長崎発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
更新:2018年04月17日
グラバー園は、長崎を代表する観光スポット。平成27年(2015)には世界遺産に認定されました。 洋館ファンのみならず、だれもが楽しめるミステリースポットを散策。高台から望む、気持ちのよい ティータイムにでかけましょう。
[たびらいセレクション]
ローカル案内役 藤田 秀樹(たびらい編集部)
福岡県出身。九州内の食べ歩きスポットを探し続ける編集スタッフ。カメラ片手に友人・知人を巻き込んで観光スポットにも出没。
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長崎観光に欠かせないグラバー園をはじめとする洋風建築が立ち並ぶ南山手や東山手などは、幕末の開国後、幕府によって外国人の居住が許可された外国人居留地でした。そんな外国人居留地の歴史を受け継ぐグラバー園は、1859年の長崎開港後に長崎に来住したイギリス人商人グラバー、リンガー、オルトの旧邸があった敷地に、長崎市内に残っていた歴史的建造物を移築しており、世界的にも有名な「ブリタニカ国際大百科事典小項目事典」や1982年に出版された「解説版 新指定重要文化財13 建造物Ⅲ 」などにも掲載されています。 旧三菱第2ドックハウスも移築された歴史的建造物のひとつ。三菱重工業長崎造船所第2ドックの近くにあったおしゃれな木造洋風建築で、各階の正面にはベランダも備えています。船員たちが休憩や宿泊を行うための施設として建築されました。 現在は、旧邸の中を見たり、当時の歴史を学んだりと、絶え間なく観光客が訪れる長崎を代表する観光スポットです。しかし、歴史や旧邸と聞くだけで難しいと感じる人も多いかもしれませんが、グラバー園の魅力はそれだけではありません。長崎の絶景を眺望したり、老舗のカフェでのんびり過ごしたりすることもできます。 そして、昔の生活の様子を楽しく発見できる見どころが盛だくさん。例えば、グラバー園内には、ハートストーンが2つ存在します。ハートストーンとは、文字通りハート型をした敷石のことで、「ふれると恋が叶う」という恋を成就させたいというカップルにもおすすめの観光スポット。園内には、ひとつだけでなく複数のハートストーンがあるので、すべて探してみるのもいいかもしれません。ちなみに…ひとつはグラバー邸のすぐ近くにありますよ! グラバー園内の高くそびえ立つソテツは、薩英戦争の終戦の仲立ちをしたり、軍艦の建造に尽くしたりしたグラバーに、薩摩藩主が贈ったもので、国内最大級のソテツと言われ、南山手の小高い丘の上で成長を続けています。 キリンのこま犬の銅像は、当時、グラバーがジャパン・ブルワリ・カンパニーというビール会社を発足させたことに由来。温室のそばに座っている愛嬌(あいきょう)のあるこま犬が、その時のラベルに使われた麒麟の絵のモデルだと言われています。そしてラベルの麒麟のヒゲはグラバーの口ヒゲを元にしたものとか…。 聞きなれない名前のコンニャクレンガ。コンニャクのレンガ?いえいえ、違います。旧グラバー邸の台所の床に使われているレンガは、普通のレンガよりも薄く、コンニャクのような形をしていることから、名付けられたのだそうです。縦にして並べて使っていたため、とても頑丈だったとか。グラバーがつくった小菅修船場にも、コンニャクレンガが使われています。他にも、グラバー邸の中には、坂本龍馬や維新に賛成する人々をかくまったとされる「窓のない部屋」が天井に設けられています。 グラバーは、倒幕派の薩摩藩、長州藩などに協力。国禁を犯し、自分の船で薩摩の若者をイギリスに密航させたり、長州へ大量の武器を売っていたりしたそうで、日本の近代化に多大な影響を与えた人物でもあります。グラバー邸にはそんな幕末の志士たちが出入りし、密談を重ねていたのでしょうか…興味深いですね。グラバー園のすべてを見尽くせば、明治維新に関わった、グラバーの考えや生きざまに触れることができます。 建築面積約385平方メートルを誇る旧グラバー住宅には、主人寝室や客用寝室、大食堂、広間、小道具室、重要書類室、子供室、酒倉、応接室、温室などを充実した施設を完備。1961年の6月7日に主屋と付属屋が国指定重要文化財に、2015年には「明治日本の産業革命遺産」のひとつとして世界文化遺産にも登録。 数多くの国指定重要文化財を擁する園内には、アスファルト道路やテニスコート、西洋料理など、日本初のものが多く、発祥地の記念碑も建っています。
