北海道発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
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達人指南
現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。
北海道新幹線の開業とともに、大リニューアルオープンする木古内駅は、ローカル線「道南いさりび鉄道」の、また松前・江差といった道南西部の観光地への起点となる注目のスポットだ。 真新しい道の駅や歴史ある和菓子店など、駅周辺は魅力がいっぱい。ただ、通り過ぎるのはもったいない。北海道最南端の駅・木古内駅周辺の魅力を探ってみよう。
江差線の終着駅として1930年に開業した木古内駅(きこないえき)は、現在、北海道最南端に位置する駅。この駅はこれまで「えさし」「松前」「白鳥」といった名だたる急行・特急列車の停車駅としても機能してきた。木古内駅は、2016年大きな転機を迎えた。北海道新幹線が道内ではじめに停車する、新たな“北海道の玄関口”となったのだ。北海道新幹線の開業に伴い、駅舎やその周辺も様変わり。これまで多くの人に親しまれてきたJR江差線の木古内駅~五稜郭駅区間は「道南いさりび鉄道」としてスタートを切ることとなった。また、駅の眼前には道の駅「みそぎの郷きこない」がオープンし、新たな観光スポットとしても注目を集めている。函館へ向かうローカル線の旅の起点として、松前・江差方面への観光起点として脚光を浴びている木古内駅。この駅をはじめとする木古内中心部エリアの魅力をひも解いてみよう。文・構成/たびらい編集部 投稿/2016年 3月北海道ローカル案内役が厳選おすすめホテル特集
[たびらいセレクション]
(ふじや てるあき) 藤谷 晃章さん
北斗市の「新函館北斗駅」とともに北海道の新たな玄関口となる「木古内駅」(きこないえき)は、道南観光の新しいキースポット。この木古内駅には東京を発つ6本の新幹線(下り)が、また新青森発・盛岡発の新幹線(下り)1本ずつが停車する。本州~木古内駅の間を往復する北海道新幹線の本数は16本(8往復)だ。また、これまでJR北海道が管轄していた木古内駅~五稜郭駅(約38キロ・計12駅)の区間は「道南いさりび鉄道」が運行を引き継ぎ、北海道新幹線とともに開業した。現在、JR北海道管轄の函館駅・五稜郭駅と木古内を往復する形で運行しており、函館までの所要時間は約1時間ほど。木古内から五稜郭駅までの片道運賃は960円(大人)、JR函館駅までは1110円(大人)となっている。この「道南いさりび鉄道」に注目。この路線では、JR北海道時代のワンマン仕様ディーゼル車両(キハ40形9両)が使われるのだが、そのうちの2両は地域情報発信列車として運行が始まる。その名は「ながまれ号」。「ながまれ」とは、「ゆっくりして」「のんびりして」という意味合いをもつ道南地方の方言。内装には、食事を楽しめる道南杉材のテーブルや、ヘッドレストも設置されており、津軽海峡沿線をまさに“のんびり”と旅するための特別仕様だ。また、オフホワイトのメインカラーに黄緑色のラインが特徴的な江差線の車両とは、外装もひと味異なる。濃いブルーの車体に函館山のシルエットや漁火(いさりび/イカ漁に使われる船の明かりであり、道南の夏の風物詩)をあしらったデザイン。「ながまれ号」は、旅行会社の日本旅行が5~8月に実施するツアーの団体専用列車で使われている。それ以外の時期は通常の普通列車として運行(車内テーブルをはずした状態で運行)。外装も独特で、乗るのが非常に楽しみなローカル列車だ。
函館へのアクセスを重視するなら、木古内駅で下車せず新函館北斗駅から「はこだてライナー」を使うのが便利。実は、木古内駅への新幹線到着時間と「道南いさりび鉄道」の接続時間には少しラグがある。例えば10時45分に木古内に到着しても(東京発6時32分の「はやぶさ13号」を利用した場合)、木古内駅を接続列車が発つのは12時33分。およそ2時間弱のラグがあるわけだ(接続時間は便によって異なる。詳細は新幹線の時刻表と「道南いさりび鉄道」の時刻表を参照)。でも、「道南いさりび鉄道」を使った列車旅を行いたいという“ゆったり派”の人もいるはず。そんな人にぜひ立ち寄ってほしいのが、駅南口に隣接する新しい道の駅「みそぎの郷きこない」だ。ここには観光コンシェルジュが常駐し、木古内町をはじめ道南9町の広域観光情報を案内してくれる。また、山形県の名店「アル・ケッチャーノ」の奥田政行シェフが監修したイタリアンレストラン「どうなんデス」が入り、ここは連日人が並ぶ注目のグルメスポット。列車の接続時間に本格イタリアンランチ。そんな乙な楽しみ方もできるのだ。本格グルメはもちろん、軽食も充実しており、手づくりの「はこだて和牛コロッケ」や「男爵いもカレーパン」も楽しめる。こちらは250円(税込)とリーズナブルな価格設定で人気だ。
