熊本発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
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達人指南
現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。
有明海や菊池川など、豊かな自然に恵まれた玉名市。古くから商人の町として栄えたこの地に、玉名温泉は1300年以上前から、こんこんと湧き続けている。つるりとすべりの良い無色透明の湯は、やさしい肌触り。湯冷めしにくいと評判だ。
かつては“立願寺温泉(りゅうがんじおんせん)”と呼ばれていた玉名温泉では、阿蘇の麓を源流とする菊池川の支流・繁根木川(はねぎがわ)周辺に、十数軒の旅館やホテルが点在している。立ち寄り利用が可能な温泉宿が多く、周辺には公衆浴場や家族湯もあるため、気軽に湯めぐりを楽しめる。2011年には九州新幹線の新玉名駅が開業し、熊本県外からのアクセスがさらに便利になった。取材/熊本の編集プロダクション「ポルト」、2016年 1月九州ローカル案内役が厳選おすすめホテル特集
[たびらいセレクション]
(さかもと としゆき) 坂本 季之さん
かつて“立願寺温泉”と呼ばれていた玉名温泉の歴史は古く、約1300年前から湧き続けているといわれる。開湯の言い伝えとして知られているのは「疋野長者伝説」で、傷を負った白鷺が湯に漬かって元気に飛び立っていく姿を、疋野長者(ひきのちょうじゃ)が目にしたというものだ。約2000年の歴史を持つといわれる地元の疋野神社には、境内に湧水が湧く「長者の泉」がある。県内外から水汲み客が訪れるパワースポットとしても名高い。「玉名温泉は、近代では炭鉱の労働者でにぎわっていたようです」と達人・坂本さんは説明する。明治時代から昭和初期にかけて日本の近代化を支えた三井三池炭鉱は、熊本県荒尾市および福岡県大牟田市に坑口があった。この炭鉱から比較的近かったこともあり、当時の玉名は“三井の奥座敷”と呼ばれていたという。「近年の玉名温泉は宿泊目的の人が多い印象ですが、昔は至るところに町湯がありました。私も子どものころは、家族でよく町湯へ通っていましたね」(坂本さん)
玉名温泉の泉質は、弱アルカリ性の単純温泉だ。ラジウムの含有量が多いため、古くからリウマチや神経痛に効くとされ、玉名温泉は湯治場として知られるようになった。また、無色透明のやさしい肌触りの湯は刺激が少なく、ついついゆっくり長湯したくなる。湯から上がると肌がすべすべになったと言う人も多い。湯温が高めで湯冷めしにくく、夕方に温泉に入ると寝るまで温かさが続く。「温度が高いのも、玉名温泉の特徴だと思います。小さいころからこの熱い湯に慣れているから、よそでぬるい温泉に入ったときは風呂に入った気がしません」と坂本さんは笑顔で話す。「余談ですが、町湯の一番風呂は昔からの常連客が多く、体を洗う席がたいてい決まっているんです。初めてのお客さんが常連客に『そこはおれの場所だ』と怒られたという話も聞くくらいです(笑)」
もっと気軽に玉名温泉の湯を楽しむなら、温泉街の一角にある立願寺公園内にある「しらさぎの足湯」がおすすめだ。広々とした庭園風の足湯に漬かると、足先からじんわりと温まる。熱すぎず、ぬるすぎない、ほどよい温度で、しばらく漬かっていると全身までぽかぽかになる。足湯は22時までライトアップされるので、夜間でも利用できる。熊本県の北西部に位置する玉名市は、“豊穣の海”と呼ばれた有明海に面している。古くから熊本県北における水運の大動脈であった菊池川や、ハイキングコースとして知られる小岱山(しょうだいさん)など、豊かな自然に囲まれている。菊池川に運ばれた河川の土砂は、有明海で豊かな干潟を形成する。玉名では、その干潟で獲れる“シャク(シャコ)”やアサリ貝などの新鮮な海の幸も楽しめる。
14世紀の南北朝時代から、商人の町としてにぎわったこの地は、江戸時代には米の積出港として栄えた。その中心地であった高瀬界隈の蔵には、菊池川流域から上質な米が集まった。米は菊池川を経由して当時“天下の台所”であった大坂へと運ばれ、肥後藩の財政を支えた。1877年の西南戦争により、この蔵は焼失したが、「俵ころがし跡」と呼ばれる石畳の船着場跡が、当時の繁栄の名残を今に伝えている。玉名温泉街は、そんな高瀬界隈からほど近い場所にある。菊池川の支流で、菊池川と平行して流れる繁根木(はねぎ)川の周辺には、十数軒の旅館やホテル、公衆浴場、家族湯などが点在している。在来線が走るJR鹿児島本線玉名駅からはバスで約5分。九州自動車道菊水インターチェンジから車で約15分。2011年には九州新幹線が全線開業し、新玉名駅が設置されたことで、熊本県外から玉名温泉までの利便性は飛躍的に向上した。博多から新玉名駅までは約40分、鹿児島からは約1時間半、大阪からは約3時間半で行ける。県外から行きやすくなったことで、これからの発展が期待できる温泉地ともいえる。観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!
贅沢な源泉掛け流しの家族湯を紹介。いずれも清掃が行き届いており、清潔感があるのも大事なポイント。
和の情緒あふれる玉名の湯宿を紹介。良質な温泉はもちろん、行き届いたもてなしや工夫を凝らした料理を、存分に堪能できる。
熊本ラーメンのルーツといわれる「玉名ラーメン」から、玉名の若手料理人たちが集まり腕を振るう「玉名のキズナめし」まで。新旧の人気グルメを紹介する。
熊本空港から国道208号経由で約40キロ、車で約1時間30分。
九州新幹線新玉名駅から県道4号経由で約3キロ、車で約5分。
熊本交通センターから玉名駅行きで約50分。
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玉名ラーメン
多くのラーメン通を惹きつけてやまない玉名ラーメン。白濁した濃厚な豚骨スープに、小麦の風味を感じさせる中細ストレート麺が好相性で、香ばしい焦がしニンニクが食欲をそそる。
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