門司港レトロの楽しみ方を徹底ガイド!
北九州市にある「門司港」の一帯は、明治から昭和にかけての歴史的な建物が残る“門司港レトロ”のエリアとして知られています。随所にレンガ造りの建物が残され、レトロとモダンの交錯した独特の雰囲気が、門司港レトロの魅力です。夜はライトアップされ、より幻想的な雰囲気に。昔懐かしい景観や潮風を感じながら、自由気ままに散策してみるのもおすすめです。今回は焼きカレーなどのご当地グルメやスイーツにも触れながら、門司港の魅力を紹介します。
![門司港から望むライトアップされた関門大橋 門司港から望むライトアップされた関門大橋]()
福岡県北九州市に位置する「門司(もじ)」は、明治から昭和初期にかけての時期に栄華を極め、本州との結節点として交通の要所となった場所。「門司港」が開港したのは明治22年(1889)で、海外との交易における“西の門戸”として日本有数の国際貿易港となり、周辺には海運会社や商社などの西洋建築物が次々と建てられた。
ここには現在でも、門司港の発祥の地である「第一船だまり」を中心に、歴史的な建築物が残されており、見どころとなっている。また、門司港レトロエリアには歴史ミュージアムや美術館などもあるほか、少し足を延ばした先の和布刈(めかり)エリアには、隣県の山口県と繋がる関門大橋や和布刈公園など、絶好のビューポイントも点在している。
そんな門司港レトロの味わい方を、門司出身の“達人”に聞いた。
取材/Photo Office K、平成28年(2016)5月
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旧門司税関 港横にあるれんが造りの姿
![夜間はライトアップされて闇に浮かび上がる「旧門司税関」 夜間はライトアップされて闇に浮かび上がる「旧門司税関」]()
門司港レトロを代表するイメージといえば、何といっても港にたたずむれんが造りの建物だ。そんな門司港レトロを象徴する建物の一つである「旧門司税関」は、港のそばの「第一船だまり」近くに立っている。
この建物が誕生したのは明治45年(1912)で、昭和2年(1927)までは税関庁舎として使用されていたが、その後は民間に売却されて倉庫などとして使用されていた。平成7年(1995)に大規模な復元工事が行われた際に、モダンとレトロが合わさった現在の建物へと生まれ変わっている。
無料で入館できる旧門司税関の見どころは、何といっても2階と3階にある展望室だ。ここからは、はね橋の向こうに広がる入り江である「第一船だまり」を眺めることができる。
かつては石炭や飼料などの荷役の際に活躍した艀(はしけ)の係留場所だった第一船だまりは、いわば“門司港発祥の場所”だ。現在でもこの場所を中心に、建築物や店が点在している。門司港散策で最初に訪れるなら、門司港レトロの雰囲気を感じられるとともに、門司港の“始まりの地”を眺められる旧門司税関がおすすめだ。
ブルーウィングもじ 日本で唯一の歩行者専用はね橋へ
![“恋人たちの聖地”でもある「ブルーウィングもじ」 “恋人たちの聖地”でもある「ブルーウィングもじ」]()
旧門司税関のすぐ近くにある橋は「ブルーウィングもじ」という名のはね橋で、24メートルの親橋と14メートルの子橋が、最大で60度の角度まで跳ね上がる。毎日10時~16時の間に6回、約20分間かけて開橋する青い橋の姿は、名前の通り広がる翼のように見える。
見どころとしては、はね橋が跳ね上がる時間帯もさることながら、ぜひ夜の景色を見てほしい。何を隠そう、この橋は“恋人の聖地”としても知られるスポット。ライトアップされた橋の上からは関門海峡と関門大橋の姿や、同じくライトアップされた旧門司税関のれんが造りの建物などが見られる。
恋人と訪れて、光と闇の幻想的な世界に浸れる場所なのだ。
昼間のぶらり立ち寄りにおすすめの「三宜楼」
![高浜虚子が俳句を詠んだ「三宜楼」3階の客間 高浜虚子が俳句を詠んだ「三宜楼」3階の客間]()
