北海道発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
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達人指南
現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。
ガタゴト揺られてのんびりゆったり…。札幌観光で気ままなひとときを楽しむなら、路面電車がオススメ。レトロな車体は、乗っても、眺めるだけでも風情満点。札幌市交通局に勤続35年の達人が、その魅力を紹介する。
札幌市中心部を走る路面電車は、観光客や市民に人気の乗り物だ。駅前通と南1条通の交差点付近にある停留所「西4丁目」から乗り込むと、都心のにぎやかな雰囲気から一転、自然豊かな藻岩山のふもとへ。その先に広がる昔ながらの街並みを越えると、再び華やかな「すすきの」に到着。2015年12月には、この「西4丁目」と「すすきの」間を結ぶ新しい線路がループ化工事によって誕生。新しく「狸小路」停留所がオープンし、札幌中心部をぐるり一周できるようになった。札幌市電の路線延長は約9キロ、約50分間の札幌ミニトリップが味わえる。もちろん途中下車して、沿線のスポットに立ち寄るのも楽しい。近年は雪ミク電車や映画ロケもあり、話題の車両を探すのもオススメだ。より便利になった札幌市電で、少し変わった旅情を満喫してはいかがだろう。ライター/新目 七恵 投稿/2016年 2月
[たびらいセレクション]
(ふじむら としひろ) 藤村 敏寛さん
道内では、札幌と函館でのみ運行している路面電車。札幌市が運営する路面電車(札幌市電)は、中心部と郊外をぐるっとほぼ一周する一路線だが、実は約50年前のピーク時には、駅前から東西南北に路線が延びていた。路線延長は約25キロで、現在の3倍! まさに市民の“足”として活躍した当時、幼い藤村さんもよく家族や友達と乗り、「連結部分に乗るのが面白かった」など思い出がたくさん詰まっているそうだ。車の普及や地下鉄の影響で路線は減り、唯一残ったのが現在のコースと知れば、貴重さが実感できるはず。だからなおさら、“路面電車のある風景”に愛着を持つ人も多いのだ。ところで、市電のそもそもの始まりは、明治期の馬車鉄道だという。札幌市郊外にある「北海道開拓の村」では、夏は馬車鉄道、冬は馬そり体験ができる。興味があれば、札幌市電ゆかりの場所にも足を運んではいかがだろう。
心地よいリズムに揺られて、ついウトウト…。路面電車に乗った人なら、こんな経験がきっとあるだろう。札幌市電の一番の魅力は、その速さ(遅さ?)にある。時速は約30キロだが、数分おきに停留所で停まるため、体感速度はもう少し遅いかもしれない。車窓からの眺めも大きな楽しみだ。ゆっくり流れる沿線の風景はもちろん、「四季折々に移り変わる木々や街の雰囲気もいいですよ」と藤村さん。特に「西4丁目」から「西15丁目」まで、南1条通をまっすぐ進む区間は、進行方向に大倉山ジャンプ台がそびえて圧巻の景色。また、「すすきの」付近は、日が暮れるとネオンがきらめき、繁華街のにぎやかに包まれる。ちなみに、藤村さんによると、運転手の“大敵”といえば西日のまぶしさだそう。もし夕暮れ時に札幌市電に乗ることがあったら、そっと運転手さんを応援してほしい。
中島公園や豊平川(とよひらがわ)、美術館など、数ある札幌市電・沿線スポットのなかでもオススメなのが、藻岩山(もいわやま)。2015年、日本新三大夜景のひとつに選ばれた札幌の夜景を楽しめるとあって、話題の場所だ。藻岩山へは、「西4丁目」「すすきの」どちらからでも約20分の「ロープウェイ入口」で下車。そこから歩いてすぐ、山麓駅まで行ける無料シャトルバス乗り場(15分間隔で運行)があるので、気軽に利用しよう。山麓駅へは徒歩約8分程度なので、街歩き感覚で向かうこともできる。藻岩山の標高は約531メートル。アイヌ語で「インカルシペ(いつもそこに上がって見張りをするところ)」という意味の通り、山頂からは札幌を一望できる大パノラマが広がる。2011年には関連施設がリニューアルし、ロープウェイのゴンドラも最新型に。中腹駅にはお土産ショップ、山頂駅にはレストランもあるので、時間に余裕を持って訪れたい。
電車好きはもちろん、子供連れに人気の沿線スポットといえば、停留所「電車事業所」そばにある札幌市交通局電車事業所だろう。ここは車両の格納所。その場で申し込めば、安全が確保できる範囲で見学できる。見学時間は、ラッシュの時間帯を除く、平日10時30分~15時、土日9時30分~15時。入口そばの事務所で申し込めば、藤村さんら職員が案内してくれる。札幌発祥の徐雪用車両「ササラ電車」をはじめ、その時に停まっている車両を見学可能だ。車両の多くは50年以上のレトロな型だが、2013年には新型低床車両「ポラリス」が登場した。新旧多彩な仕様や歴史を知れば、札幌市電への親しみも増すことだろう。藤村さんのオススメポイントは、意外にも事務所入口。レゴブロックで作った「ポラリス」があるのだ。これは、市民から寄贈を受けたもので、「細部まで丁寧に再現しているのでじっくり見てみて」と話している。
札幌市電に関する最新のビッグニュースが、ループ化だ。これは、これまで起・終点の停留所だった「西4丁目」から「すすきの」まで、約400メートルの区間をつなぐもの。2015年12月20日に完成した。それぞれの停留所は単線から複線に。基本的に双方向で環状運転となる。「東京の山手線のようにグルグル回ることになるので、乗り過ごしの不安も減りましたね」と藤村さん。さらに、新たに「狸小路」停留所が設置されたので、札幌観光のちょっとした移動にも気軽に活用しやすくなった。気になる車両の位置情報は、各停留所のモニターで表示している。また、札幌市交通局のホームページ内「札幌市電Navi」では、位置情報や車両の種類を5秒ごとに更新して知らせているので、チェックしてみよう。観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!
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街中を走る様子が「絵」になるのも、路面電車の魅力。眺めて、撮って楽しめるオススメのスポットをご紹介。
車でも行けるが、駐車場はないのでご注意を。オススメはもちろん、札幌市電を利用すること。停留所「西4丁目」「すすきの」どちらからでも約20分程度の場所にあるので、ちょっとした散策気分を楽しみながら向かおう。
【住所】北海道札幌市中央区南21条西16丁目2-20 電車事業所【問い合わせ(電話番号)】011-551-3944【問い合わせ受付時間】8時45分~17時15分【定休日】なし【駐車場】なし
札幌市電停留所「電車事業所前」から徒歩3分
札幌市電の路線に沿って「福住桑園通」を南へ。停留所「電車事業所前」の先にある信号を右へ。※電車事業所内に駐車場はなし
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沿線で、あなただけのお気に入りの場所を見つけて
春ならサクラ、夏にはお祭り、秋には紅葉、冬には雪景色…。四季折々の風景と“競演”する札幌市電を目にすると、思わずカメラを向けたくなるだろう。市民団体「市電の会」会員で、撮影歴15年の野村耕一さんによると、花と一緒に撮る場合、「近いもの(花)と遠いもの(電車)の両方を写すため、絞りで被写体深度を深く、どちらにもピントが合うようにすること。電車がぶれないシャッター速度が必要」だそう。また、「自動車が走るため、基本的に安全な場所で、タイミングを“待つ”ことも大切ですね」という。移り変わる札幌の街並みで、変わらず走り続ける市電の風景を心に刻んでほしい。
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