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達人指南
現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。
「登別温泉」は、江戸時代から市民に愛され続けている北海道の屈指の温泉地。温泉入浴を楽しむ以外にも、地面から水蒸気や火山ガスが噴出する「地獄谷」など、観光スポットも多数ある。そんな登別温泉の楽しみ方を紹介。
江戸時代から存在が知られていた登別温泉。明治時代に温泉宿が設けられてからは、北海道を代表する保養地・観光地の一つとなった。登別という地名は、アイヌ語で(水色の濃い川)を意味する「ヌプル・ペツ」という言葉から。温泉の成分が流れ込んだ、水色の川を表現した地名である。登別温泉街の北東に位置する地獄谷は、1万年近く前にあった笠山が爆発してできた爆裂火口跡。噴気孔や湧出孔があり、多種類の温泉が毎分3000リットルも湧出し、登別温泉の約4分の3の源泉地である。地獄谷に一歩足を踏み入れると、もうもうと立ち上がる熱湯や水蒸気そして火山ガスが噴出し、あたり一帯には硫黄の臭いが漂う。地獄谷は平成16年(2004)北海道遺産に選定された場所でもある。北海道ローカル案内役が厳選おすすめホテル特集
[たびらいセレクション]
(こまつ けいこ) 小松 慶子さん
2013年に開湯155年を迎えた「登別温泉」は、江戸時代に滝本金蔵という人によって切り開かれた温泉地だ。あるとき滝本金蔵は皮膚病に苦しむ妻を連れて、登別温泉に湯治に訪れた。そこで滝本金蔵は、妻の病を快癒した登別温泉の効能に驚いた。そして、当時殆ど開発されず道路も無かった登別温泉を実費で開発。現在では、北海道を代表する名湯として知られるようになったのだ。有名な温泉地となった今でも大半の宿が源泉掛け流しで、湯の良さを守り続けている。 登別温泉の主力源泉は一号乙泉(硫黄泉)で、地獄谷から引いている。しかし地獄谷には他にも多種多様な湯が沸き、そのすべてを列挙するより、ない泉質を挙げる方が早いほど。単純泉と炭酸泉、そして放射能泉以外のほとんどの湯が揃っている。宿によっては、複数の湯に浸かることができるようになっている。特に、滝本金蔵が開祖の第一滝本館では、大浴場だけで七種類の源泉が揃う。一箇所の浴場にこれだけの多種多様な源泉の湯が揃うのは、日本でもここだけである。
大湯沼は地獄谷の北に位置し、湖底から熱泉が湧き出し沼の深い所では湯温130度の硫黄泉が激しく噴出している。表面でも約40~50度、灰黒色をした熱湯の沼は立ち昇る湯気で全貌を見る事は難しいが、大湯沼は、周囲1キロメートル、深さ22メートルのひょうたん型をしている。日和山の爆裂火口跡に湯がたまったもので、沼の背後にある日和山の山頂からは現在も湯気が上がる。これほど大規模な湯の沼は世界的にも類がなく、学術的にも貴重とされている。 大湯沼周辺には大正時代の小爆発で生じた「大正地獄」や大湯沼と同じ日和山の爆裂火口跡の一部である「奥の湯」などの小さな湯沼が存在。大正地獄は約10日間の周期で湯の量を増減させている間欠泉で、湯量が減少するときは地鳴りとともに温泉の色が七色に変化する。流れ出した湯は、大湯沼からの湯と合流し湯の川をつくっている。
大正地獄すぐ近くに、大湯沼から溢れ出る湯の流れを利用した、大湯沼川天然足湯がある。丸太で作られたデッキに座って足を浸すことができる。まさに源泉かけ流し足湯である大湯沼川は、酸性度の高い湯が流れている川で、途中で大正地獄から流れ出たお湯と合流する。川沿いにある登別原始林は天然記念物に指定された植物の宝庫だ。新緑や紅葉を楽しむことができ、川床には酸性湯に生える緑の苔が木もれ日に映えて、コバルトブルーを帯びた美しい水色の川が趣き深い景観を形成している。周囲は熱気に満ち深い硫黄の匂いも立ち込め、眼下に広がる風景の美しさに感動を覚える観光客も多い。 少し熱めの温泉は身体の芯までぐっと効き、場所によって温度が変わる。足湯を楽しむなら、好みの場所を探して足を浸けるのがおすすめだ。川底には天然の石が広がり、座ったまま足を動かすと足つぼの刺激にも。自然から与えられたマッサージも楽しめる。
地獄谷の入り口から鉄泉池へと続く木製の遊歩道。日が落ちた後は、遊歩道がライトでほのかに灯される「鬼火の路」があらわれる。地の底からもうもうと立ち上る白煙と山肌をかすかに照らす先には、幻想的な地獄谷の爆裂火口跡が。揺らめく灯りで照らされる景色は、都会の喧騒を忘れさせてくれる。浴衣を身にまとい、下駄をはいてカラコロと音を鳴らしながら歩く人も多いそうだ。観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!
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自動車、バス、JRで行くことができる。春~秋は、自動車でドライブを楽しみながら行くのがおすすめ。ただし冬場は路面が凍結した山道をス通ることになるため公共の交通機関を使うのがおすすめだ。
道央自動車道・登別東ICから約10分でたどり着く。JR登別駅から向かう場合は車で約15分。
・JR登別駅前からJR登別前 バス停留所(N1)より「登別温泉行き」に乗車し終点まで。約15分。 ・新千歳空港から登別温泉まで直行する高速エアポート号に乗車。約1時間。
・札幌からJR札幌駅から特急に乗車。約1時間20分 ・苫小牧からJR苫小牧駅から特急に乗車。約30分 ・新千歳空港からJR新千歳空港駅から特急に乗車。約50分
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「ヌプル・ペツ」水色の濃い川
地名語源は、アイヌ語の「ヌプル・ペツ」(水色の濃い川)。温泉の成分が川に流れ込んだ様を表現した地名である。古くから川の色が変わるほど、豊富に温泉が湧き出していた様子が伝わってくる。また、温泉街を流れる川もアイヌ語で、「クスリサンペツ」(薬湯そこを通って浜にでる川の意味)。アイヌ語でクスリとは温泉のこと。アイヌの人々も大昔から温泉を薬湯として重宝したと言われている。 自然湧出量1日1万トン、源泉温度45度~90度の高温。そして9種類もの豊かな源泉が魅力で、世界的にも珍しく『温泉のデパート』と呼ばれるほど。有名な温泉地となった今でも大半の宿が源泉掛け流しで、湯の良さを守り続けている理想的な温泉地である。
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