門司港レトロの昼間の散策でおすすめなのが、ここ「三宜楼(さんきろう)」。かつてここは“門司港料亭の頂点”といわれ、木造3階建ての料亭の建屋としては、九州に現存するものでも最大級の大きさを誇る。
1階には現在、関門のふぐ料理を味わえる料亭「三宜楼」が営業しているほか、当時の器類や芸妓衣装、来訪した文化人らの名刺といった資料が無料で見学できる展示室がある。料亭は日本のふぐ料理公許第1号店である割烹旅館「春帆楼」がプロデュースしており、昼は3000円~、夜は5000円~(予約制)と、ふぐ料理としては手ごろな価格で御膳料理が提供されている。
また、2階の“百畳敷”と呼ばれる巨大な大広間(未使用時)や、俳人の高浜虚子が句を詠んだ3階の客間「俳句の間」も、無料で見学が可能(3階は事前のガイド申し込みが必要)。昭和6年(1931)に現在の場所に建築された三宜楼の建物は、門司港が横浜や神戸と並ぶ貿易港として栄えていた当時、出光興産の創業者・出光佐三(いでみつさぞう)など政財界の要人たちの情報交換の場として大いににぎわった場所。往時の雰囲気を感じさせる建物と展示が、基本的には無料で見学できるため、気軽に訪れる場所としておすすめだ。
海峡プラザでショッピングやものづくり体験も
![夜空と第一船だまりに浮かび上がる「海峡プラザ」の店舗群 夜空と第一船だまりに浮かび上がる「海峡プラザ」の店舗群]()
平成11年(1999)にオープンした複合商業施設の「海峡プラザ」のコンセプトは、“忘れかけていた心のやすらぎを呼び起こす、ロマンあふれるマーケット”。ここには30店舗を超すレストランやショップが入店しており、海峡ずしや小倉焼うどん、ふぐ蒲鉾、平塚明太子といった北九州ならではのご当地グルメが購入できる。
また、オルゴール作りができる「オルゴール工房」や、オリジナルグラス作りができる「赤煉瓦ガラス館」など、ものづくり体験ができる店もある。土産物の購入はもちろん、地元の食やものづくりにも没頭できる空間だ。
歴史スポットに絶景、グルメ。門司港のおすすめ観光情報
門司港レトロの歴史に触れるスポット
古き良き時代と現代が融合した街、門司港。ここには、大正から昭和の歴史ある建物が、今でも数多く残っている。旧門司税関のほかにも、門司港を代表する建物を紹介。
- おすすめポイント
- 関門海峡をはじめとする美しい自然、歴史ある港や建物などの、古い物と新しい物の織りなすノスタルジックな街並みなどの景観が、門司港レトロ魅力の一つだといえる。さらに、随所に眺望のポイントが設けられている。
和布刈地区から望む関門海峡
日本三大急潮流の一つとされる関門海峡。約9.4ノットの潮流は1日に4 回、約6時間ごとに向きを変える。
- おすすめポイント
- 関門海峡は、西の日本海と東の瀬戸内海を二つの海を結ぶ。国内では関門海峡とだけとされる、市街地と一体化した希少なロケーションで、1日に約700隻以上の船が海峡を通る姿を間近に見られる場所だ。時間に余裕があれば、門司港レトロから少し足を延ばして寄ってみるのにおすすめだ。
焼きカレーだけじゃない。門司港レトログルメ
さまざまな食文化が混在している門司港には、新鮮な魚介類から昔懐かしい洋食まで、数多くの店が軒を連ねている。さまざまなジャンルからのおすすめを紹介する。
- おすすめポイント
- 関門海峡の速い海流にもまれて育った関門の海産物は、身が引き締まって風味が豊か。交通の要であったこの海峡では洋食などもいち早く入ってきたため、多様な食文化が混ざり合っている。門司港の歴史と文化を生み育ててきた食を味わってほしい。
◆焼きカレーにふぐ、バナナの叩き売り、ちゃんらーまで。門司港グルメの“定番”を紹介
⇒達人コラム「門司港グルメ レトロな港町で焼きカレーを」
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