1. 網走観光、海と歴史のロマンに出会う旅

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

網走観光、海と歴史のロマンに出会う旅

  オホーツクの海と大小7つを数える湖。国定公園にも指定される網走エリアは、豊かな海を駆け巡った北方の先住民の足跡が残る土地でもある。美しい自然と歴史のロマン、そして海のグルメ。旅のテーマは多彩だ。

能取岬の日の出

  網走は道東観光の起点として、利便性が高いゲートウェイシティだ。その魅力はオホーツクの海がもたらす、さまざまな豊かさに支えられている。歴史に目を向けると、かつて海を渡ってオホーツク沿岸の網走付近に移り住んだ北方の先住民がいた。彼らの独自の文化はオホーツク文化と呼ばれ、その遺跡群や発掘資料を展示した博物館も網走観光の人気コンテンツだ。
 自然に目を転じると、オホーツクの流氷、小清水原生花園能取湖のサンゴ草能取岬からの日の出や天都山からの眺望など、興味は尽きない。特産のあぶらがに、釣りキンキ、オホーツクサーモンやホタテ貝など海産物も豊富。旅の楽しさにあふれるエリアだ。是非、一度、網走近郊に滞在して、有意義な網走観光を楽しんでもらいたい。

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上村 孝幸さん
(うえむら たかゆき)
上村 孝幸さん

網走観光の達人
  長年に渡りコマーシャルフォトの世界で活躍するベテラン・カメラマン。ライフワークとして北海道の野生動物、野鳥,自然写真にも取り組み、道内各地の美しい風景を知りつくす。NPO法人北海道を発信する写真家ネットワークのメンバーで(社)日本広告写真家協会正会員(APA)理事でもある重鎮。

http://www.uemura-st.com/index2_flame.html

達人が語る 網走 観光の魅力

天都山から望む網走湖

  写真家にとって道東は楽園です。とにかく被写体、撮影テーマに溢れています。流氷や深い森といった北海道らしい景観はもちろん、そこに生息する生き物、花や樹々、すべてがフォトジェニックなんです。網走の良さはその道東のゲートウェイというか、拠点としての利便性が非常に高いことです。もちろん網走だけでも見所はいっぱいあるんですよ。でも女満別空港に近く、JRの特急発着があり、海にも面している。これは観光にとっても大きなアドバンテージになります。たとえば空港に着いて30分後には観光がスタートできる。着いて、また乗り換えてというのは盛り上がりに欠けますよね。
 それにクルマさえあれば、網走から道東の主要な観光地がすべて日帰りで行けてしまう。知床、阿寒湖、釧路、北見が圏内になる。一番遠い釧路でも3時間はかかりませんから。ですから限られた日数で色々な所を見て帰りたいという方にはぜひ網走を拠点に旅のプランを立てることをおススメします。

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オホーツクの謎!歴史とロマンの地としての魅力

発掘されたクマの石像

  網走の魅力というのは、突き詰めていくとオホーツクの魅力だと思います。オホーツクの豊かな自然を体感する特等席が網走というところでしょうか。これは私の意見というより歴史が証明している。網走で発見されたモヨロ貝塚というのがあるんですが、今から約1300年前に北の大陸からやってきた人々がモヨロをはじめオホーツク沿岸で暮らし、独自の文化を発展させていた。これはオホーツクの海の豊かさを享受するのために網走が選ばれたということですよね。
 ところで、オホーツク文化の痕跡は3世紀から13世紀までは確認されているのですが、それ以降、こつ然と歴史から消えてしまうんです。北海道のアイヌ文化に同化したという説もあるが定かではない。いったいどこから来て、どこへ行ったのか。これは古代史の大きな謎だそうです。そんな歴史のロマンを思いながら遺跡群や博物館を見るのも網走観光の楽しみのひとつ。網走の人気観光イベントである「オホーツクあばしり流氷まつり」でも、歴史をテーマにした大雪像がつくられたり、先住民の魂を慰霊する「オロチョンの火祭り」などもあるほど。歴史ロマンは、網走の暮らしの一部なんです。

サンゴ草に原生花園。自然の見所もいっぱいのエリア

能取湖のサンゴ草

  網走観光といえば、初夏の小清水原生花園がよく知られています。雪融けを待って、いっせいに開花する自然のお花畑です。人の手がまったく入っていないのに、約40種類もの野の花が原生しているそうです。最近ブームなのが能取湖のサンゴ草の観光でしょう。9月になると群生地が真っ赤に染められたように色づき、湖面の水色、空の青と美しいコントラストを描きます。この時期の能取湖には観光客に混じってプロアマ問わず、多くのカメラマンが集まります。
 海がらみでは、やはり流氷ですね。写真で見ても大迫力ですが、網走で見ると音もスゴい。写真もあの音までは伝えきれませんから、ぜひ足を運んで五感で自然の驚異を楽しんでください。流氷との合わせ技でも人気なのが能取岬。とくに新年には初日の出を見るために多くの人がつめかける人気のスポットです。能取岬は砂浜が多い網走には珍しく断崖絶壁の岬。夏もおススメの場所です。
 さらに忘れてはならないのが天都山からの眺望。ここは北海道で唯一、展望地として国の名勝に指定されている場所。標高は207メートルしかないのですが、視界をさえぎるものがなく、ぐるり360°のパノラマでオホーツクから知床、阿寒の山並みまでを見渡せます。

