北海道発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
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達人指南
現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。
古くから栄えた北海道の港まち、小樽のローカルグルメを紹介。安くておいしい居酒屋、和食店、小樽の焼鳥店、そして、蕎麦屋を楽しむ方法を紹介する。
小樽は江戸時代から昭和初期まで、物資陸揚げ港として機能し、北海道の経済を支えた経済都市だった。その面影として残った 小樽運河や石造りの倉庫群、 北一硝子をはじめとする硝子や オルゴールなどの工芸品は、現在も重要な観光資源となっている。港湾労働者の多かった小樽は飲食文化が多様に発展。現在は 寿司や洋食、 スイーツのまちというイメージが強いが、実は「小樽焼き鳥」や 「あんかけ焼きそば」などのローカルグルメも面白い。この記事ではさまざまな小樽グルメのなかから、ツウ好みのスポットを紹介。小樽独自の焼き鳥を提供する店やおでん屋、蕎麦屋の楽しみ方を達人に聞いた。取材・文/たびらい編集部 更新/2016年 6月
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(やましろ えいたろう) 山城 栄太郎さん
ビギナーにも見つけやすい小樽ローカルグルメの筆頭格、それが 「なるとの若鶏半身揚げ」だ。塩コショウのみで味つけした鶏の半身を大豆油で揚げた、シンプルかつボリューミーな鶏肉料理。「皮の塩加減・揚げ方が絶妙で、お腹の部分の小骨もパリッパリで食べられる。小樽っ子は大きな骨以外は全部食べてしまいます。ビールのお供によし、ごはんのおかずによしの逸品です」と達人の山城さん。単品は980円、定食は1200円で提供している。「観光で小樽を訪れるなら稲穂町の梁川通りにある 『若鶏時代 なると』がおすすめ。ローカルな雰囲気がむんむんと香るお店です。花園町にも『ニューなると』がありますが、こちらはテイクアウト専門店となりました」。また、「なると屋」という「なると」が暖簾分けした店舗も複数あり、 小樽運河に近い出抜小路にも出店している。運河観光の折に手軽に楽しむならこちらもおすすめだ。
小樽のローカルグルメ・2番目の楽しみが、各店が独自のタレを工夫する「焼き鳥」だ。本州以南と北海道では焼き鳥の食べ方・飲み方が違うと山城さんは言う。「例えば、東京では1500円くらいでビールを飲みながら鶏・砂肝・鶏皮などをちょっとつまむというスタイルで、基本的には長居する場所じゃないですよね。北海道の焼き鳥屋は寒い時に入ってしっかり飲む場所。お客にご近所さんが多いのも特徴です」。美唄(びばい)などの炭鉱のまちや室蘭・函館といった港湾労働者の多いまちで生まれたのが、北海道ならではの焼き鳥文化だ。モツと精肉を1本の串で一緒に焼く 「美唄やきとり」や、豚肉を焼き甘みのあるタレと洋ガラシで味わう 「室蘭やきとり」は肉体労働者のニーズからつくられたものだった。「小樽も室蘭・函館と同じ流れを汲んでいて、タレがベーシック。僕がおすすめするのは『かねこ』と 『伊志井』。味噌だれと呼ばれる白いタレがかかっていて実にうまい。でも、これは塩と醤油でつくられているんですよ」。両店の名物が「腸ガツ」で、鶏肉の前にこれから食べるのがマナーと達人。「まず、店では『何人前?』と聞かれますが、それは腸ガツのこと。売り切れる前に少し多めに頼むのがコツです。蒸してあり、飲み込めるような柔らかさです」。達人・山城さんのおすすめがもう1店、それが花園町の「寺さん」。「腸ガツはもちろん、揚げ納豆と湯豆腐もうまいね」とのこと。2000円以下で十分に楽しめる、市民に人気の店だ。
濃い味を好む北海道人、小樽人の好みは蕎麦の食べ方にも。「小樽の蕎麦は、やや甘辛い汁が特徴です。港湾労働者たちが短時間で食べる食事だったので、“蕎麦で軽く一杯”という文化ではなく、蕎麦は完全な“ごはん”としての存在。ビールをメニューに載せていないところも多いんですよ」と山城さん。 「若鶏時代 なると」のすぐ近く、梁川通りにある「やま安」は達人がよく通う蕎麦屋だ。「ざる、かけがそれぞれ390円という立ち食い蕎麦のようなリーズナブルさですが、手打ちなんです。毎日食べられるやさしい味」と言う。ここは毎日11時30分の開店と同時に地元民が続々と訪れる場所である。明治45年(1912)創業の老舗だが、女将さんのやさしさが心地よいとても入りやすい蕎麦屋だ。「また 『藪半』と『伊佐美屋』もおすすめ。『藪半』は古い蔵を使った蕎麦屋で、サイドメニューが豊富。“何を食べてもうまい”名店です。『伊佐美屋』は揚げたての天ぷらがバチバチと音を立てながらテーブルまでやってくる温かい天ぷらそばがイチオシメニューですね」。食事処としての蕎麦屋が多い小樽で、「藪半」はお酒を前提に楽しめる貴重なグルメスポットだ。蕎麦の実から育てた「そばもやし」や「そばみそ」のほか、「うどんすき」も必食、と山城さんは教えてくれた。「銅鍋にダシ汁、海鮮と野菜、焼き豆腐を入れていき、最後にうどんを入れて食べるんだけど、海鮮のダシが汁に溶け込んで絶品なんです」。
