北海道発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
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達人指南
現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。
都市と自然が見事に溶け込む街、札幌。そのシンボル的観光地が、大通公園だ。市民にとっては憩いの場であり、年中イベントが行われる舞台でもある。人気の秘密と、もっと楽しむコツをご紹介!
札幌市内の中心部を、東西約1.5キロにわたり貫いている大通公園。西1~12丁目の各区間には花壇や芝生が整備され、多彩な噴水や彫刻作品も相まって、四季折々に目を楽しませてくれる。東端にはさっぽろテレビ塔、西端には札幌市資料館が佇む、市内随一の観光名所だ。とはいえ、意外と知らないスポットや楽しみ方も。北海道に移住して28年、すっかり〝どさんこ〟というラジオパーソナリティ・髙山秀毅さんに、その魅力をたっぷり聞いた。ライター/新目七恵 投稿/平成28年(2016)3月▼その他の札幌観光情報はこちら・札幌観光で”役に立つ”情報20選
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(たかやま ひでき) 髙山 秀毅さん
大通公園といえば、何を思い浮かべるだろう。テレビ塔? 噴水? 花壇? そのすべてが揃う代表的なエリアが、西1~4丁目だ。特に西3丁目は、人気の記念撮影スポット。「泉の像」の向こうに噴水とテレビ塔が望め、お馴染みの風景が広がる。主要エリアを自由に見て歩くのもいいけれど、西3丁目には「大通公園観光案内所」がある。札幌の街を熟知した〝観光案内のプロ〟であるボランティアスタッフが、道案内や記念撮影の手伝いに応じてくれるので、気軽に足を運んでみよう。営業時間は6~8月/9時~18時、 4月下旬~5月・9月~10月下旬/9時30分~17時30分(無休だが、悪天候などで休業の場合あり)。このエリアは、札幌駅や狸小路、すすきのなど、ショッピングやグルメスポットまで徒歩圏内。「普段の移動でもよく横切ります」と髙山さんが話す通り、地下鉄やバスターミナル、札幌市電の乗り場にも近く、交通の要所としても便利だ。旅の拠点としても賢く活用しよう。
大通公園名物・トウキビ。ほのかな塩味の「ゆで」と、醤油だれが香ばしい「焼き」があり、1本500円。どちらも甲乙つけがたい美味しさだが、その歴史は古く、明治中期にはすでにトウキビ売りの姿があったというから驚きだ。お土産用の「レトルトとうきび」もあるが、まずおすすめしたいのは、青空の下、大通公園のベンチで味わうこと! 風を感じ、揺れる緑を眺めてのんびり味わう旨さは格別。髙山さんも、初めて札幌を訪れた際に焼きトウキビを食べたそうで、「北海道に就職できたらな…と思いながら食べたあの美味しさや風景は、僕にとっての〝原点〟です」と教えてくれた。大通公園のトウキビ人気を後押ししているのが、公式キャラ「きびっち」。ゆるキャライベントなどにも参加し、道内外にファンを拡大中だ。“頭のふさ毛を触ると幸せになれるかも!?”なんて噂も。大通公園に出現することもあるので、見かけたらお試しあれ。
夏のYOSAKOIソーラン祭りやビアガーデン、秋のオータムフェスト、冬の雪まつり…など、イベント会場として大活躍の大通公園。とはいえ、本来の魅力は「噴水」と「彫刻」にあり。公園としての美しさをご紹介しよう。カメラが趣味の髙山さんにとって、大通公園は「どこを切り取っても〝絵〟になる」格好の撮影スポットでもある。たとえば、せせらぎの音を再現したという「壁泉」(西2丁目)、「生命の躍動」をテーマに華やかなショーが繰り返される「西3丁目 噴水」、こんこんと絶え間なく水が湧き出す水盤上の「西7丁目 噴水」…など、噴水はバリエーション多彩。夜にはライトアップされるものも多く、ぶらり散策しながら、お気に入りのポイントを探してみるのも面白いだろう。一方、彫刻には驚きのストーリーが隠れているものも。たとえば、西3丁目の「泉の像」が、余市に蒸溜所があるニッカウヰスキーと深い関わりがあることをご存じだろうか。これは昭和34年(1959)、創業者の竹鶴政孝が「大通公園は素晴らしいが、彫刻がない」と、戦後日本を代表する札幌生まれの彫刻家・本郷新に制作を依頼し、寄贈したものなのだ。「ドラマで話題となった竹鶴夫妻が、こんな形で札幌に貢献していたことを知ってほしい」と髙山さん。彫刻が気に入ったら、札幌市内にある「本郷新記念札幌彫刻美術館」に足を延ばすのもおすすめだ。