秋に和洋菓子店が20店舗以上集まって「はこだてスイーツフェスタ」が開催されるなど、近年、函館・道南地方ではスイーツに注目が集まっている。木古内町からも、このイベントに出品している“和風スイーツ”のブランドがあり、しかも、その本店は新駅の直近。列車の待ち時間に訪ねることも可能なので、ぜひ一度足を向けてみよう。素朴な味わいのしょうゆ味のクルミ入りゆべし「木古内の坊 孝行餅」を販売する「末廣庵」は南口から徒歩4分の場所にある老舗和菓子店。また、木箱入りの高級感あふれるアイテム「函館塩かすてら」「二十間坂ばうむ」が人気の「スイーツギャラリー北じま」も同じく駅から徒歩5分と好アクセス。道の駅でのグルメ・土産探しとともに駅近隣でスイーツの旅も楽しめる。
木古内駅から「道南いさりび鉄道」を使った途中下車の旅をする場合、おすすめのスポットがふたつある。まず、ひとつが「サラキ岬」。ここは幕末期に江戸幕府が所有していた軍艦「咸臨丸」が沈没した場所とされており、現在はそのモニュメントが建造されている。また、同時に5月には数万球のチューリップが咲く春の“花見”スポットだ。最寄は「泉沢駅」であり、約1.6キロ、20分ほどの道のりだ。もうひとつのおすすめスポット・北斗市の「トラピスト修道院」は、「渡島当別駅」から約2.2キロ、30分ほどの散歩で到着する。この修道院は男子修道院であり、内部見学は男性のみ・予約制だが、資料館や入口の売店は自由に立ち入ることができる。売店で販売する修道院の名物「トラピストバター」を使ったコクのあるソフトクリームはとても人気で、これを目的に訪れる人もいるほど。また、木古内は松前町・江差町といった道南西部の観光地への起点となる。北海道唯一の城下町であり、桜の名所としても有名な松前町へは約1時間、55キロの道のり。江差町へは道道5号線(江差木古内線)を経由して約45キロ、約1時間30分ほどだ。新駅に隣接する道の駅「みそぎの郷きこない」には、現在2社のレンタカー会社が入っており、新幹線到着後すぐに借りてドライブを楽しむこともできる。道南西部の観光地へは、函館起点よりも木古内発の方が1時間ほど時間を短縮できるため、春の「松前さくらまつり」に直行する人などには、木古内からの湾岸ドライブをおすすめしたい。観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!
「道南いさりび鉄道」の接続列車の待ち時間に、途中下車の旅にぴったりのスポットを紹介!
木古内の名物グルメと話題のスイーツとは? ランチに、旅の休憩や土産にぜひ活用して。
木古内駅へは新幹線・「道南いさりび鉄道」・クルマの3つの交通手段を選ぶことができる。津軽海峡に面した海岸線沿いの眺めと途中下車の旅を楽しめる「道南いさりび鉄道」を使うと、函館から約1時間。車の場合も同様に函館市街から約1時間。こちらも海岸線沿いの景観の良いドライブコースだ。
JR函館駅から約1時間。松前国道・国道228号線を経由し約39キロ。
【平成28年3月21日まで/特急】JR函館駅から特急「スーパー白鳥」を利用し、木古内駅まで約44分。【平成28年3月26日から/北海道新幹線】新函館北斗駅から新幹線を利用し、約13分※函館駅~新函館北斗駅間はアクセス列車「はこだてライナー」を利用。最短15分【平成28年3月26日から/道南いさりび鉄道】JR函館駅から(相互利用)「道南いさりび鉄道」を利用し、木古内駅まで約1時間。
レンタカーで北海道観光スポット巡り!北海道のグルメや体験メニューやホテル、おすすめのドライブコースをご案内します。⇒ドライブコースを見る
道の駅で“キーコ”がお出迎え
木古内は和牛の名産地でもある。かつて、「きこない」の名が北海道民にも知られていない時代、この和牛たちは「はこだて和牛」として売り出されたのだが、れっきとした木古内の牛だ。赤毛でやわらかな肉質の木古内の和牛をモデルにした“木古内新幹線観光駅長”が「キーコ」。今、各種イベントで大忙しの日々を送る“ゆるキャラ”である。新しい道の駅「みそぎ郷 きこない」ではキーコが旅人を出迎えてくれる。
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