北海道発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
更新:2020年10月20日
標高532.4メートル、小樽のシンボル的な存在「天狗山」。山頂からは、小樽の街並みだけでなく小樽湾や石狩湾、さらには積丹半島までも見渡せる絶好のビューポイントです。展望台からの景色はもちろん、注目は山頂に設けられた個性的な施設の数々。昼間から訪れたい、天狗山の魅力をたっぷりと紹介します。
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小樽のシンボル的な存在「天狗山」。標高532.4メートルにある展望台は、絶好のビューポイントとして名高いスポット。港や市街地から近いために、光が際立ちはっきり見渡せる寒色系の夜景は、函館市・函館山、札幌市・藻岩山と並んで「北海道三大夜景」のひとつです。春は満開の一本桜、夏はスライダーや森林浴、秋は紅葉、冬はスキーや雪遊びと、一年を通じてさまざまな楽しみ方ができ、観光客だけでなく地元民にも愛されています。 そもそも、この山の名前はなぜ「天狗山」なのでしょう。山頂には「天狗の館」、「鼻なで天狗さん」、さらには天狗のモデル「猿田彦大神」をまつった「小樽天狗山神社」があります。施設に足を踏み入れると、必ず目にする天狗の姿や文字。この山が天狗と無関係とは思えません。 ただ、天狗山の名称の由来ははっきりとはしておらず、いくつかの説があります。それは「山の形が天狗に似ているから」、「小樽は本州から移住して来た人が多く、かつて住んでいた故郷にあった天狗山を思って名付けた」というもの。さらに「小樽港に海外からの船がやってきた際、港の人が『天狗が来た!』と言って、外国人が来たことを地元の人に知らせていたから」という説も。 かつては天狗に関わる施設はありませんでしたが、三十数年前に山頂の施設を建て替える際、「せっかくだから天狗にちなんだものを集めよう」と現在の形になりました。長い鼻をなでるとご利益があるとされる大きな天狗「鼻なで天狗さん」や、日本中から集めた天狗のお面や巻物がずらりと展示された「天狗の館」は、山頂のロープウェイ乗り場に直結する山頂施設内にあり、利用は無料です。 また、ロープウェイ乗り場と直結している売店には、天狗山オリジナルのマグネットから、ストラップやポストカード、さらにはロープウェイチョロQといった珍しい物まで、天狗山に訪れた記念にぴったりの品々が販売されています。 もちろん天狗グッズも充実。天狗の置き物や絵馬など、普段お目にかかることのないような品々は、見ているだけでも楽しい時間が過ごせます。そんな天狗グッズの中で、一番人気は「お守り天狗」(650円)。鈴付きの天狗に、天狗山の山頂にある天狗のモデル「猿田彦大神」をまつった「小樽天狗山神社」のお守りが連結されています。吸盤も取り付けられており、愛車に付ける人も多いという人気のアイテムです。 特に海外の観光客に人気なのが、天狗の置き物です。海外では魔物として恐れられている天狗が、お土産として販売されているのは大変珍しいと、旅の記念に購入する人が多数。現在は長い鼻が付いた顔だけの天狗と、全身の姿の天狗の2種類が販売されており、各種750円で販売されています。
天狗山のロープウェイは30人乗り。時速13キロとゆったりとしたスピードで、所要時間は約4分です。運行間隔が12分と短く、混雑時には6分間隔の臨時運行も。山頂行きの便に乗車すると、発車して間もなく、遠くの海上の景色がうっすらと目に入ってきます。そして、次に日本海、小樽の港、最後に小樽の街並みと、少しずつ開けてゆく景色は見物。 夜には、乗車中も夜景を楽しめるようにと、車内の照明を消して運行します。ぜひ街側で景色を楽しんで。 他の同乗客からの許可が下りれば、ペットの同伴も可能です。リード着用のうえ、飼い主が抱っこして、またはゲージに入れて愛犬と一緒にロープウェイに乗車する客も少なくありません。 また、天狗山は冬になると、天狗山スキー場としてウインタースポーツのゲレンデに様変わり。もちろんリフトもありますが、スキー板を担いでロープウェイへ乗車することも可能です。ロープウェイの方がリフトより早く山頂に到着するので、好んで利用するスキー客も。
天狗山は、四季折々の魅力を楽しめるスポット。 春の天狗山には、毎年ある問い合せの電話がかかってきます。その理由は、天狗山山頂にそびえる一本桜である「天狗桜」。この桜は、樹齢100年を超すエゾヤマザクラで、明治時代に植えられたもの。開花時期は5月中旬から下旬、小樽で最後に開花するといわれています。例年開花を楽しみに待つファンの多い桜です。 夏ならではの楽しみは、青々とした自然の中を滑り抜ける「天狗山スライダー」。山頂のロープウェイ乗降場所から1分ほど歩くと、スライダー乗り場が見えるはず。このスライダーは、430メートルほどの特設コースとなっており、レバー付きのソリに乗って一気に滑り降りるというもの。最高時速はなんと約40キロ。360度を見渡せる大パノラマの中、心地よい風を浴びて滑り降りるのは爽快でスリル満点ですよ。