熊本発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
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達人指南
現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。
濃厚なとんこつスープと“にんにくチップ”が特徴の「熊本ラーメン」。同じとんこつといっても、福岡で特に有名な博多とも久留米とも異なる魅力がある。熊本を訪れた際には、本場の人気店の中からお気に入りの一杯を見つけよう。
九州を代表するとんこつラーメンの一つ、熊本ラーメン。とんこつラーメン“発祥の地”である久留米から伝わった文化が、熊本県北にある玉名を経て、昭和20年代後半から30年代にかけて誕生したご当地グルメだ。濃厚でまろやかなとんこつスープに、こしのあるストレートな中太麺、さらにがつんと効いたにんにくの風味……。熊本ラーメンの魅力と歴史を、熊本ラーメンの達人に教わった。取材/2016年 5月◆その他のおすすめ熊本観光情報→熊本観光のおすすめ情報8選九州ローカル案内役が厳選おすすめホテル特集
[たびらいセレクション]
(かおか やすひろ) 歌岡 泰宏さん
熊本ラーメンの特徴といえば、まず挙げられるのは“白濁したとんこつスープ”。使用する豚骨の部位は豚頭からゲンコツまでさまざまだ。麺はストレートの中太麺が主流で、しっかりとしたこしのある硬めの麺は、濃厚なとんこつスープによくからむ。トッピングは店によって異なるが、定番としてはチャーシューやキクラゲ、海苔、青ネギなどが並ぶ。熊本ラーメンを味わうときには、まずはスープをひとくち味わってほしい。同じ九州のとんこつラーメンの中で博多ラーメンや久留米ラーメンとの区別がつきにくいという人もいるが、博多や久留米のとんこつがほぼ100%であるのに対して、オーソドックスな熊本ラーメンでは鶏ガラや野菜が一緒に炊かれることが多い。これによって、福岡のとんこつラーメンよりもまろやかでクリーミーな味わいが生まれるのだ。博多から久留米、熊本と南下するに従って、麺は少しずつ太くなる。博多ラーメンの代名詞ともいえる“替玉(かえだま)”は、近年は久留米にも浸透してきているが、熊本ラーメンにはほとんどない文化だ。博多ラーメンではトッピングの紅しょうがが卓上にあることが多いが、熊本ラーメンには紅しょうがも加えない。
「にんにくチップ」と「マー油」の存在も忘れてはいけない。熊本ラーメンのにんにくは、とんこつスープのくさみを抑える目的で加えられたのが始まりといわれる。にんにくチップは、刻んだ生にんにくをきつね色になるまでじっくり炒るか揚げるかしたもので、“焦がしニンニク”と呼ぶ店もある。またマー油は、刻んだ生にんにくを揚げて香ばしさを引き出した油のことだ。「にんにくチップやマー油の香ばしさとほろ苦さが、まろやかでこくのある濃厚なとんこつスープのうま味を、より一層引き立てるんです。まさに“名脇役”といった存在ですね」と達人・歌岡さんは説明する。これらの製法は、にんにくの形状や使用する調味油の配合といった点で、それぞれの店が独自のこだわりを持つ部分だ。一般ににんにくチップは卓上に置かれていて、好みで追加できることが多い。また、にんにくチップとマー油をダブルで使うことで味にパンチを効かせたり、少数派だが生にんにくをすりおろした「おろしニンニク」を加えられる店もある。にんにくの効かせ方にも、店ごとのキャラクターが表れるのだ。
ところで近年では、熊本に“非とんこつ系”のラーメンもぞくぞくと誕生している。しょうゆや塩、みそのほか、つけ麺や辛麺、油そばなど、バリエーションは多彩だ。昔ながらのとんこつがしっかりと根付いていながらも、新しい味を受け入れる懐の広さは、熊本人の特徴かもしれない。そんな中で、老舗のラーメン店も新しい流れに刺激を受けており、両者が熊本のラーメン界全体を盛り上げていている。例えば、老舗の一つ「いっぷくラーメン」は、地鶏・天草大王を使った塩ラーメン専門店「マルイチ食堂」や、煮干しラーメンの専門店「にぼいち」といった新店を相次いで出店し、どちらも深夜まで多くの来店客でにぎわっている。「熊本県民にとって、ラーメンの選択肢が広がったのは嬉しいこと。とはいうものの、個人的には昔ながらの熊本のとんこつラーメンを食べた瞬間が、やはりほっと和みますね」と歌岡さんは笑う。
熊本ラーメンの歴史は、とんこつラーメン発祥の地である福岡の久留米に端を発するといわれている。白濁とんこつラーメンの創始とされる久留米の屋台「三九」が、現在のJR玉名駅前に屋台を出店したのは1952年。「玉名にうまい食べ物がある」と聞きつけた熊本市の青年3人が、その店を訪問した。初めて口にするラーメンの味わいに衝撃を受けた青年たちは、その後、熊本市内に次々とラーメン店をオープンしたのだ。「その3人のうちの2人は、現在、熊本を代表する老舗である『味千ラーメン』と『こむらさき』の創業者といわれています。そんな風に、福岡の久留米から熊本の玉名へ、そして玉名から熊本市内へと、白濁のとんこつラーメンは浸透していったのです」(歌岡さん)熊本ラーメンの名が全国区に知られるようになるのは、熊本を代表する老舗「桂花」が、1968年に東京へ進出してからのこと。もちろん、全国と海外で合わせて800店舗以上を出店している味千ラーメンの存在や、1994年に新横浜ラーメン博物館に出店したこむらさきなども、熊本ラーメンの知名度を高めた功労者たちといえる。観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!
熊本ラーメンを語るうえで、外すことのできない老舗店を紹介。熊本ラーメンとは何かを知るなら、まずはこの3店舗からスタートするのがおすすめ。
本場で味わうマー油の香ばしさは格別。その味も店によってさまざまなので、ぜひ食べ比べてほしい。
地元の会社が手がける商品から、人気店の監修による商品まで、熊本土産にぴったりの即席麺を紹介。どれも麺やスープにこだわった本格派で、熊本ラーメンを自宅で気軽に楽しめる。
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熊本ラーメンが運ばれた最初のひとくち
熊本ラーメンが運ばれてきた瞬間、ふわっと鼻をくすぐるにんにくの香りに、食べる前から期待感が高まる。れんげでスープをすくってひとくちすすると、まろやかなとんこつスープと一緒にマー油の香ばしさがじんわりと広がる。熊本ラーメンでしか味わえない至福のひとときだ。
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