カニあり、キンキあり、オホーツクの美味が呼んでいる

オホーツクのカニ

  海に面した網走はもちろん海産物の宝庫。中でも網走ならではの自慢の味が楽しめます。まず人気のカニは、毛ガニ、タラバはもちろんのこと網走前浜だけで漁獲されるという“あぶらがに”がおススメ。元々は地元だけで流通していたカニですが、市外の業者があぶらがにをタラバガニと表示して販売したためその存在が広く知られるようになったそうです。味はタラバと遜色なく、価格はタラバより安いので、お買い得だと思いますね。
 また今一番人気の高い網走の海鮮といえるのが“釣りキンキ”。これは縄の先に針をつけたはえ縄と呼ばれる漁具で漁獲されたキンキです。網で魚を傷めないため鮮度がよく刺身でも食べられるため、高級なキンキの中でもワンランク上のキンキとして知られています。またオホーツクサーモンと呼ばれるようになったカラフトマスも網走の名物。
 この他、クジラやホタテ、シジミ、スケトウダラなどオホーツクの恵みがいっぱい。グルメの視点からも網走は見逃せないエリアなんです。


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おすすめスポット

  網走に行ったらここは外せないという人気のスポットはココ!達人が特におススメする網走の観光名所をご紹介

おすすめポイント
  小清水原生花園は、道東観光の人気上位に入る屈指の観光スポットだ。北海道の初夏はスプリング・エフェメラルといっていっせいに開花するのが特徴。中でもここはまったく人の手が入っていないにもかかわらず美しい野の花が数十種類も咲き乱れる。網走監獄は昔の網走刑務所を移築した博物館。オールドファンには網走といえば、番外地と返ってくるほど有名なあの刑務所の中の生活がかいま見られる。能取岬は、朝日・夕陽の絶好の撮影スポット。オホーツクの海と空を茜色に染めるあの一瞬の美しさは、ぜひとも見ておきたいもの。

おすすめイベント

  四季折々、網走には多彩な観光イベントがある。中でも達人がカメラを持って出かけたくなるおすすめイベントはこちら

おすすめポイント
  今でこそ冬の祭りは各地にあるが、札幌の雪祭りと網走の流氷祭りはその先駆けとなった歴史ある祭り。ライトアップされた氷像の美しさは雪祭りに負けない。天都山の山頂付近にあるフラワーガーデン「はな・てんと」のおまつりは秋の網走の人気イベント。美しい花々と農産物のマルシェが見所。オロチョンの火祭りは、夜空を立ち上る炎の印象が強烈。北方の先住民たちから伝わるオホーツクの熱を感じて欲しい。日中と夜では、イベントの魅力も異なるので、是非、網走近郊で一泊して楽しんでもらいたい。

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おすすめグルメ

  海の幸を中心に、網走のうまいものはイロイロ。網走のおいしい味を食べるならココがおすすめ!網走グルメのご紹介

おすすめポイント
  海産物の宝庫、網走に朝市がなかったのが不思議。地元の熱意で運営されているのが網走感動朝市だ。朝めしはもちろん、網走の海産物がいろいろ集まっているからお土産選びにもおすすめ。海の幸もいいが肉が食べたいという時におすすめなのがYAKINIKU網走ビール館だ。ここでは地元のブランド牛「オホーツクあばしり和牛」が食べられる。網走監獄のオホーツク網走ざんぎ丼は、網走のご当地グルメの代表。オホーツクサーモンを白魚醤油で漬け込んだ網走ざんぎをのせた丼だ。

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編集部の視点

どこまでも広がるラベンダー畑…。

網走市へのアクセス

  網走から最寄りの女満別空港まではクルマで約30分ほどの近さ。女満別空港へは東京、名古屋、関西(季節運行)、札幌の各空港から定期便が就航しています。女満別空港にはレンタカー各社も窓口を設けていますから、観光の足の確保もスムーズです。また札幌から車窓風景を楽しむJRでの旅も人気です。

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女満別空港から

  クルマで
約30分 道道64号線から国道39号線

リムジンバスで
約32分 女満別空港線利用で

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札幌から

  JR利用で 約5時間30分(特急利用)

釧路から

  JR利用で 約3時間(快速利用)

達人が答える網走観光Q&A

Q 網走から道東の観光地へのクルマの所用時間を教えてください
A 春の雪融けから冬の降雪時までの目安になるクルマの所用時間以下の通り。ただし交通状況で所要時間は変わるので注意したい。

網走駅→うとろ・シリエトク 約1時間30分

網走駅→阿寒湖 約1時間35分

網走駅→釧路湿原(展望台) 約2時間30分

網走駅→北見市街 約48分
Q 能取岬へのアクセスは何がありますか
A 網走市から能取岬へは公共交通機関でのアクセスがないので、レンタカーかタクシー利用になる。クルマで約20分。タクシー料金は片道で約3500円程度となっている。
Q 朝食付きのプランなのですが感動朝市で朝食を食べたいのですが
A 市内の宿泊施設を利用する場合は前日午後8時までに申し込むと、ホテル旅館の朝食を感動朝市の朝食に振り替えることができる。希望する場合はフロント等で確認してみよう。
網走エリアのアクティビティ

流氷館

  エリアの特徴や魅力
北海道らしい雄大な自然を感じられるスポットが多数あります/冬には流氷観光砕氷船が運行し、流氷を体験することができます/カヌーやホーストレッキングなど自然の中で楽しむアクティビティが多数あります。

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