1. 豊かな海が育むとびきりの美味。知床グルメ

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

豊かな海が育むとびきりの美味。知床グルメ

  とびきり新鮮で美味しい海の幸は、知床旅行の大きな魅力のひとつ。その味わいを支えているのは、実はオホーツクの流氷。そして知床羅臼の前浜に広がる理想的な漁場にあった。

知床グルメ

  北半球で最も南まで漂着するため、奇跡の流氷ともいわれる知床の流氷。その存在は、知床の海の豊かさを支える源だ。この流氷から始まる植物プランクトン、動物プランクトン、魚、海洋生物・・・という命の連鎖。これこそが知床の海の豊かさの原点なのだ。
 また羅臼の前浜となるわずか20キロほどの根室海峡には暖流と寒流が流れ込み、その流れも速い。この急流に負けまいと活発に泳ぐ知床の魚は、健康で脂乗りもよいという。そして羅臼の海には最浅部で約40メートル、最深部で2400メートルほどという変化に富んだ魚礁が広がるため、多彩な魚が暮らす北海道でも指折りの漁場となっている。知床には、この豊かな海で穫れるとびきりの海の幸を中心に、食の愉しみが多彩に充実している。

知床は温泉地(ウトロ温泉)もあり、知床グルメを思う存分満喫できる。
⇒知床(斜里・ウトロ・羅臼)のホテルを探す

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知床グルメの達人
(いけがみ みほ)
池上 美穂

知床グルメの達人
  道東の自然が好きで知床も何度か旅するうちに縁あって、OLから転身。実は札幌出身で羅臼で暮らしてまだ4年目。だだ持ち前の明るさとバイタリティでもうすっかり地元の信頼を得、現在は知床羅臼町観光協会の事務局長としてPRに全国を飛び回っている。
⇒知床羅臼町観光協会のウェブサイトはこちら

達人が語る 知床グルメの魅力

羅臼の昆布

  ウニ丼、いくら丼、鮭児やトキシラズ、羅臼昆布に、ホッケ。知床にはおいしい海の幸が数えきれないほどあります。
その美味しい味わいの源が流氷なんです。冬のオホーツクを埋め尽くした流氷は、春の日差しを浴びると付着していた植物プランクトンを爆発的に増殖させます。それをエサに動物プランクトンも大量に発生。これを狙っていろいろな魚が知床の海に集まってくるんですね。魚が集まれば、イルカやクジラ、アザラシの餌場になり、それを目当てにシャチもやってくる。秋には鮭が知床の川に遡上し、それを熊やキツネ、鳥たちが食べる。その動物たちの糞で知床の森に海のミネラルがもたらされ、植物を育て、また川から海に帰っていきます。
 この壮大な命の循環があるからこそ、私たちは知床の海からいろいろな恵みをいただくことができるのです。たとえばダシの王様といわれる羅臼昆布がミネラル豊富な知床の海で大きく育ち、その昆布を食べて育つからウニの味が良くなるんですね。そうした自然の理想的なつながりがあるから、知床の海の幸はとびきり美味しい。世界遺産にも登録されるこの素晴らしい自然の価値は、見るだけじゃなく、食べても実感できるんです。

北海道でも有数の漁場が目の前に

羅臼の海産物

  知床の中でも羅臼の前浜は、江戸時代から漁が行われていた歴史があるほど古くから知られていた漁場です。今でも羅臼産といえば北海道を代表するブランドになっています。実は、羅臼の港に行くとその理由が分かるんです。晴れた日は国後島が見えるのですが、その距離は近い所だと20キロほどしかありません。この国後島と知床半島にはさまれた海域を根室海峡というのですが、20から30キロの幅しかない狭い所に勢い良く暖流と寒流が流れ込み、魚たちはその流れに負けまいと一生懸命泳ぐ。それで羅臼の魚は身が締まり脂も乗って美味しいのです。
 また知床半島の先端あたりでは海の深さが2400メートルほどもありますが、付け根にある標津あたりでは水深約40メートルとかなり浅め。深海から、浅い海まで変化に富んだ魚礁にはさまざまな魚が棲みつき、その多彩な海の幸がほとんど羅臼の目の前と言っていいほどの近くで穫れるんです。羅臼が古くからいい漁場として知られていた理由はこの魚との“近さ”にあるんです。