グラバー園内には、歴史を学んだ後に休憩できるスペースも。お洒落な店内でいただけるご当地グルメやおすすめのスイーツなども観光客の癒しになっています。ひとつ目は、自由亭喫茶室という歴史あるカフェ。江戸時代の終わり頃、日本人シェフによる初の西洋料理としてオープンし、当時は、長崎一のレストランとして多くの要人たちが足を運んだそうです。 店内は、レトロな雰囲気が漂っていて、優雅なひとときへと誘われているよう…。店内の窓からは、長崎の坂を活かした風景はもちろん、長崎港を渡る船を眺めることができます。 自由亭喫茶室のオススメは、24時間かけて抽出するダッチコーヒーを使った「自家製コーヒーゼリー」(700円/税込)。ほろ苦いコーヒーゼリーに、生クリームとバニラアイスがたっぷりのっていて、丁度良いバランスに仕上がっています。 ほかにも、「自由亭オリジナルブレンドコーヒー」(500円/税込)や、アップルパイなどのケーキも充実。異国情緒あふれる空間の中で、ゆっくりとカフェタイムを過ごしてみてくださいね。 ふたつ目は、晴れた日にピッタリの、屋外にあるガーデンカフェ。長崎港を一望できるビュースポットです。ガーデンに置かれたいすやテーブルは、グラバー園の特徴であるモッコウバラをイメージしてデザインされたもの。当時の雰囲気をそのまま感じられます。 軽食が楽しめ、長崎の空気を感じながら過ごすことができます。販売する「BANZAIサイダー」(400円/税込)は、明治時代に発売されたサイダーの復刻版。上品な大人のサイダーとして評判で、土産物として買っていく旅行者も多いのだとか。レトロなパッケージはそのままに、強めの炭酸が乾いたノドを潤します。 寒い時期でも根強い人気を誇るのが、ソフトクリーム。ガーデンカフェにあるのは「クレミアソフトクリーム」(500円/税込)。濃厚でコクのあるソフトクリームを、ラングドシャというクッキーで包んだ「史上最高の一品」との呼び声高いスイーツです。 ほかにも、長崎ならではのグラバー園オリジナルメニューが充実しています。東彼杵(ひがしそのぎ)町で栽培された茶葉を使った「そのぎ茶」や、「そのぎ茶ラテ」はグラバー園だけで味わえる限定メニュー。 ゆっくり屋内でカフェタイムを楽しみたいなら自由喫茶室、屋外で外の空気を感じながらくつろぎたいならガーデンカフェ。両方とも魅力たっぷりのため、ぜひ立ちよってみてくださいね。
リンガー住宅は、1966年6月11日に、国の重要文化財に指定されました。日本には例の少ない石造りの洋風住宅です。重厚な中に優美さが漂っているのが特色です。 リンガーは製茶業を手始めに、製粉、石油備蓄、発電などの事業を幅広く営み、明治、大正、昭和初期を通じ、ウラジオストクなど海外各港との貿易事業、各国商社代理業務に携わりました。 では、当時の生活の様子や使用していた思われる家具、食器などの展示物が見学可能。レプリカながらもぜいたくなオランダ料理からは、たびたび開かれたパーティーの雰囲気を味わうことができます。ここでどのような人と、どのような会話が行われていたのか、想像するのも面白いかもしれませんね。 オルト住宅には、イギリス人のウィリアム・ジョン・オルトが、1865年~1868年の3年間住んでいました。石造円柱が並ぶベランダの中央に、妻切屋根のポーチがあり、幕末明治洋風建築の中でも異色の建築。イギリス人の設計で、日本人小山秀之進が施工したと言われています。オルトは、1859年に来日、貿易商として製茶業を主に、実業家として活躍しました。 明治時代中期に建てられたウォーカー住宅は、ウォーカー商会を興したロバート・ニール・ウォーカーJrがかつて住んでいた西洋建築で、大浦天主堂のそばにあった建物を園内に移築したものです。 