「時間に余裕があれば、もっと西まで歩いてみてほしい」と髙山さん。子供連れなら、西8・9丁目エリアがおすすめ。プレイスロープや遊水路、ブランコなどが整備されている上、札幌ゆかりの彫刻家イサム・ノグチが作った、黒御影石の滑り台作品「ブラック・スライド・マントラ」があるのだ。アート的価値もなんのその、子供たちが楽しげに遊ぶ姿に笑顔がこぼれる。プライベートで子供と遊びに行ったという髙山さんは「大通公園はまさに〝生活の一部〟。ここで遊んだ記憶が残ると嬉しい」と話す。さらに、西13丁目にある札幌市資料館は「素通りせずにぜひ訪れてほしい」という穴場スポット。もとは大正15年(1926)に札幌控訴院として建てられ、平成9年(1997)に国の登録有形文化財に選定された。控訴院時代の法廷を復元した「刑事法廷展示室」や、3年に一度のアートフェス・札幌国際芸術祭に関する「SIAFラウンジ」がある。髙山さんイチオシは、札幌出身の漫画家・画家の作品を集めた「おおば比呂司記念室」。ほのぼのとしたタッチが懐かしい原画や愛用品が並び、旅情気分を盛り上げてくれるだろう。開館は9~19時で、入館無料だ(休館日:月曜日※祝日の場合、その翌平日、12月29日~1月3日)。札幌軟石を使ったという貴重な建築美を、存分に堪能してほしい。ちなみに、大通公園の意外な鑑賞スポットとして髙山さんがすすめるのが「大通献血ルーム」(札幌市中央区大通西4丁目6-1、札幌大通西4ビル11階)。もちろん献血することが条件だが、珍しいワイドビューの景色が一望できるそう。機会があったら、訪れてみてほしい。
そもそも大通公園の始まりは、明治の開拓時代にまで遡る。明治4年(1871)、市内中心部を北の官庁街と南の住宅・商業街とに分けることになり、その間に「火防線」として作られた空間が、ここなのだ。明治8年(1875)ごろから花壇が植えられたり、農業博覧会が行われたりするなど、多目的な憩いの場として使われるように。第二次世界大戦中には、畑となったこともあったそうだが、激変する時代を乗り越え、〝街のオアシス〟として札幌を見詰め続けている。実は、髙山さんゆかりの地・名古屋にも、大通公園に似た風景があるという。その名も、「久屋(ひさや)大通公園」。「テレビ塔もあり、もとは街の防火対策として作られたという歴史も同じ。だから初めて札幌の大通公園を見た時、親近感が沸きました」とか。海を隔てたふたつの街の、意外な共通点。各所を旅する際には、そんな風景の成り立ちや類似点に目を向けてみるのも面白いかもしれない。観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!
ぶらり歩いても、カメラ片手でも。数ある大通公園のスポットの中から、達人おすすめをチョイス。
「雪まつり」や「YOSAKOIソーラン」だけじゃない! 札幌の夏を満喫できるイベントから、冬遊びを体験できる意外な催しまで、達人がおすすめを紹介。
観光土産にピッタリ! 西7丁目にあるオフィシャルショップで販売している、オリジナルグッズや札幌スタイル認証製品のなかから、達人お気に入りをご紹介。
札幌駅からなら、地下鉄もあり、地下歩行空間でもつながっているが、天気が良ければぜひ地上を歩いて向かってほしい。商業ビルやオフィス街を抜ければ、緑と花で彩られた大通公園が迎えてくれるはずだ。
■大通公園インフォメーションセンター & オフィシャルショップ【住所】札幌市大通西7丁目内【電話番号】011-251-0438 (大通公園管理事務所)【営業時間】10時~16時(イベント時変更あり)【定休日】12月29日~1月3日(年末年始)【公式HP】http://www.sapporo-park.or.jp/odori/
地下鉄東西線・南北線・東豊線「大通」駅で下車。もしくは、札幌東西線「西11丁目」駅で下車。
札幌の観光名所の楽しみ方や、夜景・グルメ・温泉・観光イベント情報などをひとまとめ!札幌エリアで旅行を楽しむツアープランやホテル・宿の予約プラン、レンタカープランなども紹介。札幌旅行を考えている方は下記のURLから「札幌エリア特集」をチェック。【札幌エリア特集】はコチラ
〝リラ冷え〟の街が生んだ物語
昭和35年(1960)、札幌の木にも選ばれた「ライラック」。大通公園では約400本が植えられ、5月下旬~6月上旬には白や紫の可憐な花が咲き誇る。この時期は、暖かくなったと思ったら急に気温が下がることがある。この気候の変化を、ライラックのフランス語「リラ」にちなみ、「リラ冷え」と呼ぶことはご存じだろうか。北海道出身の直木賞作家・渡辺淳一の小説「リラ冷えの街」によって一気に広まった言葉だ。 開花時期に、大通公園などで開催される「ライラックまつり」を歩くもよし。中島公園にある「エリエールスクエア札幌 渡辺淳一文学館」(札幌市中央区南12条西6丁目414)に足を運ぶもよし。風景や文学を通して、札幌の初夏の清々しさを体感してほしい。
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