鹿肉を食べて、知床の環境を守る

知床の鹿肉

  海の幸ではありませんが、知床でいま注目の食材が鹿肉です。最近北海道の大手スーパーが鹿肉の販売を始めましたが、増えすぎた鹿の問題は知床だけでなく北海道の全体の問題になっています。他の地域では畑の作物を荒らし、知床では貴重な植物を食べてしまう。また冬になると、木の皮まで食べるので森が死んでしまう。そこで徐々に駆除する数を増やしているのですが、駆除した鹿をどうするかという問題がある。捨てるのにもお金がかかってしまうので、どうにか鹿肉を流通できないかという試みが始まっているのです。
 かつては敬遠されていた鹿肉ですが、最近では、臭みやくせも全然感じられないくらいに処理の技術も向上し、首都圏のレストランなどにも出荷されています。知床ではまだ鹿肉を食べさせてくれる店は少ないですが、ジャーキーや缶詰に加工されたお土産なども売られています。また鹿肉のハンバーガーを食べさせてくれるショップもありますから、知床の環境保全のためにも、ぜひ一度トライしていただきたいと思います。

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知床グルメおすすめランキング

おすすめ海鮮

  知床のグルメといえばやはり新鮮な海の幸。ウニやイクラなどの丼から特大のホッケの開きまで、おいしい味わいが多彩です。

おすすめポイント
  濱田商店は羅臼を代表する海産物の加工業者。お店では物販の他、羅臼の味をその場でいただけるイートインスペースも用意されている。一休屋さんはウトロで一番古くから営業している飲食店。タレに着けた鮭とイクラの鮭親子丼が評判。いさみ寿司は地元の人が通う羅臼のお寿司屋さん。海の幸を豪快に盛りつけた海鮮丼が人気だ。

おすすめランチ

  味も値段も厳しく吟味。ランチにこそ、その土地の味がしっかりと息づくから、地元の人が通うとっておきの美味をセレクション。

おすすめポイント
  カフェモコは羅臼昆布と鮭節のダシでつくったスープカレーが絶品。こひきやは地元の斜里窯が営む陶房カフェ。素朴な味わいの器でいただく地産知消の味が人気。まるこしは、鮭節を利かせたダシをベースにした、つけ汁でいただく自家製麺の蕎麦が評判の食堂。鮭節ならではの深いうま味が蕎麦の味わいを引き立てる。

おすすめ鹿肉

  増えすぎた鹿をなんとか知床の名物料理に。知床の自然を守るため、もっとおいしくいただいて鹿肉の消費拡大につなげよう。

おすすめポイント
  知床自然センターの喫茶・レストランで出される鹿肉バーガーは照り焼き味のバーガー。くせがなくヘルシーな味わいのバーガーだ。くまの屋はウトロの老舗食堂のひとつ。ここの鹿肉朴葉焼きは古くから鹿肉を素材にした料理として知られる。道の駅うとろシリエトクの売店「ユートピア知床」の鹿肉ジャーキーは、斜里知床ブランドに認定された地元の味。特製スパイスに漬け込んだジャーキーは噛むほどに旨さが広がる。

羅臼へのアクセス

  羅臼へはウトロからクルマで知床峠を越えて入るのが一般的。しかし場合によっては中標津空港から直接羅臼へ入るアクセスも便利だ。
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中標津空港から

  クルマで約1時間15分 道道774号線 と 国道335号線

女満別空港から

  クルマで約2時間30分 斜里国道/国道244号線 と 国道334号線

ウトロから

  クルマで約40分 知床横断道路

達人が答える知床グルメQ&A

Q 羅臼はウニの旬が違うそうですが。
A 羅臼のウニ漁はまだ流氷のある1月から始まり、6月には終わってしまう。北海道のウニの旬というと夏と思われているかもしれないが羅臼産のウニは初夏の6月までとなっている。
Q サメガレイという魚がおいしいと聞きましたが。
A 深海に住む鰈の仲間。サメのようなザラザラのウロコと粘膜におおわれた姿で見た目が悪く、長らく人気のない魚だった。しかし、最近は味の良さが知れ渡り高級魚として人気が高く、羅臼では煮付けや刺身として料理店で出されている。
Q 羅臼昆布の上手なダシの取り方は
A 煮出しの場合は水1リットルに対し、羅臼昆布10グラム。
まず固く絞ったぬれぶきんで昆布の表面をさっとふきます。表面の白い粉は昆布のせいぶんなので水で洗ったりしないように注意。
水に30分ほど浸し、強火にかけて約10分程度。沸騰直前に昆布を引き上げます。
水1リットルに対し、羅臼昆布20グラムを入れ一晩置く水出し法もあります。
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