メートルもの龍を操り、雨を降らせるため月を飲みこもうとする龍の姿は圧巻です。 また、初日の17時30分から行われる点灯式や、打楽器に合わせて極彩色の衣装を身にまとった獅子がアクロバティックに舞う「中国獅子舞」など、新地中華街会場や中央公園会場で開催されるイベント、孔子廟会場で最終日まで毎日開催される中国伝統芸能の「中国変面ショー」も見逃せません。世界的にも人気の中国ならではのショーを日本に居ながらにして見られるのも魅力。 繁華街の中華街からはずれた銅座エリアの路地裏に店を構える中華料理店「万徳」は、長崎地元民の間で評判の店、中国ならではの味を楽しむにはここがおすすめ。北京出身の店主が、あえて日本人の味覚に合わせることなく、本場さながらの料理を作っています。 名物の「麻婆炒飯」(マーボーチャーハン)は中国から仕入れた山椒(さんしょう)を使った、中華独特のしびれるような辛さ。思わずどんどん口の中へ運んでしまうような、くせになる味で地元民のリピーターも多数。 店自慢のもうひとつの料理「水餃子」も必食。手作りの厚めの皮をひと口かじればジューシーな肉汁がジュルリとあふれ出します。餃子にはオリジナルのタレも用意されているので、好みの量で調節を。 「麻婆炒飯」と合わせて食べるツウな客もいるそう。 ランタンフェスティバルの土産物には、萬順製菓の中華菓子がおすすめ。1884年創業の老舗菓子舗で、長年培われた伝統的な製法を大切にひとつひとつ手づくりされています。 中でも看板商品の「よりより」は、店主が1日に約1500個以上も作ることがあるという人気ぶり。中国では、麻の花に似ていることから「麻花(マーホア)」とも呼ばれ、萬順では、菓子の形から「よりより」と名付けました。ひとつひとつ手作りにて編むように作られた「よりより」は、硬くサクサクした食感が特徴。その硬さと、噛むほどに出てくる深い味わいが一度食べたらくせになるおいしさです。 ランタンフェスティバル期間中には、春節祭にふさわしい「ランタン月餅」など限定のお菓子も並びます。本店のほか、眼鏡橋付近にも店を構えているので長崎を巡る途中に気軽に立ち寄れますよ。 中華街グルメを堪能するのも、ランタンフェスティバルの楽しみのひとつです。
長崎ランタンフェスティバル 【住所】長崎県長崎市新地中華街、観光通りアーケード、中央公園ほか 【開催期間】 2019年2月5日(火)~2月19日(火) 2020年1月25日(土)~2月8日(土) 2021年2月12日(金)~2月26日(土) 2022年2月1日(火)~2月15日(火) 【点灯時間】17時~22時 【問い合わせ(TEL)】095-822-8888(長崎市コールセンターあじさいコール) 【公式サイト】https://www.at-nagasaki.jp/festival/lantern/
車で(レンタカー)で
高速道路終点「長崎IC」から有料道路「ながさき出島道路」を経由し、出口から右折して会場まで約1分。
電車で
JR長崎駅で下車後、路面電車「長崎駅前から1番系統「正覚寺下」行きに乗り、「築町」下車徒歩約3分。
バスで
長崎空港からリムジンバスで約35分。「長崎新地ターミナル」下車、徒歩約1分。
紹介されたところ以外のおすすめ会場は?
買い物が楽しい「浜んまち会場」があります。アーケードの天井をランタンがうめつくし、商店街が極彩色に。吉祥オブジェが多数あるので、撮影スポットにもいいですよ。
混雑を避けるには?
土日より平日のほうが人は少ないと思いますが、混雑も醍醐味のひとつ。うまく歩けないほどの盛況ぶりを肌で感じられるのも、ランタンフェスティバルならではです。
イベントを見逃さないようにするには?
長崎ランタンフェスティバル実行委員会が発行している無料のパンフレットを入手しましょう。イベント会場のマップやタイムスケジュールも記載されている優れもので、パンフレットは長崎駅や中華街で配布しています。
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