熊本発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
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達人指南
現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。
山間の自然に恵まれ、日本三大急流の一つである球磨川(くまがわ)が望める熊本の城下町・人吉。古くから熊本の南の玄関口とも呼ばれ、“九州の小京都”という異名を持つ。人吉に湧く名湯の魅力に迫る。
熊本県の最南端に位置する人吉市。高速道路を利用すれば、阿蘇くまもと空港から約1時間、鹿児島空港からは約50分。周囲を険しい山々に囲まれた盆地に佇む城下町だが、温泉地としても知られ、市内には老舗の旅館をはじめ20軒以上の温泉施設が点在する。湯上がりには城下町を散策したり、球磨川沿いの自然に癒やされたり、川魚料理に舌鼓を打ったり……。情緒あふれる時間が過ごせる場所だ。取材/熊本の編集プロダクション「ポルト」、2015年 4月九州ローカル案内役が厳選おすすめホテル特集
[たびらいセレクション]
(いせき あさこ) 井関 麻子さん
球磨川の流れに沿って人吉市街地にある熊本・人吉温泉。相良の殿様はもちろん、種田山頭火や与謝野晶子、野口雨情など、多数の文化人をも癒やしてきたという由緒ある名湯だ。はっきりとした開湯の時期は不明だが、その歴史は古く、1492年に相良家12代の当主・相良為続(ためつぐ)が湯治をしたという記録が残されている。人吉の温泉は豊富な湯量を誇り、一帯には50カ所以上の源泉があるという。湯触りは柔らかく、美肌効果が高いために古くから女性に人気があり、慢性皮膚疾患にも効果が期待できる。施設によっては飲泉も可能で、慢性胃腸疾患や肝臓病、結石などへの効能でも知られている。美肌を目的としてもいいし、健康目的の湯治にもぴったりの温泉地といえるだろう。
人吉温泉の大きな魅力の一つは、“町湯(まちゆ)”と呼ばれる共同浴場が多いことだ。球磨川沿いを中心に20軒以上の町湯が点在し、とくにJR人吉駅からの徒歩圏内に多く集まっている。地元の人々に長く親しまれてきた町湯には、昔懐かしい昭和の風情が今も残っている。レトロな外観や、昔ながらの番台、壁掛けの手書き広告、年代物のマッサージ機……いたるところに漂う昭和初期の雰囲気が、利用客をタイムスリップさせる。町湯を巡りながら、地元の常連客たちと会話を交わし合うのも楽しい。
人吉温泉の“うまかもん”の多くは、球磨川の水に由来する。上流でとれる新鮮なアユやウナギ、清冽な水で仕込む「球磨焼酎」などは、球磨川の水あってのグルメだ。1995年に地理的表示保護制度(品質の高さを認められ、産品の名称が保護される制度)の対象となった球磨焼酎も、人吉球磨地方の代表的な特産品の一つ。原料に良質の米だけを使用した本格焼酎で、伝統的な常圧蒸留製法で作られたものは力強く濃厚な一方、近年新たに導入された減圧蒸留製法で作られたものは爽やかでフルーティーな味わい。球磨焼酎と地元産の梅から作られた梅酒などのリキュールも、最近では女性を中心に人気を集めている。全国的に有名な「繊月(せんげつ)酒造」や老舗「渕田(ふちた)酒造」など、蔵見学や試飲を楽しめる焼酎蔵も多い。“のんべえ”を自認する人には、ぜひとも蔵巡りを楽しんでほしい。ところで、人吉には伝統の酒器がある。「ガラ」と呼ばれる徳利(とっくり)と、「チョク」と呼ばれる小ぶりな猪口(ちょこ)だ。良質の藻を食べて育ったアユの塩焼きをさかなに、地元ならではの酒器で本格焼酎を味わうこともできる。◇その他の観光コラムを読む⇒達人コラム「人吉・球磨のグルメ旅 自然が育んだ食文化」⇒達人コラム「球磨焼酎 人吉が育んだ“銘酒”の味わい方」
温泉とグルメだけで、人吉温泉の旅は十分に魅力的だが、人吉エリアの魅力はそれだけではない。例えば人吉球磨の地は、源平合戦に敗れた平家の落人が逃れてきた場所といわれる。落人たちが都での華やかな生活を思い返し、鄙(ひな)の暮らしを慰めるために、きじ馬や花手箱、羽子板などの美しい木工品を生み出したという言い伝えも残されている。中でも鮮やかな彩色と愛らしい形のきじ馬は、平家落人の手によって生み出されたという。これらの工芸品は、今では人吉の土産物として手に入れることができる。観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!
人吉市内には、レトロな雰囲気で地元の人に愛され続ける公衆温泉が点在する。昭和初期の面影を残す湯船を紹介する。
由緒ある湯宿が多い人吉温泉。伝統と歴史を感じさせる木造建築の客室や、意匠を凝らした大浴場を備えた老舗旅館を紹介する。
人吉市街地では、JR人吉駅を中心に温泉街や史跡が比較的集まっている。球磨川を眺めながら湯上がりの散策をするのにおすすめな場所だ。
・熊本空港から九州自動車道経由人吉IC下車90キロ、約1時間10分 ・熊本市内から九州自動車道経由人吉IC下車80キロ、約1時間10分 ・鹿児島空港から九州自動車道経由人吉IC下車65キロ、約50分
阿蘇くまもと空港(熊本空港)から連絡バスで八代駅行き新八代駅前下車(50分)、JR九州横断特急でJR人吉駅下車(1時間)
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あふれる湯に身を浸し、人吉の人情を体感
人吉温泉の最大の魅力は、豊富で良質な湯と、そこに住む人たちの人懐っこさ。人吉市内に点在する公衆温泉では、地元の年配客や家族連れ、観光客など、さまざまな人たちが入り交じって温泉を楽しんでいる。「どっから来なすったと(どこから来たの)?」「あたはむぞらしかなぁ(あなたは可愛らしいね)」などと気軽に声を掛け合う雰囲気も温かい。
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