熊本発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
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達人指南
現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。
阿蘇山と、くじゅう連山の間に広がる大自然の中に、ひっそりとある黒川温泉。多彩な露天風呂や情緒あふれる湯宿がひしめくこの温泉地には、全国から癒やしを求める旅人が訪れる。そんな黒川温泉の魅力に迫る。
黒川温泉は熊本県の北東部、大分県との県境近くのひっそりとした山間にある。このエリアには単純泉や硫黄泉、硫酸塩泉など、さまざまな泉質の温泉が湧く。「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン(2009年版)」では、温泉地として二つ星を獲得している名湯だ。日帰りで温泉を楽しむもよし、宿泊してゆったりと情緒を堪能するもよし。黒川温泉の魅力や入湯手形の活用法などを、黒川温泉観光旅館協同組合勤務の温泉ソムリエ・井野明美さんに聞いた。取材/熊本の編集プロダクション「ポルト」、2015年 4月◆その他のおすすめ熊本情報→熊本観光のおすすめ情報8選→黒川温泉の観光おすすめ情報10選→黒川で楽しむ宿、温泉、グルメと町歩き九州ローカル案内役が厳選おすすめホテル特集
[たびらいセレクション]
(いの あけみ) 井野 明美さん
福岡市内から車で約2時間30分、熊本市内からなら約1時間30分。黒川温泉は、九州のほぼ中心に位置する。街の中心部には筑後川の源流の一つ、清流・田の原(たのはる)川が流れ、周辺には20軒以上の湯宿が点在している。温泉地は、川沿いに旅館が軒を連ねる“温泉街エリア”と、街中から少し離れた里山にぽつりぽつりと一軒宿が並ぶ“奥黒川エリア”に分かれている。温泉街を満喫したい人や、自然の中でゆったりしたい人など、それぞれの目的に合わせて宿を選ぶといいだろう。「黒川温泉には、“黒川温泉一旅館”という構想があります。これは、黒川温泉全体を一つの宿としてとらえる考え方で、例えば道は廊下、温泉街の樹木は庭の草木と見なします。黒川温泉という一つの大きな宿の中に、いくつもお風呂があるという感じで考えてください。浴衣で温泉街を散策するのも、宿の中を歩いているようなものです。なんだか面白いでしょう?」と達人・井野さんは言う。黒川温泉では、どの旅館でも共通の雪駄と傘を使用している。これは、宿泊者に他の旅館で湯めぐりを楽しんでもらった後、帰りに困らないようにするためだ。街全体を大きな温泉宿にしようとする心遣いの一つといえる。黒川温泉の魅力としては、その風景の良さも忘れてはいけない。統一感のある落ち着いた街並みに、深緑を中心とした自然の色彩。喧噪から離れたその雰囲気も、全国から観光客が訪れる理由だ。
黒川温泉を満喫するなら、露天風呂めぐりは欠かせない。それぞれの湯宿は、立ち寄り湯と宿泊者のみが入湯可能な温泉を併せ持つところがほとんどだ。珍しい風呂として有名なのが「山の宿 新明館」の洞窟風呂。新明館の主人・後藤哲也さんが利用客に喜んでもらおうと、自らノミと鉄鎚(てっつい)で掘った全長30メートルの洞窟風呂は、薄暗く幻想的な雰囲気が魅力。他にも、「里の湯 和らく」や「旅館 奥の湯」などにも洞窟風呂がある。また、「旅館 こうの湯」には立ち湯があり、最深部で162センチの深さがある。多彩な風呂を一度に堪能したいなら「ふもと旅館」や「いこい旅館」がおすすめだ。「ふもと旅館には、宿泊者限定の貸し切り風呂が七つもあり、立ち湯や石くり抜き風呂、ひのきの泡風呂などを、宿泊者なら無料で何度でも利用することができます。いこい旅館には、貸し切りや混浴のお風呂も含め13もの湯船があるので、宿の中で湯めぐりを楽しめます。その他、含鉄泉と酸性泉という珍しい二つの泉質を持つ、江戸時代に創業した老舗の『御客屋』もおすすめです」と井野さん。これらの湯めぐりにぜひ活用してほしいのが「入湯手形」だ。値段は1300円で、旅館や旅館組合で購入でき、通常よりも安い料金で3種類の風呂を巡ることができる。入湯手形は地元で伐採された杉で作られており、持ち帰れて旅の記念にもなるため、土産物として購入する人も多い。この手形が黒川温泉に登場したのは1986年のことで、現在では3歳以上中学生未満が利用できる700円の子ども入湯手形も登場している。