きれいな海鮮居酒屋や洋食もいいけれど、夜の小樽のローカルグルメをちょっとディープに楽しみたい。そんなツウな人におすすめしたいのが、おでん屋とガツ屋。「まず僕がおすすめするのは『ふじりん』。小料理屋さんだけど、お通し、おでんも含めてすべてがおいしい。出されたものをただ食べているだけでOKです。女将さんがキレイで、そこもポイント(笑)」。ここは、いつも混み合っているので、早めに行くか、予約するのが確実だ。もうひとつ、達人がおすすめするおでん屋さんに「はつ花」がある。ここはおでんのほかに海鮮も評判。ビール・日本酒を味わった後、濃いめの汁にそうめんを入れた「鳥めん」を〆にいただく流れで楽しみたい。店の行灯もピンク色、昭和の薫るレトロな雰囲気が魅力的だ。午前3時まで営業しているので、まさに“のんべえ”にはうってつけのスポット。また、海鮮を味わうなら「がつやしまざき」もはずせない。元々、豚肉の串焼きを提供していたため“がつや”の名がつくのだが、「しゃこの刺身」やアルミホイルで焼く「紅ズワイガニ焼き」など、しまざきの海鮮名物メニューは多い。「海鮮のほかにも、豚肉の『ロースチャップ』が名物。3~4センチはある分厚い肉に甘辛いタレがかかっていて絶品です」。
最後に紹介したいのが小樽のカレーの楽しみ方。 札幌発祥のスープカレーの人気は小樽でも高まっており、店舗も増えているが、達人・山城さんのおすすめは別のところにあった。「僕のおすすめは“蕎麦屋でカレーを頼む”こと。蕎麦ダシにカレー粉をミックスして一からつくっているところが多い。蕎麦ダシが効いて、とてもまろやかです。 『藪半』のカレー丼、伊佐美屋のカレーがイチオシですね」。もうひとつ、山城さんのおすすめが「中華食堂くろ」の「くろのかつカレー」。「中華だけど洋風のランチもおいしい。『くろのかつカレー』は赤身に脂が乗った“かみ込み豚”の肉を使っていて、とても人気ですよ」。「くろ」が提供するカツカレーは一日10食限定、ランチの早い時間帯に訪れないとなかなか食べられない売り切れ必至のグルメだ。観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!
達人イチオシの「伊志井焼鳥店」のほか、2店舗をピックアップ!
何を頼んでも旨い、という達人イチオシの「藪半」だけではない。小樽の蕎麦屋には“名店”と呼ばれる店がたくさんある。
JR函館本線の普通、もしくは快速を利用普通/約50分 快速/約32分片道640円
北海道中央バス、ジェイ・アール北海道バス 「高速おたる号」などを利用片道610円
札幌中心部から札樽自動車道(札幌北IC乗車)を利用し、小樽IC下車。約37キロ、約45分~50分
国道5号線を歩いて行けば、嵐山新地までは約10分ほど。しかし、このエリアは路地が非常に多く、そして“迷う”のが楽しい。嵐山周辺には、今回紹介した「伊志井焼鳥店」「ふじりん」など名店がたくさん。暗くなる前にひと歩きして、チェックしておくのがおすすめ。
JR小樽駅から徒歩で800メートル、約10分
小樽の観光名所の楽しみ方や、夜景・グルメ・温泉・観光イベント情報などをひとまとめ!小樽エリアで旅行を楽しむツアープランやホテル・宿の予約プラン、レンタカープランなども紹介。小樽旅行を考えている方は下記のURLから「小樽エリア特集」をチェック。【小樽エリア特集】はコチラ
一見さんも大歓迎! 夜の「嵐山新地」が待っている
小樽の夜の居酒屋放浪を楽しむなら、この「嵐山新地」は欠かせない。炉ばた焼き、スープカレー、小料理屋などが軒を連ねる。しかし、歩いてみると、そこには普通にアパートがあり、人の営みがすぐ隣にある。「トロイカ鍋」が旅行者にも人気の「かすべ」はこの奥。臆することなく、路地のなかへ。忘れられない味が待っている。
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