旧英国領事館跡にミッション系のスクールとして誕生した旧スチイル記念学校は、アメリカのダッチ・レフォームド教会の外国伝導局長だったスチイル博士によって建築。東山学院などの学校の校舎としても活躍しました。 グラバー園では、年間イベントが多彩。4月中旬~5月末までは、「春浪漫フェスティバル」を開催。園内が、春の花々で彩られます。ゴールデンウィーク期間中は、パレードや夜間開園も。 夏には、夜間開園&ビアガーデンがあり、7月中旬~10月中旬に、開園時間を延長。8時~21時半まで、グラバー園を楽しめます。なんといっても異国情緒あふれるイルミネーションが光るグラバー園内で、おいしい料理とビールが楽しめるのが魅力。 秋には、日本を代表するアーティストが2日間ライブを行う「Lovefesラブフェス 秋の夜空の大花火大会」が開かれます。10月中旬の土日に合わせて、長崎県内はもちろんのこと、県外からのたくさんの観光客でにぎわうイベント。 最終日の終盤には、秋の花火が打ち上がることでも有名です。 実は、グラバー園からは、長崎港の夜空に輝く花火が良く見える隠れスポットです。昼には音楽フェスで盛り上がり、夜にはグラバー園で美しい花火を眺めるというのは、この時季だけの楽しみ方。 そして冬には、「グラバー園 光の庭園」と呼ばれるグラバーナイトイルミネーション、クリスマスイルミネーションなどの美しい光に彩られたイルミネーションスポットとしても知人気を集めています。 公式サイトやTwitter、Instagram、Facebookなどにも施設情報やイベント情報、写真などが投稿されていますので、要チェック。 1日中でも楽しめるグラバー園は、魅力的な観光資源がそろう長崎市内の中でも特に人気の観光地で、周辺には、大浦天主堂や出島などの旅行者でにぎわうスポットも点在していますので、長崎市内のホテルや旅館などに宿泊して、天気が良い日には世界新三大夜景と名高い稲佐山の夜景とともに楽しむのも素敵ですね。
グラバー園 【住所】長崎県長崎市南山手町8番1号 【入園料】園料金は大人610円、高校生300円、小中学生180円。1グループ15人以上で団体料金の適用あり 【開園時間】通常の期間は、8時~18時(入園受付は17時40分終了)。ただし、特別期間中は夜間開放を行っており、閉園時間が異なる。また、年中無休だが、台風などの際には休園することもある。詳細はグラバー園の公式サイトで。 【問い合わせ(TEL)】095-822-8223(グラバー園管理事務所) 【公式サイト】http://www.glover-garden.jp/
車(レンタカー)で
・ 福岡インターチェンジから九州自動車道→鳥栖ジャンクションから長崎自動車道→長崎インターチェンジからながさき出島道路(福岡インターチェンジから約2時間)
路面電車で
・「長崎駅前」電停、路面電車「正覚寺下行(1系統)」乗車→「築町」電停下車、「石橋行(5系統)」へ乗り継ぎ→「大浦天主堂下」電停もしくは「石橋」電停下車、徒歩(長崎駅から約30分)
バスで
・長崎空港空港連絡バス「出島道路経由」乗車→「長崎新地バスターミナル」停留所下車、徒歩(長崎空港から約1時間)
グラバー園に駐車場はありますか?
グラバー園内には駐車場がなく、近隣駐車場の利用が必要です。
車いすでの来園は可能ですか?
路面電停「石橋」から徒歩2分の場所に設置してあるエレベーター「グラバースカイロード」が利用できます。グラバースカイロード降車後、垂直エレベーターに乗り継いでグラバー園の最上部まで行き、グラバー園第2ゲートから入場が可能。ただし、園内には勾配が多いため、車いすでの散策には介助が必要です。電動車いすの貸し出しもあるので、そちらの利用も検討を。
園内にトイレはありますか?
オストメイト付き多目的トイレや休憩室、授乳室が完備されています。
ペット同伴でも入れますか?
小型犬ならリードをつけての入園が可能です(建物内は不可)。
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