黒川温泉では、泉質の豊かさも魅力の一つだ。弱酸性の単純泉をはじめ、弱アルカリ性の単純泉や、硫黄泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫酸塩泉、含鉄泉、酸性泉など、全部で七つの泉質がある。「これだけの泉質がそろうのは、全国の温泉地の中でも珍しいのではないでしょうか。入湯手形で3カ所のお風呂を巡れますから、初めて訪れた人なら当然悩むところでしょう。そこで私がおすすめするのは、泉質の効能を考え、ご自分の肌に合わせた湯めぐりです」と井野さんは言う。例えば、肌がちょっと弱い人の美人湯めぐりなら、①刺激が少なく角質を取る効果のある「単純弱アルカリ性単純泉」→②皮膚の表面を軟化させ、皮脂や分泌物を洗い流してせっけんのように皮膚を浄化する「炭酸水素塩泉」→③保湿効果が高く肌の乾燥を防ぐ「塩化物泉」という流れがおすすめ。「単純弱アルカリ性単純泉は3カ所、炭酸水素塩泉は3カ所、塩化物泉は6カ所の湯宿があるので、あとはロケーションや宿の雰囲気で選ぶといいでしょう。また、そんなに肌が弱くないという人は、①肌の蘇生効果がある硫酸塩泉→②毛細血管拡張やメラニン分解作用があって肌に浸透しやすい硫黄泉→③刺激が少なく肌に近いpHを持つ弱酸性単純泉という順に回ってみてはいかがでしょう」(井野さん)さらに詳しい泉質の分類などは、黒川温泉入り口の黒川温泉観光旅館協同組合で配布しているパンフレットが参考になる。泉質を確かめながら、自分なりの湯めぐりコースを考えてみるといい。観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!
冷え症の人などにおすすめなのが、体質改善を目的とした湯めぐり。泉質とともに、情緒ある雰囲気を楽しめる老舗を厳選。体や肌への効果に加え、落ち着いた雰囲気に浸れる一石二鳥の温泉を紹介する。
温泉街の中心部を流れる田の原川沿いに露天風呂を構える旅館群。川のせせらぎを聞きながら入れる風呂を紹介する。
黒川温泉の湯といっても、入湯手形で入れる風呂だけではない。古くから地元の人に愛されている共同湯や、少し変わった観光スポットの冷泉なども。
阿蘇くまもと空港から県道339号経由60キロ、 1時間30分九州自動車道・熊本ICから県道339号経由65キロ、 1時間40分九州自動車道・日田ICから国道212号経由45キロ、 1時間10分◇熊本駅からの移動に便利なレンタカーを予約⇒熊本駅の格安レンタカーはこちら
熊本市内~大分県別府市内を走る九州産交バス運行の九州横断バスを利用し、「黒川温泉」バス停にて下車
黒川温泉へは、バスツアーでも行くことができる。周辺の観光スポットもあわせて巡ることができるほか、移動手段も気にしなくて良い。アルコール好きの人は、お酒も気にせず楽しめるのでおすすめだ。◇たびらいバスツアー⇒【黒川温泉】行きのバスツアーを探す
たびらいの「推し宿」には、九州の宿泊予約プランが満載。九州の温泉宿を熟知した現地スタッフが、選りすぐりの情報を紹介している。また、希望の宿が満室表示されている場合には、スタッフが宿に直接交渉をしてくれるリクエストサービスも。⇒熊本の宿はこちらで検索
地蔵堂にかかる入湯手形
黒川温泉発祥の地とされる「地蔵堂」。その昔、病気の父のために瓜を盗もうと畑に入った若者の身代わりとなり、地主に首をはねられた地蔵を祭った場所である。ここにある日、温泉の湯が湧き出すようになったと言い伝えられている。本堂の脇には、今まで訪れた多くの観光客が掛けた入湯手形が並んでいる。黒川温泉を訪れたなら、最後はこの場所に入湯手形を掛けて、願い事をするのもいい。
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