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達人指南
現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。
札幌市の郊外にある豊平峡温泉は、自然に囲まれたロケーションと泉質のよさが好評の日帰り温泉施設。併設する食堂のインドカリーも、街中の専門店のような本格的な味わいが人気。その魅力について探ります。
札幌市南区の郊外、定山渓温泉街のさらに奥にある日帰り入浴施設「豊平峡温泉」。大自然の中に広がる巨大な露天風呂は開放的で、ゆったりリラックスできるのが魅力です。お湯は源泉100%かけ流し、お肌がツルツルすべすべになる美肌の湯として知られています。ここの施設の特徴は、温泉のよさとともにインドカリーが有名なこと。併設している食堂で提供しているインドカリーは、現地から来日しているスタッフが作る本格的な味です。度々テレビや雑誌などでも取り上げられるほどで、中には温泉目当てではなくカリー目当てでやって来るという人もいるほど。そんな豊平峡温泉の魅力と楽しみ方を、達人が紹介します。ライター/川島信広 投稿日/2015年 7月
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豊平峡温泉のお湯は源泉100%、加水加温なしでそのままです。もちろん循環もしていません。温泉のお湯は生き物であり、お湯が空気に触れるとどんどん劣化していきます。ここの湯量が豊富だからこそできるのですが、新鮮なお湯を楽しめるようにと、札幌市内の温泉では唯一貯湯タンクを使っていません。地中から汲み上げた源泉を直接各浴槽に注いでいます。泉質は、ナトリウムカルシウム炭酸水素塩・塩化物泉(重曹泉)。これはわかりやすく言うと、お肌の角質や皮脂を溶かして洗い流すような成分と、お肌を保湿するようにパックするような成分が混ざっています。そのため、湯上がりはポカポカ感が長持ちしますし、何よりお肌がツルツルすべすべ。特に女性の方が、入浴後に肌の感覚が変わったと喜ばれているようです。豊平峡温泉の湯が「美肌の湯」と言われるゆえんですね。お湯は緑がかった茶色で湯の華が浮かんでおり、浴槽の淵や床などは石灰華が鍾乳洞のように固まっているのも特徴的です。
豊平峡温泉には、大自然に囲まれた開放感ある露天風呂が3つあり、ゆったりくつろげる仕掛けを計算して作られています。そのどれもが木々に囲まれた岩風呂で、湯船の脇にある水車や木彫りのフクロウが自然景観のよいアクセントになっています。また、お風呂に浸かりながら、春は桜、夏は緑の木々、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季折々のうつろいを楽しめるのも魅力。さらに、夜はまわりの木々がライトアップされるので、落ち着いた雰囲気と幻想的な空間を楽しむことができますよ。露天風呂の中には東屋があり、その下には石のテーブルや岩の椅子もあります。また、片隅にはゆったり腰かけられる岩間や、寝湯を楽しめるスポットも隠れています。どこにあるか、岩風呂を開拓する気分でぜひ探してみてください。露天風呂のほかに、もちろん内湯もあります。木製の湯船があり、岩風呂とは違った風情を楽しめるはず。露天風呂の湯温は38~39℃、内湯は41℃前後。比較的ぬるめなので、のぼせずゆったり浸かれるのも魅力です。
豊平峡温泉の源泉温度は約51度。源泉のお湯をそのまま湯船に流しているのですが、そのままでは夏と冬で湯船の温度差が出てしまいます。そこで、温泉職人が湯量を調整しながら湯船の温度を一定に保っています。具体的には、約1時間に1回湯船の温度を測り、温度が低めなら湯量を増やし、熱めなら湯量を絞るという手法。しかし、湯量を調節する機械などは一切ないため、湯が流れるパイプの開け閉めはすべて手作業です。パイプを流れるお湯の音を聞きながらパイプの開き具合を調整し、湯船の温度を正確に保つ。これはまさに職人技なのです。厳冬期は湯量を増やして湯温を保っています。逆に夏は湯量を絞りぎみにしますが、そのままでは湯船の温度が高めになってしまうという問題が。そこで、一部のお湯を露天風呂の脇にある水車の上へお湯を注ぎ、水車を回して空気に触れることで湯温を下げ、湯船に注いでいます。露天風呂の水車が回っている様子は、夏を中心に気温が高い日だけ楽しめる“風物詩”的な風景です。
この温泉の名物は、併設する食堂「onsen食堂」で提供するインドカリー。最近は温泉以上にカリーのほうが有名かもしれません。札幌市街地から車で1時間近くかかる山の中でなぜインドカリー?という質問を受けます。実は昔、この温泉の社長が札幌市街地のすすきのでインドカリー専門店を経営していました。お店を閉じる時、雇っていた現地スタッフを解雇するのは忍びないと、器材とともにスタッフを温泉に招き、onsen食堂を始めたというのがきっかけです。スタッフは全員ネパール出身。現地の北インド料理の調理方法や味わいを日本向けにアレンジして提供しています。大量の玉ねぎやトマトを煮込み、数十種類のスパイスを組み合わせて作る本格的なルーに、特製のナンをつけて食べます。ナンはタンドール窯という特注のセラミック製の窯で、オーダーが入るごとに高温でサッと焼くので、外はパリッと、中はふんわり。これも好評で、ナンだけで食べても美味しいくらいです。観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!
名物のインドカリー、玉ねぎベース、トマトベース、ミックスベースで、それぞれ数多くの種類がある。もちろん、どれも特製ナン付き。この中で人気のカリーを3つ紹介しよう。
インドカリーとともに、秘かに人気な食事が、十割そばとジンギスカン。こちらも本格的な味わいが人気で、通の人はカリー目当てではなく、そば目当てという人も。カリー以外の人気グルメを紹介。
温泉周辺には自然を楽しめるスポットがたくさん。その中で代表的なスポットを3か所紹介。
札幌市街から国道230号線で中山峠方面へ走り約50~60分、約35キロメートル。国道230号線で定山渓温泉街を過ぎると左手道路沿にトイレ付きパーキングエリアがあり、そのすぐ先の信号を左折(案内板あり)、道なり約600メートル先の左手。
JR札幌駅のバスターミナルから「じょうてつバス」の「かっぱライナー号」または「豊平峡温泉行」路線バスに乗車、約80分で終点「豊平峡温泉」にて下車。なお、鉄道は走っていないため、公共交通機関はバスのみ。
札幌の観光名所の楽しみ方や、夜景・グルメ・温泉・観光イベント情報などをひとまとめ!札幌エリアで旅行を楽しむツアープランやホテル・宿の予約プラン、レンタカープランなども紹介。札幌旅行を考えている方は下記のURLから「札幌エリア特集」をチェック。【札幌エリア特集】はコチラ
真冬は巨大かまくらが登場
豊平峡温泉の名物のひとつに、真冬に登場する「巨大かまくら」があります。毎年概ね、1月中旬位から3月頭位まで、第二駐車場脇に登場します。この中では、炭火でのジンギスカンを楽しめます。雪の中なので寒いと思いきや、炭火のコンロが暖房がわりで意外と暖かいですよ。 年度によって大きさや形は多少変わりますが、例年約30名程度は入ることができる広さ。グループや団体で来ても大丈夫です。冬の楽しみ方として、温泉とともに巨大かまくらでのジンギスカンも、おすすめです。
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