“小京都人吉”を象徴する存在

鎌倉時代から幕末まで、人吉・球磨地方をおよそ700年間統治した相良氏の居城。日本百名城の一つとしても知られる。球磨川と胸川を堀代わりにした特徴的な築城と、江戸時代末期に施された石垣上部のはね出し(武者返し)は、国内でも珍しい遺構だ。相良氏の入国時に城の南端から三日月の紋様がある奇石が出土したため、「繊月城」や「三日月城」という通り名が付いた。
近年、大手門際の多門櫓(やぐら)と角櫓、長塀などが復元された。城跡一帯は公園として整備されており、散策を楽しむ観光客でにぎわう。また、春には相良神社境内と球磨川沿いの石垣に咲く桜が見られるため、花見スポットとしても人気だ。秋には紅葉の名所となる。
敷地内にある「人吉城歴史館」では、人吉城の立体模型や相良氏ゆかりの史料などが展示されている。