熊本発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
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達人指南
現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。
熊本を代表する郷土菓子といえば、「いきなり団子」だ。サツマイモと小豆のあんを小麦粉の生地で包んで蒸した素朴なおやつは、昔から熊本の人々に愛されてきたもの。そのおいしさの秘密から誕生のルーツまでを、幼いころからいきなり団子を食べ続けてきた“達人”が紹介する。
熊本で生まれ育った人なら、誰もが必ず食べたことがある「いきなり団子」。もともとは家庭で作られていたおやつだったものが、今では県内の専門店や和菓子店などで購入できるようになっている。生地やあんに工夫を凝らしたいきなり団子も登場しており、昔ながらの素朴な味わいはそのままに、新たな味わい方も広がっている。取材/熊本の編集プロダクション「ポルト」、2016年 3月◆その他のおすすめ熊本観光情報→熊本グルメのおすすめ情報10選九州ローカル案内役が厳選おすすめホテル特集
[たびらいセレクション]
(やまさき さきこ) 山崎 向子さん
「いきなり団子」とは、輪切りにしたサツマイモと小豆のあんを、小麦粉を薄く伸ばした生地で包んで蒸し上げた素朴なおやつ。団子屋の軒先にある蒸し器からもうもうと蒸気が上がる様子は、熊本県民には馴染み深い光景だ。蒸し上がったいきなり団子は生地が半透明になり、中のサツマイモやあんがうっすらと透けて見える。ほんのり塩味が効いたもちもちの生地と、ほっくりとした厚切りのサツマイモと小豆あんの甘さのバランスは絶妙。シンプルながら後を引く味わいだ。近年は、熊本を代表する郷土菓子として、県外からの観光客にも知られてきている。
いきなり団子は、いつごろから熊本で食べられるようになったのだろうか? また、なぜサツマイモなのだろうか? ―― 戦後の日本では、サツマイモは穀物に混ぜて主食として食べられていたほか、おやつとしても親しまれていた食材だ。「私が小さいころは甘いお菓子などはなくて、おやつといえばサツマイモ。学校から帰ると、戸棚の中にふかしたサツマイモが当たり前のように置かれていました。そんなサツマイモをアレンジしたおやつとして、いきなり団子が生まれたのだと思います」と達人・山崎さんは言う。「当時は砂糖が高級品だったので、もちろんあんはなし。塩を効かせた生地でサツマイモを包んだだけの、本当にシンプルな団子でしたよ」時を経て、やがて小豆のあんが気軽に手に入るようになり、現在のいきなり団子へと変化していった。ちなみに、熊本県は菊池郡大津町をはじめ、全国有数のサツマイモの産地でもある。熊本でいきなり団子が誕生し、親しまれてきた背景には、サツマイモが豊富にあったことも関係しているだろう。
“いきなり”という言葉は、熊本弁では「そのまま」や「直に」、「簡単に」といった意味を持つという。「いきなり団子」という名前は、昔の家庭で祖母の家に孫が急に遊びに来た時、孫のためにおいしいものを作ってあげようと、手近にある材料で得意の団子を作ったことが名前の由来だという説もある。「いきなり団子は、急に来た客をもてなすために作っていたもの。とにかく簡単に作れるのも魅力ですね」と語る山崎さんは、自身の家庭でも、子どもたちのためにいきなり団子を作っていたという。そんな郷土のおやつを後世に伝えていきたいという思いから、山崎さんは子どもたちやその親の世代に、いきなり団子の作り方を教えている。
いきなり団子は、現在では熊本県内各地の専門店や和菓子店で販売されている。一見どの店の商品も同じように見えるのだが、よくよく注目してみると、店舗ごとに工夫を凝らした作り方をしている。例えば、生地は塩味を効かせたタイプが定番だが、少し砂糖を加えて甘めに仕上げていたり、小豆のつぶあんが主流のところを、こしあんにしていたり、白あんだったり、あんを入れずにサツマイモだけを包んでいたり……。また、サツマイモの種類にもこだわりが表れる。甘みが強いものやほっくりとした食感のものなどを、全体の味のバランスを考えながら、店ごとに異なる基準で選び使用している。産地や品種にこだわる店も多いので、食べ比べの際には注目してみよう。
さらに近年は、バラエティに富んださまざまな“新世代”のいきなり団子が登場している。生地にヨモギや黒糖、桜、ムラサキイモなどを加えたものは、見た目もカラフルで華やかになる。さらには、カレー味や阿蘇辛子高菜味などのおかずのような味に、冷やして味わうタイプや、油で揚げたものまで……。家庭の素朴なおやつとして誕生したいきなり団子は、現在もさまざまなアイディアのもとで進化を続けている。可能であれば、まずはオーソドックスなものを数軒味わったら、その後は“新世代”のいきなり団子まで手を伸ばしてみてほしい。観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!
ほくほくのサツマイモとあんのシンプルな組み合わせは、子どもからお年寄りまで親しめるやさしい味だ。まずはオーソドックスな“定番”のいきなり団子を味わってみよう。
近年、進化を遂げているいきなり団子は、今やバリエーションの豊富さも楽しめるように。生地やあんに独自の工夫を凝らした個性的ないきなり団子を紹介しよう。
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なんといっても、蒸したての味は格別
団子屋の軒先にある蒸し器から、もうもうと立ち上る湯気 ―― これは熊本では馴染みの光景。熊本を訪れたら、ぜひ蒸し器から取り出したばかりの出来たてを食べてほしい。手で持つのも困難なほどあつあつのいきなり団子を頬張れば、余計なものを加えていないやさしい甘さが口の中に広がる。どこか懐かしさを感じさせるような素朴な味を、蒸し立てで頬張ってほしい。
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