- 天然とは思えないコバルトブルー
「海地獄」
- 今から1300年ほど前、鶴見岳の爆発により出来た広大な池。別府地獄の中でも最大の広さを誇り、天然とは思えないほどの鮮やかで美しいコバルトブルーの色合いが見どころです。温泉中の成分である硫酸鉄が溶解しているため、青く見えるのだそう。温度は摂氏98度と、ゆで卵が作れるほどの熱さです。
編集部のひとこと
海地獄の園内では、温泉熱を利用してアマゾン地方原産のオオオニバスや熱帯性睡蓮を栽培。開花期は5月上旬~11月下旬で、朝方が見ごろです。また、別府の地獄のうち「山地獄」を除いて五つ以上を回る場合には共通観覧券がお得。「血の池地獄」と「龍巻地獄」は少し離れていますが、その他の五つは比較的まとまった地域にあるので一緒に巡るのがおすすめです。
- ユーモラスな“坊主頭”の景色
「鬼石坊主地獄」
- 灰色の熱泥がぽこぽこと沸騰する様子が、つるつるの坊主頭に似ていることから、「鬼石坊主地獄(おにいしぼうずじごく)」の名が付きました。また、敷地内にある休憩所「こびり」では、「地獄蒸し焼きプリン」(300円)や「冠地どりまん」(300円)などの軽食を味わえるほか、足湯や内湯、家族湯などの温泉施設もあります。
編集部のひとこと
施設奥にある温泉「鬼石の湯」には、内湯や露天、展望風呂のほか家族風呂もあります。タオル販売もしているので、手ぶらで来ても入浴が可能です。
- 温泉地にある動物たちのオアシス
「山地獄」
- 岩でごつごつとした山肌から絶えず噴き出す蒸気は、まるで火山が噴火している様子を思わせます。泉温90度の温泉熱を利用して、園内ではカピバラやヤギなどの動物たちが飼育されているほか、世界各国の植物なども見学できます。
編集部のひとこと
動物の餌やり体験などもできるので、家族連れやカップルなどにおすすめのスポット。また、この山地獄だけは別府地獄組合に加入していないため、共通観覧券が利用できないので注意しましょう。
- 盛りだくさんの六つのエリアと三つの足湯
「かまど地獄」
- 90度の温泉が噴気とともに湧出する「かまど地獄」は、氏神・竃門八幡宮の大祭で、地獄の噴気によって御供飯を炊いていたことが名前の由来。1~6丁目までの各エリアに見どころがあり、1カ所の中でさまざまな地獄を楽しめます。また、飲む温泉や手・足・のど・肌の蒸し湯、3種類の足湯もあります。
編集部のひとこと
売店で購入できる「地獄蒸し醤油プリン」は、かまど地獄のオリジナル商品。その他にも地獄ピータンや温泉まんじゅう、懐かしのサイダーなど、特に温泉グルメが豊富なのが山地獄の特徴です。
- 最も“地獄らしい地獄”へ
「鬼山地獄」
- 地下187メートルから自然に噴き出している沸騰泉で、99.1度と高温の「鬼山地獄」。湧出量は1時間に8トン、1日で200トン近くにもなります。別名“ワニ地獄”とも呼ばれ、1923年に、日本で初めて温泉熱を利用したワニの飼育を開始。現在はクロコダイルやアリゲーターなど、世界のワニ約80頭が飼育されています。また、園内の売店「小野商店」では、地獄蒸しの卵やふかし芋が販売されており、夏はかき氷、冬は甘酒なども楽しめます。
編集部のひとこと
鬼山地獄でも最大の見どころは、飼育員による餌やり。普段は寝転がっているワニたちが、互いの上に乗り、今にも柵から出てきそうな勢いになります。鶏一羽に丸々食らいつき、一口で飲み込んでしまいます。餌やりの時間に合わせて来園するのがおすすめです。
- 風情を味わう和風庭園
「白池地獄」
- 和風庭園の中に、青みがかった白色の池がある「白池地獄」。噴出時には透明な湯は、温度と圧力の低下により青白く変化しています。風情のある庭園の中にあり、眺めていると心が落ち着くような風景が広がります。また、敷地内には温泉熱を利用した熱帯魚館もあり、アマゾンに生息する熱帯魚なども見ることができます。
編集部のひとこと
ここの魅力は、何といっても日本庭園の落ち着いた雰囲気。ゆったりと庭園散策を楽しむつもりで訪れるのがおすすめです。
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- 1300年以上ある“赤い熱泥の池”
「血の池地獄」
- 1300年以上前から存在し、日本で最も古い天然の“地獄”といわれる「血の池地獄(ちのいけじごく)」は、ひと言で表現するなら“赤い熱泥の池”。奈良時代に編纂された『豊後国風土記』には、「赤湯泉」の名で登場しています。広さは1300平方メートル、深さは30メートル以上、温度は摂氏78度で、酸化鉄や酸化マグネシウムを含んだ赤い熱泥が噴き出しています。
編集部のひとこと
入場者は無料で入れる掛け流しの足湯「血の池足湯」がおすすめ。足湯の湯は、血の池の源泉からそのままひかれています。
- 熱湯が定期的に噴き出す“間欠泉”
「龍巻地獄」
- 間欠泉の「龍巻地獄」では、一定の時間をおいて周期的に熱湯が噴出。地獄から噴き出す105度の熱水は、さえぎる屋根や石垣がなければ50メートルほども飛び出すエネルギーがあります。噴出する間隔は30分~40分ほどで、1回の噴出は5分ほど。売店には別府や国東地方の商品がそろっており、龍巻農園で収穫された果物の生搾りジュースや、ミルクなどに大分産の素材を使用したジェラートなども味わえます。
編集部のひとこと
すぐ近くには血の池地獄があるので、あわせて訪れるのがおすすめ。ただし龍巻地獄のほうは噴出のタイミングがあるため、最初に待ち時間を確認しましょう。
- 明礬採取の歴史あるエリア、地獄の遊歩道に
「明礬地獄」
- 明礬地獄を管理する岡本屋の祖が明治時代に受け継ぎ、連綿と湯の花も採取。もともとは、江戸時代から明礬を採取し始めたという歴史あるエリア。遊歩道は興味深い見学コースになっています。噴気が上がる高温の地面や、硫黄成分で黄色くなった岩の表面を間近に見ることができますよ。※別府地獄組合の共通観覧券は使用できません。
編集部のひとこと
地獄蒸しプリンで有名な岡本屋の道を挟んですぐの明礬地獄。入場料は200円と安く、黄色くなった地面や岩の表面に注目してみて。遊歩道の最終地点は、遥か別府湾まで見渡せる絶景スポット。アーチ型の橋「別府明礬橋」で記念の一枚を。
- 天然記念物に指定されている
「坊主地獄」
- 特異な伝説と美しい景勝で天然記念物に指定。約480年前に大地震が起こり、当時この地にあった延内寺の床下から泥火山が爆発して、寺と住職の円内坊が一瞬のうちに地の底に姿を消したという歴史があります。グレーの泥が丸いカタチをして湧き上がる様子が、まるで坊主頭のようだったこが名前の由来。ボコンボコンとできる丸い泥坊主がいたるところで上がっています。
編集部のひとこと
泥地獄のほかにも、岩の間から激しく白い噴気を吹きだす「蒸気井」も迫力満点。岩の上に置かれた賽銭の硬貨が青黒く溶けているのを見ると、地獄の力を実感します。入口近くのトイレはピラミッド型で、ご利益スポットになっています。