基本は大人1人乗りですが、幼児までなら親子2人で乗ってもOK。またソリは操縦可能でスピードをコントロールできるので、孫と一緒にゆっくり滑るシニア世代にも人気です。ゴール手前には専用カメラによる撮影ポイントもあり、記念の1枚は乗り場にて500円で販売されます。旅の記念になりますね。 「せっかく山に来たのだから、ちょっと歩きたい」という人には、ぴったりの「森林浴コース」が山頂付近に設けられているので要チェック。平坦な道が続くそのコースは約1.3キロで、20〜30分ほどで一周できます。普通の靴で気軽に楽しめるのがうれしいですね。コースには看板が立てられており、迷うことなく山頂にたどり着けますよ。森林浴コースは、6〜10月の夏季限定。木漏れ日とたくさんの鳥のさえずりに包まれ、リフレッシュできること間違いなし。 意外と知られていないのが、天狗山の紅葉の美しさです。9月の初めから山頂は色づき、10月に入ると街では木々の葉がまだ青々としていても、周囲より標高の高い天狗山ではすっかり紅葉が広がります。山頂から、紅葉の見事なグラデーションを楽しんで。 そして、冬はゲレンデに。初心者から上級者まで多彩なコースが用意されており、スキーやスノーボードはもちろんのこと、スノーシュー(洋風かんじき)やそりのレンタルもあります。手ぶらで訪れても楽しめるのはうれしいポイント。山麓には安全に雪遊びができるよう、ネットで囲まれたゾーンも用意されているので、小さな子どもと安心して遊ぶことができますよ。冬は空気が澄んでいるので、晴れた日は景色が一段ときれいに見えます。前方に広がる絶景の中の滑走は、心地よい開放感です。
やはり天狗山で一番見てほしい風景は、展望台からの眺め。特に夜は素晴らしく、多くの人が“宝石を散りばめたようだ”と感嘆の声を上げるほど。町からとても近いところにあり、光が間近まで届くことがその理由です。さらに、天狗山の展望台付近の傾斜は40度と急であるために、下を眺めるとまるで自分の足下に小樽の街や海が広がっているように見えますよ。足下に広がるパノラマをぜひ楽しんで。 ゆったりと夜景を楽しむなら、山頂のレストランのカウンターがおすすめです。ロープウェイ乗り場と直結している「展望レストランてんぐ」は、窓際に約25メートルものバーカウンターがあり、壮大な景色を眺めながら食事ができるレストラン。パスタやカレー、ラーメンやカツ丼など、多彩なメニューが用意されており、中でも牛肉をトロトロになるまでじっくり煮込んだビーフシチューが人気です。季節限定のメニューや、天狗の顔に見立てたボリュームたっぷりの「天狗ライス」、地元産のワインや温かいドリンクなど、カップルでも家族でも、晴れた日でも寒い夜でも、幅広いシーンに対応したメニューが用意されています。 温かい料理やドリンクと共に、大切な人と眺める夜景は格別。週末やクリスマスにはカップルで混み合う人気のスポットです。ロープウェイ往復券と展望レストランの食事券がセットになったお得なセット券もありますよ。 また、毎年2月にロングラン開催されるのが、手づくりの灯りと雪のオブジェを楽しむイベント「小樽雪あかりの路」。観光スポットや温泉、学校や商店街など、小樽市内のさまざまな場所が会場となりますが、天狗山はその中でも特徴ある会場のひとつとしてお馴染み。期間中は樹木がライトアップされ、さらにイベント初日の夜には、打ち上げ花火や松明(たいまつ)を持ったスキー隊のパフォーマンスを実施。いつもとはひと味違った華やかな天狗山に出会えます。
小樽天狗山 【住所】北海道小樽市最上2丁目16-15 【営業時間】 (小樽天狗山ロープウェイ) 9時~21時(季節により変動あり) ※冬季はスキー場ロープウェイとして運行 (小樽天狗山スキー場) 12月上旬から3月下旬営業 9時~16時/ナイター営業16時~20時 【駐車料金】無料 【問い合わせ(TEL)】0134-33-7381 【公式サイト】 http://tenguyama.ckk.chuo-bus.co.jp/
車で(レンタカーで)
新千歳空港から/高速道路(新千歳IC—札幌南IC—小樽IC)経由で約1時間25分。 札幌市街地から/高速道路(小樽IC)から約15分。
公共交通機関(JR・バス)で
JR小樽駅から中央バス「天狗山ロープウェイ行き」に乗車し、終点「天狗山ロープウェイ」で下車。約17分。
ロープウェイや展望台など、ペットを連れても大丈夫?
大丈夫です。ロープウェイは、ペットをリードにつなぐか抱っこで乗車できます。ただし、同乗者の中に動物が苦手な人がいる時は、便をずらして乗車することになります。
山麓から山頂まで徒歩や車で登れますか?
山道を徒歩で登ることはできます。車に関しては、道道956号線より山頂に向かう市道がありますが、路幅が狭い上に急カーブが多く、また夜間は外灯もほとんどないため、おすすめしません。なお冬期間は通行できません。
車いすや赤ちゃん連れに配慮した設備はありますか?
山麓乗り場の階段は昇降機を用意しています。また、車いすの貸し出しや、山頂には多目的トイレ、おむつ替え用のベッドを女性トイレに用意してあります。